材料力学Ⅰ

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 材料力学Ⅰ
科目番号 0045 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 材料力学新装版,森北出版,村上敬宜著
担当教員 矢壁 正樹

到達目標

外力を受ける部材の内部に生ずる力が、内外力の釣り合いから求められることを理解し、それに応じた変形が計算できること。そこから機械設計のための基礎学力を養う。具体的には
(1) 材料に基本的な引張り、圧縮、せん断荷重が作用したときそれに応じた応力、ひずみおよび変形が計算でき、それらの関係が理解できる。
(2) 許容応力と安全率そして使用応力との関係から、機械設計の考え方を理解し、応用ができる。
(3) 不静定問題が理解でき、基本的な問題を理解できる。
(4) 基本的な静定はりに曲げ荷重が作用した場合の応力と変形が理解でき、種々のはりに応用できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1材料に引張り、圧縮、せん断荷重が作用したときに生じる応力、ひずみおよび変形を理解でき、それらの関係を説明できる。材料に引張り、圧縮、せん断荷重が作用したときに生じる応力、ひずみおよび変形をある程度理解,説明できる。材料に引張り、圧縮、せん断荷重が作用したときに生じる応力、ひずみおよび変形を理解できない。
評価項目2許容応力と安全率そして使用応力との関係から、機械設計の考え方を理解し、説明できる。許容応力と安全率そして使用応力との関係から、機械設計の考え方をある程度理解し、説明できる。許容応力と安全率そして使用応力との関係から、機械設計の考え方を理解できない。
評価項目3不静定問題について、基本的な問題を理解,説明できる。不静定問題について、基本的な問題をある程度理解,説明できる。不静定問題について、基本的な問題を理解できない。
評価項目4基本的な静定はりに曲げ荷重が作用した場合のせん断力と曲げモーメント,曲げ応力について理解でき,説明できる。基本的な静定はりに曲げ荷重が作用した場合のせん断力と曲げモーメント,曲げ応力についてある程度理解でき,説明できる。基本的な静定はりに曲げ荷重が作用した場合のせん断力と曲げモーメント,曲げ応力について理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この授業は,本校の教育目標のうち「基礎力(専門)」を養う科目である。材料力学は機械技術者として必須の重要な科目で、英語でStrength of Materialsといわれるように、機械を構成する部材の破壊に対する強度を論ずる科目である。機械部材に外力が作用すると、部材は変形し、部材内部に変形に抵抗する力が生じ、それがある限度を越えると機械は破壊する。外力を受ける部材の変形と内部に生ずる力の関係を理論的に考究し、壊れないような機械を設計する。
授業の進め方・方法:
教科書に従い、各項目を説明の後、例題、演習問題等を多く行い、学生諸君の理解を確実にしていく。質問は随時受け付けます。昼休憩か放課後に研究室を訪ねてください。
注意点:
三角関数、連立方程式、そして簡単な微分・積分を使って授業は進めるので、これらの数学的知識は確実にしておくこと。必要に応じて追試験を行なう場合があるが,出席状況・授業態度が良好でない場合は追試験の対象とならないので注意すること.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、機械工学と材料力学。 材料力学の意義について理解し、説明できる。
2週 外力と内力、垂直応力と垂直ひずみ 外力と内力、垂直応力と垂直ひずみについて理解し、説明できる。
3週 せん断応力とせん断ひずみ せん断応力とせん断ひずみについて、理解し、説明できる。
4週 応力集中、使用応力、許容応力と安全係数 応力集中、使用応力、許容応力と安全係数について理解し、説明できる。
5週 フックの法則、弾性係数 フックの法則、弾性係数について理解し、説明できる。
6週 材料の破壊挙動、応力ひずみ曲線 材料の破壊挙動、応力ひずみ曲線について理解し、説明できる。
7週 例題演習 第6週までの例題演習を理解する.
8週 前期中間試験 第7週までに学習した内容を理解する.
2ndQ
9週 単純引張を受ける棒の斜面上の応力 単純引張を受ける棒の斜面上の応力について理解し、説明できる。
10週 線膨張係数と熱応力 線膨張係数と熱応力について理解し、説明できる。
11週 静定と不静定 静定と不静定について理解し、説明できる。
