ものづくりワークショップ

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 ものづくりワークショップ
科目番号 0015 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 印刷物を配布する
担当教員 山口 顕司

到達目標

 この授業では、課題作成を通じて自分で考え行動し自発的に「ものづくり」が行えるようになることが目標です。
1.与えられた課題に対する解決策を自分なりに考えて、実際の構造物製作に反映できるようになること。
2.課題製作のスケジュールの立案とその管理ができるようになること。
3.グループで行う課題では、グループ内での役割分担を行い、協調作業ができるようになること。
4.製作作業の過程や、試験結果の反省などをレポートの形で第三者にわかりやすく伝えられるようになること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
与えられた課題に対する解決策を自ら検討して,実際の課題作成に反映できたか課題に対する解決策を自分で考えて,十分に課題作成に反映できた課題に対する解決策を考えたが,課題作成には十分に反映できなかった課題に対する解決策を自分で考えることができなかった
課題作成のスケジュールの立案と管理できたか立案したスケジュールに基づき,課題を達成できたスケジュールの立案はできたが,スケジュールに基づいた実行,状況に応じたスケジュール変更などが困難であったスケジュールの立案が不十分であり,スケジュールに基づいた計画的実行ができなかった
グループ課題においてグループ内での役割分担を行い,協調作業ができたかグループの役割を認識し,自分の役割に応じて協調作業ができたグループによる協調作業はできたが,グループ内の役割分担が円滑ではなかったグループでの協調作業にほとんど関与できなかった
製作作業の過程や,試験結果の反省などをレポートで伝えられたか詳細かつ効率的なレポートを作成し,製作過程や試験結果,反省,提言などを十分に伝えることができたレポートに記述された製作過程,試験結果が具体性に欠け,反省,提言といった主体的な記述が少なかったレポートに製作過程や試験結果,反省,提言などがほとんど記述されていなかった

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 E 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この科目は本校の教育目標のうち専門基礎知識の「ものづくりの基礎となる知識・技術」としての「基礎力」,および日本語による「コミュニケ-ション力」とを養う科目です。機械工学科では、5年間を通していろいろな専門知識を学習することになります。新しい機械を創り出すためには、機械工学科で学ぶ専門知識を実際の問題に応用できるようにしなければなりません。「ものづくりワークショップ」は、機械工学の専門知識を実際の機械設計に応用するための基礎的訓練として、与えられた課題に沿って簡単な構造物や機械の設計・製作を行います。
授業の進め方・方法:
 この授業では、スケジュールの欄にもあるように年間4回の課題を出します。製作の期限に遅れないように各自計画性をもって課題の製作に取り組んでください。
 課題製作にあたっては、学生の皆さん一人一人が自発的に行うことを期待しています。この授業を通じて【使える知識】を修得することの重要性を認識し、機械技術者としての発想力・観察力・問題解決能力を身につけるきっかけとしてください。
 なによりも、「ものづくり」の楽しさと難しさを体験してくれることを望みます。
注意点:
 年間の通じて4つの課題を提示します。このうち、はじめの2テーマは静的な構造物の製作が対象で、個人毎に行います。後半の2テーマは動きを伴う機械の設計製作で、1クラスを10班程度に分けてグループ毎に課題製作を行います。
 各テーマ毎に、要求仕様を満たしているかどうかの試験を行い、試験結果の良否によって構造物に対する評価点を決定します。また、設計製作にあたっての反省点などをレポートとして提出してもらいます。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 修学ガイダンス
2週 ものづくりWS全般に関するガイダンス,第1回課題(両端支持構造)説明,ストロー配布 課題の内容が理解できる
3週 ブリッジの構想設計,製作,質疑応答 課題解決の方針を決定し,必要な情報を収集し,構造を設計できる
4週 設計・製作・質疑応答
5週 強度試験 期日までに課題が作成できる
6週 第1回課題講評・解説
(レポート提出)
自分と他者の作品を比較検討し,その結果をレポートに反映することができる
7週 第2階課題(片持ち支持構造)説明,ストロー配布,設計検討 課題の内容が理解できる
8週 設計・製作・質疑応答 課題解決の方針を決定し,必要な情報を収集し,構造を設計できる
2ndQ
9週 設計・製作・質疑応答
10週 予備日
11週 強度試験 期日までに課題が作成できる
12週 第2回課題講評・解説
(レポート提出)
自分と他者の作品を比較検討し,その結果をレポートに反映することができる
13週 第3回課題(段差を降りる機械)説明
個人別アイディア検討
課題の内容が理解できる
課題に対して自分なりのアイディアを提案できる
14週 班分け,アイディアの検討・グループ作業についてのガイダンス グループで自分のアイディアを説明できる
15週 ギアボックス・モータの展示,アイディア検討 グループとして実行するアイディアに向かって合意形成できる
16週 製作計画の策定・製作・質疑等 実現可能な製作計画を検討できる
後期
3rdQ
1週 課題製作、質疑応答等
2週 製作・質疑等
3週 第一次走行試験 期日までに課題が作成できる
4週 第二次走行試験 第一次走行試験の結果をうけて修正できる
5週 第3回課題講評・解説
(レポート提出)
自分と他者の作品を比較検討し,その結果をレポートに反映することができる
6週 第4回課題(段差を昇って降りる機械)説明
個人別アイディア検討
課題の内容が理解できる
課題に対して自分なりのアイディアを提案できる
7週 課題製作、質疑応答等
8週 課題製作、質疑応答等
4thQ
9週 予備日
10週 課題製作,質疑応答等
11週 課題製作,質疑応答等
12週 第1次走行試験 期日までに課題が作成できる
13週 課題製作・質疑応答等 第一次走行試験の結果をうけて修正できる
14週 第2次走行試験 第3回課題の反省をふまえて,グループワークを円滑に進め,課題を製作できる
15週 第4回課題講評・解説
(レポート提出)
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。1前2,前7,前11
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。1前6,前12,後5
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。1前14
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。1前14
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。1前6,前12,後5
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。1前14
他者の意見を聞き合意形成することができる。1前15
合意形成のために会話を成立させることができる。1前15
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。2前15
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。1前3,前8
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。1前3,前8
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。1前12,後5
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。1前14
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる1前12,後5
複数の情報を整理・構造化できる。1前12,後5
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。1前16
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。1前16
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。1前16
事実をもとに論理や考察を展開できる。1前16
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。1前16
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。1後3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。1後3
目標の実現に向けて計画ができる。1前5,前11
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。1前5,前11
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。1前5,前11
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。1後3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。1後14
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。1後14
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。1後3,後14
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。2後3,後14
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。1後14
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。1後14
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている1後14
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。1前3,前7,前8,前13,後14
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。1前3,前7,前8,前13,後14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他レポート合計
総合評価割合060000040100
基礎的能力00000000
専門的能力00000000
分野横断的能力060000040100