機械工学実験実習Ⅰ

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 機械工学実験実習Ⅰ
科目番号 0011 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実習 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 機械工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 本校で作成した指導書を仕様する
担当教員 山口 顕司

到達目標

機械工作の基礎を学び、実験、実習を通じて、機械工作の理解の助長と製作技法の知識を習得する。
(1)鍛造、鋳造の基礎を学ぶ。
(2)ケガキ及び手工具の使用法を習得する、またエンジンの構造を理解する。
(3)旋盤の使用法を習得する。
(4)フライス盤の使用法を習得する。
(5)アーク溶接、ガス溶接、切断法を習得する。
(6)安全に配慮して実習を行うことができる
(7)適切に報告書を作成できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
鍛造,鋳造の基礎が理解できる鍛造,鋳造の特徴,作業などを十分理解している鍛造,鋳造の作業がどのようなものか説明できる鍛造,鋳造がどのようなものか説明できない
ケガキ及び手工具の使用法を習得し,エンジンの構造が理解できるケガキ工具,手工具の名称,使用法を認識し,適切に使用できる.エンジンの構造が説明できるケガキ工具,手工具の使用法を理解し,エンジンの分解・組立ができるケガキ工具,手工具の名称,用途が説明できない
旋盤の使用法を習得する。旋盤の各部の名称,役割などを理解し,適切に取り扱うことができる旋盤を独力で使うことができる旋盤の使用法がわからない
フライス盤の使用法を習得するフライス盤の各部の名称,役割などを理解し,適切に取り扱うことができるフライス盤を独力で使うことができるフライス盤の使用法がわからない
アーク溶接,ガス溶接,切断法を習得するアーク溶接,ガス溶接,ガス切断法の原理を理解し,適切に使うことができるアーク溶接,ガス溶接,ガス切断を行うことができるアーク溶接,ガス溶接,ガス切断の方法がわからない
安全に配慮して実習を行うことができる実習の安全に関わる事項を認識して,安全に実習を実施できる適切な服装,態度で安全に実習を実施できる実習に必要な服装・態度が認識できない
適切に報告書を作成できる報告書の期限を守り,適切な文章,図表を用いて実習の内容,考察などを記述した報告書を作成できる実習の内容,考察などを記述した報告書を期限までに提出できる.報告書に実習の内容,考察などが記述されていない.報告書の期限が守れない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この授業は本校の教育目標のうち、「基礎力」として,ものづくりの基礎となる知識・技術に関する専門基礎知識を養う科目である.機械工学実験実習は、自分の手足を動かし実際に物作りを通して、各種の技能、技術を習得し、また、他の科目で習得した知識を生かし、実践により、知識の応用、科学的考察、問題解決のできる能力と技能、技術、創造力を身につた実践的機械技術者を育成する。
その他、安全教育と、共同、責任、勤労など技術者として望ましい態度や習慣を身に付ける。
授業の進め方・方法:
実技を中心とした授業を行い、実践的な技能、技術を習得することを主目的として行う。また、授業終了後、習得度を判断する目的で報告書の提出を行う。
指導書や前回の実験、実習の内容などを、事前に教科書、専門技術書を調べ理解しておくと実験、実習がよく理解でき、効果的に行うことが出来る。
注意点:
実習は5グループで行い,○鋳造・鍛造・溶接,○電気溶接・エンジン分解組立,○手仕上げ,○旋盤,○フライス盤 の各ショップに分かれて5週毎のローテーションで実施する.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 修学ガイダンス
2週 鋳造・鍛造・溶接ショップ
鍛造の基本
鍛造の基本が理解できる
3週 鋳造・鍛造・溶接ショップ
鍛造の基本(角棒製作)
鍛造作業の注意点などが理解できる
4週 鋳造・鍛造・溶接ショップ
ガス切断の基本(アセチレンガスによる鋼板の切断)
ガス切断の基本が理解できる
5週 鋳造・鍛造・溶接ショップ
鋳造の基本(砂型作成)
鍛造の基本が理解できる
6週 鋳造・鍛造・溶接ショップ
鋳造の基本(砂型作成とアルミ鋳造)
安全に配慮して鍛造作業を行い,実際の鍛造における注意点が理解できる
7週 レポート指導 実習の内容と考察について適切な文章と図表を用いて記述されたレポートがどのようなものか認識できる
8週 手仕上げショップ
手仕上げの基本(ケガキ作業、やすりの使用法、荒切削)
手仕上げ作業の基本が理解できる
2ndQ
9週 手仕上げショップ
手仕上げの基本(仕上げ作業、赤当り)
手仕上げ作業の基本が理解できる
10週 手仕上げショップ
手仕上げの基本(仕上げ作業、赤当り)
手仕上げ工具の用途と使用法が理解できる
11週 手仕上げショップ
タップ・ダイスの基本
手仕上げによるねじ加工が理解できる
12週 手仕上げショップ
測定の基本(ノギス,マイクロメータ,ハイトゲージ,デプスゲージ,ダイヤルゲージ,シリンダゲージ)
ノギス,マイクロメータ,ハイトゲージ,デプスゲージ,ダイヤルゲージ,シリンダゲージなどによる計測の原理を理解して実際に計測できる
13週 電気溶接 エンジン分解・組立ショップ
プラズマ切断(プラズマ切断機による切断作業)
プラズマ切断の方法が理解できる
14週 電気溶接 エンジン分解・組立ショップ
アーク溶接の基本下向き溶接のビート練習、下向き突合せ溶接)
アーク溶接の原理と方法が理解できる
15週 電気溶接 エンジン分解・組立ショップ
アーク溶接による箱の溶接と漏れ試験
アーク溶接の基本作業ができる
16週 電気溶接 エンジン分解・組立ショップ
ガソリンエンジンの分解
各種エンジンの種類が理解できる
機械の分解・組み立てに使用する工具の名称を理解し,適切に使用できる
後期
3rdQ
