材料力学Ⅱ

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 材料力学Ⅱ
科目番号 0086 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 材料力学,PEL編集委員会,実教出版
担当教員 権田 岳

到達目標

(1) はりの曲げ問題について理解し,応用が出来る.
(2) 丸棒のねじり問題について理解し,応用が出来る.
(3) トラス構造物の解析ついて理解し,応用が出来る.
(4) 組合せ応力について理解し,応用が出来る.
(5) ひずみエネルギおよびそれに関連する「カスティリアノの定理」を理解し,応用が出来る.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1はりの曲げ問題について理解し,説明が出来る.はりの曲げ問題についてある程度理解し,説明が出来る. はりの曲げ問題について理解し,説明が出来ない.
評価項目2丸棒のねじり問題について理解し,説明が出来る.丸棒のねじり問題についてある程度理解し,説明が出来る.丸棒のねじり問題についてある程度理解し,説明が出来ない.
評価項目3トラス構造物の解析ついて理解し,説明が出来る.トラス構造物の解析ついてある程度理解し,説明が出来る.トラス構造物の解析ついて理解し,説明が出来ない.
評価項目4組合せ応力について理解し,説明が出来る.組合せ応力についてある程度理解し,説明が出来る.組合せ応力について理解し,説明が出来ない.
評価項目5ひずみエネルギおよびそれに関連する「カスティリアノの定理」を理解し,説明が出来る.ひずみエネルギおよびそれに関連する「カスティリアノの定理」をある程度理解し,説明が出来る.ひずみエネルギおよびそれに関連する「カスティリアノの定理」を理解し,説明が出来ない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-4 説明 閉じる
JABEE d1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この授業は,本校の教育目標のうち「基礎力(専門)」を養う科目である.
材料力学は機械工学を学ぶ学生にとって最も重要な習得すべき必須の科目の一つである.
様々な形状の材料に,種々の力が加わったときに,材料内部に生じる力と弾性変形の様子を力学的に捉えるものである.
本講義では「はりの曲げ」や「丸棒のねじり」,「トラス構造物」などの力学的挙動を論じ,組合せ応力やひずみエネルギなどについて論じる.
この科目は民間企業で液封式真空ポンプや排水ポンプ機場などの設計業務を担当していた教員が,その経験を活かし,材料力学について講義形式で授業を行うものである.
授業の進め方・方法:
教科書を基にして講義を進め,進捗状況に応じて演習を行なう.各単元毎に重要な事項を確実に理解すること.
質問は随時受け付けます.放課後に機械工学科 権田岳研究室を訪ねて下さい.
注意点:
3年生までに講義のある数学の基礎(三角関数・微分・積分・微分方程式)および工業力学の知識が必要となるので,これらもしっかりと取り組んでおくこと.
必要に応じて追試験を行なう場合がありますが,出席状況・授業態度が良好でない場合は追試験の対象とならないので注意すること.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業ガイダンス,材料力学復習 前年度までに学習した内容を理解し,説明できる.
2週 棒のねじり(1) 棒のねじりの概要を理解し,説明できる.
3週 棒のねじり(2) 棒のねじりにおける応力分布等を理解し,説明できる.
4週 棒のねじり(3) 中実丸棒および中空丸棒のねじりを理解し,説明できる.
5週 はりの曲げ,たわみ,曲げ応力(1) はりの曲げ,たわみ,曲げ応力を理解し,説明できる.
6週 はりの曲げ,たわみ,曲げ応力(2) はりの曲げ,たわみ,曲げ応力を理解し,説明できる.
7週 はりの曲げ,たわみ,曲げ応力(3) はりの曲げ,たわみ,曲げ応力を理解し,説明できる.
8週 前期中間試験 前期中間までに学習した内容を理解する.
2ndQ
9週 組合せ応力(1) 多軸応力の定義について理解し,説明できる.
10週 組合せ応力(2) 二軸応力における垂直応力,せん断応力について理解し,説明できる.
11週 組合せ応力(3) 二軸応力における垂直応力,せん断応力について理解し,説明できる.
12週 モールの応力円 モールの応力円を理解し,説明できる.
13週 主応力,主ひずみ(1) 主応力,主ひずみを理解し,説明できる.
14週 主応力,主ひずみ(2) 主応力,主ひずみを理解し,説明できる.
15週 例題演習 前期期末までの例題演習を理解する.
16週 前期期末試験 前期期末までに学習した内容を理解する.
後期
3rdQ
1週 組合せ荷重(基本的事項) 組合せ荷重における基本的事項を理解し,説明できる.
2週 組合せ荷重(曲げと軸力が同時に働く場合) 組合せ荷重(曲げと軸力が同時に働く場合)を理解し,説明できる.
3週 組合せ荷重(曲げとねじりが同時に働く場合) 組合せ荷重(曲げとねじりが同時に働く場合)を理解し,説明できる.
4週 例題演習 後期第3週までの例題演習を理解する.
5週 トラスの力学的解法(トラスの静定,不静定,安定,不安定) トラスの静定,不静定,安定,不安定を理解し,説明できる.
6週 トラスの力学的解法(トラスに作用する軸力) トラスに作用する軸力を理解し,説明できる.
7週 例題演習 後期第6週までの例題演習を理解する.
8週 後期中間試験 後期中間までに学習した内容を理解する.
4thQ
9週 ひずみエネルギ(1) ひずみエネルギの基本的事項を理解し,説明できる.
10週 ひずみエネルギ(2) 各種ひずみエネルギを理解し,説明できる.
11週 カスティリアノの定理の解説 カスティリアノの定理の解説を理解し,説明できる.
12週 カスティリアノの定理の応用(仮想荷重の適用) カスティリアノの定理を用いた各種例題を理解し,説明できる.
13週 カスティリアノの定理による変形量の計算 カスティリアノの定理を用いた各種例題を理解し,説明できる.
14週 衝撃応力 衝撃応力を理解し,説明できる.
15週 例題演習 後期第15週までの例題演習を理解する.
16週 学年末試験 学年末までに学習した内容を理解する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。3前1
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。3前1
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。3前1
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。3
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。3
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。3
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。4
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。3
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。3
仕事の意味を理解し、計算できる。3
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。3
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。3
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。3
動力の意味を理解し、計算できる。3
荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。4
応力とひずみを説明できる。4
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。4
許容応力と安全率を説明できる。4
両端固定棒や組合せ棒などの不静定問題について、応力を計算できる。4
線膨張係数の意味を理解し、熱応力を計算できる。4
引張荷重や圧縮荷重が作用する棒の応力や変形を計算できる。4
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。4前2
丸棒および中空丸棒について、断面二次極モーメントと極断面係数を計算できる。4前4
軸のねじり剛性の意味を理解し、軸のねじれ角を計算できる。4前3
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。4前5,前6,前7
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。4前5,前6,前7
各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。4前5,前6,前7
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。4前5,前6,前7
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を理解し、曲げの問題に適用できる。4前5,前6,前7
各種のはりについて、たわみ角とたわみを計算できる。4前5,前6,前7
多軸応力の意味を説明できる。4前9
二軸応力について、任意の斜面上に作用する応力、主応力と主せん断応力をモールの応力円を用いて計算できる。4前10,前11,前12,前13,前14
部材が引張や圧縮を受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。4後9,後10
部材が曲げやねじりを受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。4後9,後10
カスティリアノの定理を理解し、不静定はりの問題などに適用できる。4後11,後12,後13

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合800001010100
基礎的能力0000000
専門的能力800001010100
分野横断的能力0000000