機械工学実験実習Ⅱ

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 機械工学実験実習Ⅱ
科目番号 0026 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実習 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 機械工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 本校で作成した指導書を仕様する
担当教員 山口 顕司

到達目標

機械工作の基礎を学び、実験、実習を通じて、機械工作の理解の助長と製作技法の知識を習得する。
(1)溶接作業に伴う溶接、溶接試験法を理解する、また熱処理による硬さの違いを理解する。
(2)基礎的なシーケンス回路を習得する。
(3)旋盤によるネジ加工、テーパ加工の方法を習得する。また,NC旋盤の基礎を理解する。
(4)フライス盤、NCフライス盤の使用法を習得し、また加工に伴う面粗さの違いを理解する。
(5)トースカンの製作を行うことにより工作実習に伴う総合的な実技や技術を習得する。
(6)安全に配慮して実習を行うことができる
(7)適切に報告書を作成できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
溶接作業に伴う溶接、溶接試験法を理解する、また熱処理による硬さの違いを理解する。溶接作業,溶接試験,熱処理の方法や原理が理解できる.溶接作業,溶接試験,熱処理がどのようなものか説明できる溶接作業,溶接試験,熱処理どのようなものか説明できない
基礎的なシーケンス回路を習得する。リレーシーケンス回路の用途や原理を理解できるリレーシーケンス回路がどのようなものか説明できるリレーシーケンス回路がどのようなものか説明できない
旋盤によるネジ加工、テーパ加工を習得する.NC旋盤の基礎を理解する.旋盤でテーパー加工,ネジ加工,原理を理解して実行できる.NC旋盤の原理を理解して操作できる.旋盤によってネジ加工,テーパ加工ができる.NC旋盤が操作できる旋盤の使用法がわからない
フライス盤、NCフライス盤の使用法を習得し、また加工に伴う面粗さの違いを理解する。NCフライス盤の原理を理解して操作できる.NCフライス盤を独力で使うことができるNCフライス盤の使用法がわからない
トースカンの製作を行うことにより工作実習に伴う総合的な実技や技術を習得する。図面をもとに加工法を総合的に検討し,適切な加工・組立を行うことができる指示された通りに総合的な加工・組立を行うことができる図面に記載された部品の加工方法が検討できない
安全に配慮して実習を行うことができる実習の安全に関わる事項を認識して,安全に実習を実施できる適切な服装,態度で安全に実習を実施できる実習に必要な服装・態度が認識できない
適切に報告書を作成できる報告書の期限を守り,適切な文章,図表を用いて実習の内容,考察などを記述した報告書を作成できる実習の内容,考察などを記述した報告書を期限までに提出できる.報告書に実習の内容,考察などが記述されていない.報告書の期限が守れない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この授業は本校の教育目標のうち、「基礎力」として,ものづくりの基礎となる知識・技術に関する専門基礎知識を養う科目である.機械工学実験実習は、自分の手足を動かし実際に物作りを通して、各種の技能、技術を習得し、また、他の科目で習得した知識を生かし、実践により、知識の応用、科学的考察、問題解決のできる能力と技能、技術、創造力を身につた実践的機械技術者を育成する。
その他、安全教育と、共同、責任、勤労など技術者として望ましい態度や習慣を身に付ける。
授業の進め方・方法:
実技を中心とした授業を行い、実践的な技能、技術を習得することを主目的として行う。また、授業終了後、習得度を判断する目的で報告書の提出を行う。
指導書や前回の実験、実習の内容などを、事前に教科書、専門技術書を調べ理解しておくと実験、実習がよく理解でき、効果的に行うことが出来る。
注意点:
実習は5グループで行い,○溶接実験,○NCフライス盤・電気実験,○特殊機械・手仕上げ,○旋盤,○総合 の各ショップに分かれて5週毎のローテーションで実施する.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 溶接・実験ショップ
(ガス溶接)
ガス溶接の基礎が理解できる
2週 溶接・実験ショップ
(TIG溶接)
TIG溶接の基礎と用途が理解できる
3週 溶接・実験ショップ
(アーク溶接強度試験の製作1)
アーク溶接が実践できる
4週 溶接・実験ショップ
(アーク溶接強度試験の製作2)
アーク溶接が実践できる
5週 溶接・実験ショップ
アーク溶接強度試験
継手効率が説明できる
6週 レポート指導 実習の内容と考察について適切な文章と図表を用いて記述されたレポートがどのようなものか認識できる
7週 NCフライス盤・電気実験ショップ
NCフライス盤によるパターン加工1
NCフライス盤の操作ができる
8週 NCフライス盤・電気実験ショップ
NCフライス盤によるパターン加工1
NCフライス盤の操作ができる
2ndQ
9週 NCフライス盤・電気実験ショップ
リレーシーケンス回路1
リレーシーケンスの用途,各種回路が理解できる
10週 NCフライス盤・電気実験ショップ
リレーシーケンス回路2
リレーシーケンスの用途,各種回路が理解できる
11週 NCフライス盤・電気実験ショップ
実習授業の安全について
実習の安全に必要な事項が認識できる.危険予知などが認識できる
12週 特殊機械・手仕上げショップ
Vブロックの加工
各種工作機械を用いて部品を加工できる
13週 特殊機械・手仕上げショップ
ボール盤加工
様々なボール盤で穴あけ加工ができる
14週 特殊機械・手仕上げショップ
平面研削盤の基礎
平面研削盤の用途や各装置の役割を理解できる
15週 特殊機械・手仕上げショップ
鋼の熱処理と硬さ試験
鋼の熱処理とそれにともなう硬さの変化が理解できる
16週 特殊機械・手仕上げショップ
定盤のすりあわせ
定盤のすりあわせの原理が理解できる
後期
3rdQ
1週 旋盤ショップ
ネジ切削の基本製作図・加工法検討