1週 電気溶接 エンジン分解・組立ショップ
ガソリンエンジンの組み立て
ガソリンエンジンの構造,各部の役割が理解できる.
2週 旋盤ショップ
旋盤の取扱いと試し切削(各部の名称、操作法)
旋盤各部の名称と操作法が理解できる
3週 旋盤ショップ
旋盤の取扱いと試し切削(外形削り)
旋盤の基本作業が実行できる
4週 旋盤ショップ
切削工具の基本(工具材種、バイトの形状、バイト研ぎ作業)
旋盤で使用する工具が理解できる
5週 旋盤ショップ
旋盤による加工(段部と溝切削)
旋盤で多様な形状を切削できる
6週 旋盤ショップ
旋盤による加工(文鎮の製作)
旋盤で多様な形状を切削できる
7週 フライス盤ショップ
フライス盤の基礎(各部の名称、操作法)
フライス盤各部の名称と操作法が理解できる
8週 フライス盤ショップ
フライス盤の基礎(ブロック加工)
フライス盤の基本作業が実行できる
4thQ
9週 フライス盤ショップ
フライス盤の基礎(エンドミルによる段部及び溝加工)
フライス盤で多様な形状を切削できる
10週 フライス盤ショップ
フライス盤による穴開け加工
ボール盤・フライス盤を用いた穴あけ加工ができる
11週 フライス盤ショップ
フライス盤による穴開け加工
ボール盤・フライス盤を用いた穴あけ加工ができる
12週 ものづくりセンター清掃
13週 1年間の実習総括 安全に配慮して実習を行うこと,適切な報告書を期限までに提出することなど,実験実習に必要なことを認識し,次年度の実習に活用できる.
14週 予備日
15週 予備日
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。1後13
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。1後13
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。1後13
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。1前7,後13
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。1前7,後13
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。1
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。1
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。1後13
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。1後13
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。1後13
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。1後13
専門的能力分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。1前7,後13
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。1前7,後13
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。1前7,後13
ノギスの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。1前12
マイクロメータの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。1前12
ダイヤルゲージ、ハイトゲージ、デプスゲージなどの使い方を理解し、計測できる。1前12
けがき工具を用いてけがき線をかくことができる。1前8
やすりを用いて平面仕上げができる。1前10
ねじ立て工具を用いてねじを切ることができる。1前11
アーク溶接の原理を理解し、アーク溶接機、アーク溶接器具、アーク溶接棒の扱い方を理解し、実践できる。1前14
アーク溶接の基本作業ができる。1前15
旋盤主要部の構造と機能を説明できる。1後2
旋盤の基本操作を習得し、外丸削り、端面削り、段付削り、ねじ切り、テ―パ削り、穴あけ、中ぐりなどの作業ができる。1後6
フライス盤主要部の構造と機能を説明できる。1後7
フライス盤の基本操作を習得し、平面削りや側面削りなどの作業ができる。1後8
ボール盤の基本操作を習得し、穴あけなどの作業ができる。1後10
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。1前7,後13
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。1前7,後13
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。1前7,後13
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。1前7,後13
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。1後13
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。1後13
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。1後13
目標の実現に向けて計画ができる。1後13
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。1後13
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。1後13

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他レポート合計
総合評価割合000060040100
基礎的能力00002002040
専門的能力00002002040
分野横断的能力0000200020