12週 単純な不静定問題(両端が拘束された棒に軸力が加わる場合) 単純な不静定問題(両端が拘束された棒に軸力が加わる場合)について理解し、説明できる。
13週 単純なトラスの応力と変形 単純なトラスの応力と変形について理解し、説明できる。
14週 不静定トラス(3本棒トラス)の応力と変形 不静定トラス(3本棒トラス)の応力と変形について理解し、説明できる。
15週 例題演習 第14週までの例題演習を理解する.
16週 前期期末試験 前期期末までに学習した内容を理解する.
後期
3rdQ
1週 支点の種類、はりの種類、静定はりと不静定はり 支点の種類、はりの種類、静定はりと不静定はりについて理解し、説明できる。
2週 はりの支点反力とせん断力、曲げモーメント はりの支点反力とせん断力、曲げモーメントについて理解し、説明できる。
3週 片持ちはりに1つの集中荷重が加わる場合におけるS.F.D.とB.M.D. 片持ちはりに1つの集中荷重が加わる場合におけるS.F.D.とB.M.D.について理解し、説明できる。
4週 単純支持はりに1つの集中荷重が加わる場合におけるS.F.D.とB.M.D. 単純支持はりに1つの集中荷重が加わる場合におけるS.F.D.とB.M.D.について理解し、説明できる。
5週 重ね合わせの原理 重ね合わせの原理について理解し、説明できる。
6週 単純支持はりに2つ以上の集中荷重が加わる場合におけるS.F.D.とB.M.D. 単純支持はりに2つ以上の集中荷重が加わる場合におけるS.F.D.とB.M.D.について理解し、説明できる。
7週 例題演習 後期第6週までの例題演習を理解する.
8週 後期中間試験 後期第7週までに学習した内容を理解する.
4thQ
9週 単純な静定はりに分布荷重が加わる場合のせん断力と曲げモーメント 単純な静定はりに分布荷重が加わる場合のせん断力と曲げモーメントについて理解し、説明できる。
10週 片持ちはりに等分布荷重が加わる場合におけるS.F.D.とB.M.D. 片持ちはりに等分布荷重が加わる場合におけるS.F.D.とB.M.D.について理解し、説明できる。
11週 単純支持はりに等分布荷重が加わる場合におけるS.F.D.とB.M.D. 単純支持はりに等分布荷重が加わる場合におけるS.F.D.とB.M.D.について理解し、説明できる。
12週 断面の幾何学、断面1次、図心 断面の幾何学、断面1次、図心について理解し、説明できる。
13週 断面の幾何学、2次モーメント、断面係数 断面の幾何学、断面2次モーメント、断面係数について理解し、説明できる。
14週 真直はりの曲げ剛性と曲げ応力 真直はりの曲げ剛性と曲げ応力について理解し、説明できる。
15週 例題演習 後期第14週までに学習した内容を理解する.
16週 後期期末試験 後期期末までに学習した内容を理解する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。2
応力とひずみを説明できる。2
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。2
許容応力と安全率を説明できる。2
両端固定棒や組合せ棒などの不静定問題について、応力を計算できる。2
線膨張係数の意味を理解し、熱応力を計算できる。2
引張荷重や圧縮荷重が作用する棒の応力や変形を計算できる。2
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。2
丸棒および中空丸棒について、断面二次極モーメントと極断面係数を計算できる。2
軸のねじり剛性の意味を理解し、軸のねじれ角を計算できる。2
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。2
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。2
各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。2
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。2
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を理解し、曲げの問題に適用できる。2
各種のはりについて、たわみ角とたわみを計算できる。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ小テスト合計
総合評価割合700010020100
基礎的能力700010020100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000