ネジの概要を理解して,加工法を検討できる
2週 旋盤ショップ
テーパーとネジの切り上げ
テーパー加工,ネジ加工の方法が理解できる
3週 旋盤ショップ
めねじの切削
めねじの加工方法を理解して作業できる
4週 旋盤ショップ
おねじの切削
おねじの加工方法を理解して作業できる
5週 旋盤ショップ
NC旋盤による円弧・テーパー・ネジ加工
NC旋盤がどのようなものか理解できる
6週 総合ショップ
トースカンの製作図・加工法検討
作成しようとする部品の部品図を作成できる.その加工法を検討できる
7週 総合ショップ
トースカンの製作1
部品図をもとに,自ら部品が加工できる
8週 総合ショップ
トースカンの製作2
部品図をもとに,自ら部品が加工できる
4thQ
9週 総合ショップ
トースカンの製作3
部品図をもとに,自ら部品が加工できる
10週 総合ショップ
トースカンの製作・組立・検査
部品の組立・検査ができる
11週 ものづくりセンター清掃
12週 1年間の実習総括 安全に配慮して実習を行うこと,適切な報告書を期限までに提出することなど,実験実習に必要なことを認識し,次年度の実習に活用できる.
13週 予備日
14週 予備日
15週 予備日
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。2後12
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。2後12
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。2後12
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。2前6,後12
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。2前6,後12
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。2
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。2
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。2前6,後12
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。2前6,後12
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。2前6,後12
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。2前6,後12
専門的能力分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。2前11,後12
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。2前11,後12
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。2前6,後12
ノギスの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。2後12
マイクロメータの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。2後12
ダイヤルゲージ、ハイトゲージ、デプスゲージなどの使い方を理解し、計測できる。2後12
けがき工具を用いてけがき線をかくことができる。2前12,後7,後8,後9
やすりを用いて平面仕上げができる。2前16
ねじ立て工具を用いてねじを切ることができる。2後9
アーク溶接の原理を理解し、アーク溶接機、アーク溶接器具、アーク溶接棒の扱い方を理解し、実践できる。2前3,前4
アーク溶接の基本作業ができる。2前3,前4
旋盤主要部の構造と機能を説明できる。2後1,後2,後3,後4,後5
旋盤の基本操作を習得し、外丸削り、端面削り、段付削り、ねじ切り、テ―パ削り、穴あけ、中ぐりなどの作業ができる。2後1,後2,後3,後4,後5
フライス盤主要部の構造と機能を説明できる。2後7
フライス盤の基本操作を習得し、平面削りや側面削りなどの作業ができる。2後8
ボール盤の基本操作を習得し、穴あけなどの作業ができる。1前13,後10
NC工作機械の特徴と種類、制御の原理、NCの方式、プログラミングの流れを説明できる。1前7,前8
少なくとも一つのNC工作機械について、各部の名称と機能、作業の基本的な流れと操作を理解し、プログラミングと基本作業ができる。1前7,前8
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。2前6,後12
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。2前6,後12
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。2前6,後12
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。2前6,後12
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。2前6,後12
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。2前11,後12
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。2前11,後12
目標の実現に向けて計画ができる。2後12
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。2後12
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。2後12

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他レポート合計
総合評価割合000060040100
基礎的能力00002002040
専門的能力00002002040
分野横断的能力0000200020