機械工学演習Ⅱ

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 機械工学演習Ⅱ
科目番号 0047 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 該当無し.毎回,演習問題のプリントを配付する.
担当教員 矢壁 正樹,藤田 剛

到達目標

(1)工業力学の基礎知識,質量保存およびエネルギ保存の法則,運動量と力の関係を理解し,各分野へ応用できる.
(2)材料力学の基礎知識,二次元の応力とひずみの関係を理解し,各分野へ応用できる.
(3)水力学・流体力学に関する基礎的な定理,法則を用い,応用問題を解くことができる.
(4)熱力学に関する基礎的な定理,法則を用い,応用問題を解くことができる.
(5)機械力学の基礎知識,1自由度振動系における質点の動きについて,一般解を導出することができる.
以上,機械工学全般に関する基礎的知識を理解する.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1工業力学の基礎を理解し,説明ができる.工業力学の基礎をある程度理解し,説明ができる.工業力学の基礎を理解し,説明ができない.
評価項目2材料力学の基礎を理解し,説明ができる.材料力学の基礎をある程度理解し,説明ができる.材料力学の基礎を理解し,説明ができない.
評価項目3水力・流体力学の基礎を理解し,説明ができる.水力・流体力学の基礎をある程度理解し,説明ができる.水力・流体力学の基礎を理解し,説明ができない.
評価項目4熱力学の基礎を理解し,説明ができる.熱力学の基礎をある程度理解し,説明ができる.熱力学の基礎を理解し,説明ができない.
評価項目5機械力学の基礎を理解し,説明ができる.機械力学の基礎をある程度理解し,説明ができる.機械力学の基礎を理解し,説明ができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-1 説明 閉じる
JABEE d2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この講義は,本校の教育目標のうち「応用力(専門)」を養う科目である.本講では,演習を通して,機械工学科第5学年で学習する専門教科の理解を深めるとともに,今まで学習した内容を全分野的に復習することで,断片的知識となりがちな各専門教科を統一的に理解し,各教科をより深く修得することを目指す.
授業の進め方・方法:
授業では,例題を用いた解法の解説ののち,例題に関連した演習問題により演習を行う.各自の答案は授業の最後に回収する.演習問題は自分の力で解くことが重要である.また,次のような自学自習を30時間以上行うこと.
 ・授業内容を理解するため,予め配布したプリントや教科書で予習する.
 ・授業内容の理解を深めるため,復習を行う.
 ・課題を与えるので,レポートを作成する.
 ・定期試験の準備を行う.
注意点:
できなかった問題はもう一度解き,再度提出すること.疑問に思うこと,質問事項等あれば,昼休み,放課後など,教員の研究室を訪ねること.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,工業力学演習(1) 複数の点に働く力のつり合い,モーメントのつり合いを理解し,説明できる.
2週 工業力学演習(2) 質点の直線運動と平面運動を理解し,説明できる.
3週 工業力学演習(3) 仕事とエネルギー,エネルギー保存の法則を理解し,説明できる.
4週 工業力学演習(4) 運動量と力積,運動量保存の法則を理解し,説明できる.
5週 材料力学演習(1) 集中荷重が作用するはりのSFD・BMDを理解し,説明できる
6週 材料力学演習(2) 分布荷重が作用するはりのSFD・BMDを理解し,説明できる.
7週 材料力学演習(3) カスチリアノの定理を理解し説明できる.
8週 材料力学演習(4) 不静定はりの解法について理解し,説明できる.
2ndQ
9週 水力・流体力学演習(1) 流体の性質を表す各種物理量の定義と単位を理解し、適用できる。
10週 水力・流体力学演習(2) 連続の式を理解し、諸問題の流速と流量を計算できる。
11週 水力・流体力学演習(3) ベルヌーイの式を理解し、流体の諸問題に適用できる。
12週 熱力学演習(1) 理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。
13週 熱力学演習(2) 等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。
14週 機械力学演習(1) 減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。
15週 機械力学演習(2) 調和外力による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。
16週 前期まとめレポート 15週までの内容について課題レポート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。3
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。3
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。3
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。3
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。3
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。3
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。3
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。3
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。3
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。3
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。3
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。3
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。3
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。3
仕事の意味を理解し、計算できる。3
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。3
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。3
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。3
動力の意味を理解し、計算できる。3
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。3
運動量および運動量保存の法則を説明できる。3
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。3
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。3
両端固定棒や組合せ棒などの不静定問題について、応力を計算できる。3
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。3
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。3
各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。3
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。3
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を理解し、曲げの問題に適用できる。3
各種のはりについて、たわみ角とたわみを計算できる。3
部材が引張や圧縮を受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。3
部材が曲げやねじりを受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。3
カスティリアノの定理を理解し、不静定はりの問題などに適用できる。3
振動の種類および調和振動を説明できる。3
不減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。3前13
減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。3
調和外力による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。3前14
調和変位による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。3
熱流体流体の定義と力学的な取り扱い方を理解し、適用できる。3
流体の性質を表す各種物理量の定義と単位を理解し、適用できる。3
ニュートンの粘性法則、ニュートン流体、非ニュートン流体を説明できる。3
絶対圧力およびゲージ圧力を説明できる。3
パスカルの原理を説明できる。3
液柱計やマノメーターを用いた圧力計測について問題を解くことができる。3
平面や曲面に作用する全圧力および圧力中心を計算できる。3
物体に作用する浮力を計算できる。3
定常流と非定常流の違いを説明できる。3前9
流線と流管の定義を説明できる。3
連続の式を理解し、諸問題の流速と流量を計算できる。3前10
オイラーの運動方程式を説明できる。3前11
ベルヌーイの式を理解し、流体の諸問題に適用できる。3前10
運動量の法則を理解し、流体が物体に及ぼす力を計算できる。3
層流と乱流の違いを説明できる。3
レイノルズ数と臨界レイノルズ数を理解し、流れの状態に適用できる。3
ダルシー・ワイスバッハの式を用いて管摩擦損失を計算できる。3
熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。3
閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。3
熱力学の第一法則を説明できる。3
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。3
閉じた系および開いた系が外界にする仕事をp-V線図で説明できる。3
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。3前11
定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。3前12
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。3
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。3前12
熱力学の第二法則を説明できる。3
サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率を計算できる。3
カルノーサイクルの状態変化を理解し、熱効率を計算できる。3

評価割合

演習・小テストレポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力0000000
専門的能力7030000100
分野横断的能力0000000