機械工学実験実習Ⅲ

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 機械工学実験実習Ⅲ
科目番号 0044 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 本校で作成した指導書を仕様する
担当教員 山口 顕司

到達目標

機械工作の基礎を学び、実験、実習を通じて、機械工作の理解の助長と製作技法の知識を習得する。
(1)鉄鋼材料組織と鉄鋼材料の引張、硬さの関係を理解する。
(2)NC旋盤の使用法を習得する。
(3)平面研削盤の使用法を習得する。
(4)軸受の製作を行うことにより工作実習に伴う総合的な実技や技術を習得する。
(5)マシニングセンターの使用法を習得する。
(6)歯車の加工方法を理解する.
(7)安全に配慮して実習を行うことができる
(8)適切に報告書を作成できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
鉄鋼材料組織と鉄鋼材料の引張、硬さの関係を理解する。鉄鋼材料組織と鉄鋼材料の引張、硬さの関係について原理を理解し説明できる.鉄鋼材料組織と鉄鋼材料の引張、硬さの関係がどのようなものか説明できる鉄鋼材料組織と鉄鋼材料の引張、硬さの関係がどのようなものか説明できない
NC旋盤の使用法を習得する。NC旋盤の原理を理解し,プログラミングと加工ができる.NC旋盤を動作させるプログラムについて説明できるNC旋盤の作業法,プログラムについて説明できない
平面研削盤の使用法を習得する。平面研削盤の原理を理解して操作できる.平面研削盤が使用できる平面研削盤の用途・使用法がわからない
軸受の製作を行うことにより工作実習に伴う総合的な実技や技術を習得する。様々な機械を複合的に用いて,適切な精度で加工し,組立できる指示された通りに総合的な加工・組立を行うことができる図面に記載された部品の加工方法が検討できない
マシニングセンターの使用法を習得する。マシニングセンタの原理を理解し,プログラミングと加工ができる.マシニングセンタのプログラムについて説明できる.マシニングセンタの作業法,プログラムについて説明できない
歯車の加工方法を理解するホブ盤の原理を理解して,歯車の加工ができる歯車の加工方法について説明できる歯車の加工法について説明できない
安全に配慮して実習を行うことができる実習の安全に関わる事項を認識して,安全に実習を実施できる適切な服装,態度で安全に実習を実施できる実習に必要な服装・態度が認識できない
適切に報告書を作成できる報告書の期限を守り,適切な文章,図表を用いて実習の内容,考察などを記述した報告書を作成できる実習の内容,考察などを記述した報告書を期限までに提出できる.報告書に実習の内容,考察などが記述されていない.報告書の期限が守れない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この授業は本校の教育目標のうち、「基礎力」として,ものづくりの基礎となる知識・技術に関する専門基礎知識を養う科目である.機械工学実験実習は、自分の手足を動かし実際に物作りを通して、各種の技能、技術を習得し、また、他の科目で習得した知識を生かし、実践により、知識の応用、科学的考察、問題解決のできる能力と技能、技術、創造力を身につた実践的機械技術者を育成する。
その他、安全教育と、共同、責任、勤労など技術者として望ましい態度や習慣を身に付ける。
授業の進め方・方法:
実技を中心とした授業を行い、実践的な技能、技術を習得することを主目的として行う。また、授業終了後、習得度を判断する目的で報告書の提出を行う。
指導書や前回の実験、実習の内容などを、事前に教科書、専門技術書を調べ理解しておくと実験、実習がよく理解でき、効果的に行うことが出来る。
注意点:
実習は5グループで行い,○材料実験,○マシニングセンター,○旋盤○総合A,○総合B の各ショップに分かれて5週毎のローテーションで実施する.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 材料実験ショップ
(鉄鋼材料組織観察1)
鉄鋼材料の組織観察の方法が理解できる
2週 材料実験ショップ
(鉄鋼材料組織観察2)
鉄鋼材料の組織観察の方法が理解できる
3週 材料実験ショップ
(鉄鋼材料組織観察3)
鉄鋼材料の組織観察の方法を理解して材料の特性が説明できる
4週 材料実験ショップ
(鉄鋼材料引張試験)
材料の引張試験の方法を理解して,材料の特性が説明できる
5週 材料実験ショップ
(シャルピ衝撃試験・鋳鉄の抗折試験)
衝撃試験,抗折試験の方法を理解して材料の特性が説明できる
6週 マシニングセンターショップ
(マシニングセンター基礎プログラミング1)
マシニングセンターのプログラミングが理解できる
7週 マシニングセンターショップ
(マシニングセンター基礎プログラミング2)
マシニングセンターのプログラミングが理解できる
8週 マシニングセンターショップ
(マシニングセンター基礎プログラミング3)
マシニングセンターのプログラミングが理解できる
2ndQ
9週 マシニングセンターショップ
(マシニングセンタープログラミング)
マシニングセンターのプログラミングが理解できる
10週 マシニングセンターショップ
(マシニングセンターによる加工)
マシニングセンターの使用方法が理解できる
11週 旋盤ショップ
(NC旋盤の基礎)
NC旋盤のプログラミングが理解できる
12週 旋盤ショップ
(NC旋盤のプログラミング1)
NC旋盤のプログラミングが理解できる
13週 旋盤ショップ
(NC旋盤のプログラミング2)
NC旋盤のプログラミングが理解できる
14週 旋盤ショップ
(NC旋盤での切削加工)
NC旋盤の使用方法が理解できる
15週 旋盤ショップ
(4ツ爪チャックを用いた心出し、偏心削り)
4ツ爪チャックを用いた心出し方法,偏心削りの方法が理解できる
16週 総合Aショップ
(平歯車、軸,キー溝加工1)
歯車の加工方法が理解できる
後期
3rdQ
1週 総合Aショップ
(平歯車、軸,キー溝加工2)
歯車の加工方法が理解できる
2週 総合Aショップ
(平歯車、軸,キー溝加工3)
立て削り盤でキー溝が加工できる
3週 総合Aショップ
(平歯車、軸,キー溝加工4)
適切な寸法公差で軸が加工できる
4週 総合Aショップ
(平歯車、軸,キー溝加工5)
部品を適切に組み立てることができる
5週 総合Bショップ
