工業熱力学

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 工業熱力学
科目番号 0034 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:一色 尚次 北山 直方 「わかりやすい熱力学 SI版」 森北出版  参考書:斉藤 武,大竹一友,三田地鉱史 工業熱力学通論 日刊工業新聞社   牧野州秀,奥野純平,岐美 格 工業熱力学 森北出版
担当教員 森田 慎一

到達目標

1.熱力学の第一法則について説明できる.
2.理想気体の性質と状態変化について説明できる.
3.熱力学の第二法則について説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1熱力学の第一法則について説明できるとともに,これに関連する問題を解くことができる.熱力学の第一法則について理解し,これに関連する問題をある程度解くことができる.熱力学の第一法則について理解されず,これに関連する問題を解くことができない.
評価項目2理想気体の性質と状態変化について説明できるとともに,これに関連する問題を解くことができる.理想気体の性質と状態変化について理解し,これに関連する問題をある程度解くことができる.理想気体の性質と状態変化について理解されず,これに関連する問題を解くことができない.
評価項目3熱力学の第二法則について説明できるとともに,これに関連する問題を解くことができる.熱力学の第二法則について理解し,これに関連する問題をある程度解くことができる.熱力学の第二法則について理解されず,これに関連する問題を解くことができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-4 説明 閉じる
JABEE d1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この講義は,本校の教育目標のうち「基礎力(専門)」を養う科目である.工業熱力学は,5年生で学ぶ熱工学の基礎部分を範囲とする.熱エネルギと仕事エネルギにかかわる熱力学法則の理解のため,工学単位とSI単位の考え方,圧力,温度,熱,仕事,動力等について理解してもらう.つづいて熱力学の第一法則,エンタルピ,完全ガスの状態変化,熱力学の第二法則,サイクル論,エントロピおよび蒸気の持つ特性について講義する.
授業の進め方・方法:
“熱”を系統的に学ぶはじめての科目になります.本科目は,5年生で学ぶ熱工学の基礎となる内容なので,身近な現象と関連付けすることで理解を早めるように進行します.熱工学でより深く理解するためにも,基礎事項から十分に身に付けるようにしてください.なお,毎週水曜日の18時~19時をオフィスアワーとするので,質問などがある学生は森田慎一研究室に来ること.
注意点:
授業での到達目標が達成され,専門基礎的な原理の理解と応用力が習得されたかを評価する.成績は定期試験の得点,演習の得点の合計によって評価する.なお,原則として再試は行わない.成績の評価は,定期試験,演習・小テストの点数により行う

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,熱力学概論 熱力学概論を理解する.
2週 熱力学で扱う物理量,工学単位,SI単位,温度,圧力 熱力学で扱う物理量,工学単位,SI単位,温度,圧力を理解する.
3週 熱量と比熱,比容積と密度,重量と質量 熱量と比熱,比容積と密度,重量と質量を理解する.
4週 熱力学の第一法則,第一種の永久機関,内部エネルギ 熱力学の第一法則,第一種の永久機関,内部エネルギを理解する.
5週 p-V線図で表される仕事量,可逆変化,エンタルピ,状態量 p-V線図で表される仕事量,可逆変化,エンタルピ,状態量を理解する.
6週 熱力学の第一基礎式,熱力学の第二基礎式 熱力学の第一基礎式,熱力学の第二基礎式を理解する.
7週 演習 ここまでを理解し,それらに関する問題を解くことができる.
8週 前期中間までの復習(前期中間試験) 前期中間までに習った内容を理解する.
2ndQ
9週 熱力学第二法則,第二種永久機関 熱力学第二法則,第二種永久機関を理解する.
10週 サイクルと熱効率,可逆サイクルの熱効率,カルノーサイクル機関 サイクルと熱効率,可逆サイクルの熱効率,カルノーサイクル機関を理解する.
11週 熱力学的温度,クロージウス積分,エントロピ 熱力学的温度,クロージウス積分,エントロピを理解する.
12週 ボイル・シャールの法則,一般ガス定数,アボガドロ数,ガス運動論 ボイル・シャールの法則,一般ガス定数,アボガドロ数,ガス運動論を理解する.
13週 ガスの定圧比熱,定容比熱とガス定数の関係 ガスの定圧比熱,定容比熱とガス定数の関係を理解する.
14週 ジュールトムソン効果,混合ガス ジュールトムソン効果,混合ガスを理解する.
15週 演習 ここまでを理解し,それらに関する問題を解くことができる.
16週 前期末間試験 前期末までに習った内容を理解する.
後期
3rdQ
1週 完全ガスの状態変化,密閉系・開放系仕事 完全ガスの状態変化,密閉系・開放系仕事を理解する.
2週 等圧変化,等容変化 等圧変化,等容変化を理解する.
3週 等温変化 等温変化を理解する.
4週 断熱変化 断熱変化を理解する.
5週 ポリトロープ変化 ポリトロープ変化を理解する.
6週 カルノーサイクルの熱効率 カルノーサイクルの熱効率を理解する.
7週 演習 ここまでを理解し,それらに関する問題を解くことができる.
8週 後期中間までの復習(後期中間試験) 後期中間までに習った内容を理解する.
4thQ
9週 水の固・液・気体相成立と温度,圧力の関係 水の固・液・気体相成立と温度,圧力の関係を理解する.
10週 圧縮水,飽和蒸気,過熱蒸気,臨界点 圧縮水,飽和蒸気,過熱蒸気,臨界点を理解する.
11週 温度・圧力基準飽和蒸気表,過熱蒸気表 温度・圧力基準飽和蒸気表,過熱蒸気表を理解する.
12週 乾き度,各状態での状態量の求め方 乾き度,各状態での状態量の求め方を理解する.
13週 蒸気の等圧,等温,断熱変化と絞り 蒸気の等圧,等温,断熱変化と絞りを理解する.
14週 蒸気表と蒸気線図(h-s線図)(T-s線図)(p-h線図) 蒸気表と蒸気線図(h-s線図)(T-s線図)(p-h線図)を理解する.
15週 演習 ここまでを理解し,それらに関する問題を解くことができる.
16週 学年末間試験 学年末までに習った内容を理解する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
分野横断的能力態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。2
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。2
目標の実現に向けて計画ができる。2
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。2
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。2
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。2
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。2
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。2
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。2
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。2
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。2
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。2
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている2
法令やルールを遵守した行動をとれる。2
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。2
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。2
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。2
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。2
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。2
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。2
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。2
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。2
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。2
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力70000300100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000