(軸受のけがき)
複雑な部品のけがき作業ができる
6週 総合Bショップ
(軸受の加工組立1)
複雑な部品を適切な工作機械を用いて必要な精度に加工できる
7週 総合Bショップ
(軸受の加工組立2)
複雑な部品を適切な工作機械を用いて必要な精度に加工できる
8週 総合Bショップ
(軸受の加工組立3)
複雑な部品を適切な工作機械を用いて必要な精度に加工できる
4thQ
9週 総合Bショップ
(軸受の加工組立4)
複雑な部品を組み立てることができる
10週 ものづくりセンター清掃
11週 3年間の実験実習総括 3年間にわたる機械工学実験実習を通じて,安全に配慮して実習を行うこと,機械加工の方法と工作機械の使用法の理解,適切な測定器具の使用,適切な報告書を期限までに提出することなど,実験実習に必要なことを総括して,4年次の実験実習に活用できる.
12週 予備日
13週 予備日
14週 予備日
15週 予備日
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。2後11
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。2後11
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。2後11
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。2後11
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。2後11
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。2
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。2
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。2後11
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。2後11
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。2後11
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。2後11
専門的能力分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。2後11
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。2後11
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。2後11
ノギスの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。2後4,後9,後11
マイクロメータの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。2後4,後9,後11
ダイヤルゲージ、ハイトゲージ、デプスゲージなどの使い方を理解し、計測できる。2後4,後9,後11
けがき工具を用いてけがき線をかくことができる。2後5,後11
やすりを用いて平面仕上げができる。2後11
ねじ立て工具を用いてねじを切ることができる。2後11
アーク溶接の原理を理解し、アーク溶接機、アーク溶接器具、アーク溶接棒の扱い方を理解し、実践できる。2
アーク溶接の基本作業ができる。2
旋盤主要部の構造と機能を説明できる。2前15
旋盤の基本操作を習得し、外丸削り、端面削り、段付削り、ねじ切り、テ―パ削り、穴あけ、中ぐりなどの作業ができる。2前15,後3,後6,後7,後8
フライス盤主要部の構造と機能を説明できる。2
フライス盤の基本操作を習得し、平面削りや側面削りなどの作業ができる。2後6,後7,後8
ボール盤の基本操作を習得し、穴あけなどの作業ができる。2後6,後7,後8
NC工作機械の特徴と種類、制御の原理、NCの方式、プログラミングの流れを説明できる。2前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13
少なくとも一つのNC工作機械について、各部の名称と機能、作業の基本的な流れと操作を理解し、プログラミングと基本作業ができる。2前10,前14
加工学実験、機械力学実験、材料学実験、材料力学実験、熱力学実験、流体力学実験、制御工学実験などを行い、実験の準備、実験装置の操作、実験結果の整理と考察ができる。2前1,前2,前3,前4,前5
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭でも説明できる。2前1,前2,前3,前4,前5
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。2後11
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。2後11
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。2後11
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。2後11
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。2後11
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。2後11
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。2後11
目標の実現に向けて計画ができる。2後11
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。2後11
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。2後11

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他レポート合計
総合評価割合000060040100
基礎的能力00002002040
専門的能力00002002040
分野横断的能力0000200020