機械振動学

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 機械振動学
科目番号 0087 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 基礎から学べる機械力学,実教出版,伊藤勝悦編著
担当教員 矢壁 正樹,周 海

到達目標

機械振動学の到達目標は、機械システムの運動と振動・騒音に関する基礎知識と技術を習得することである。具体的な目標は次の通りである。
(1)振動系を構成する質量・減衰・剛性について物理的意味を理解できる。
(2)1自由度振動系の自由振動および強制振動の運動方程式を理解できる。
(3)2自由度非減衰振動系の運動方程式を理解できる。
(4)2自由度非減衰振動系に周期外力が作用したときの系の定常振動を理解できる。
(5)減衰がない場合の動吸振器を理解できる。
(6)振動測定法の基礎を理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1振動系を構成する質量・減衰・剛性について物理的意味を理解し説明できる。振動系を構成する質量・減衰・剛性について物理的意味をある程度理解し説明できる。振動系を構成する質量・減衰・剛性について物理的意味を理解し説明できない。
評価項目21自由度振動系の自由振動および強制振動の運動方程式を理解し説明できる。1自由度振動系の自由振動および強制振動の運動方程式をある程度理解し説明できる。1自由度振動系の自由振動および強制振動の運動方程式を理解し説明できない。
評価項目32自由度非減衰振動系の運動方程式を理解し説明できる。2自由度非減衰振動系の運動方程式をある程度理解し説明できる。2自由度非減衰振動系の運動方程式を理解し説明できない。
評価項目42自由度非減衰振動系に周期外力が作用したときの系の定常振動を理解し説明できる。2自由度非減衰振動系に周期外力が作用したときの系の定常振動をある程度理解し説明できる。2自由度非減衰振動系に周期外力が作用したときの系の定常振動を理解し説明できない。
評価項目5動吸振器を理解し説明できる。動吸振器をある程度理解し説明できる。動吸振器を理解し説明できない。
評価項目6振動測定法の基礎を理解し、応用ができる。振動測定法の基礎をある程度理解し、応用ができる。振動測定法の基礎を理解し、応用ができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-4 説明 閉じる
JABEE d1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械振動学は機械の運動に伴う現象を理解する上での基礎となる学問である。特にエンジンやモータ等の発達により機械の高速化・高精度化が進んでおり、機械を扱う上で振動の問題は無視できなくなってきている。機械の振動により機械に不具合が発生したり,周辺環境に悪影響を及ぼすなどの様々な障害を発生させる。機械振動学では、振動の問題を取り扱う上で基礎となる事項について学ぶ。
授業の進め方・方法:
教科書を基にして講義を進め,進捗状況に応じて演習を行なう。授業内容に関する質問は随時受け付けるので、休憩時間または放課後に研究室に来室してください。些細なことでもかまいません。授業の中で分からないことをそのままにせず、自分なりに理解するように努力して下さい。また,次のような自学自習を60時間以上行うこと.
 ・授業内容を理解するため,予め配布したプリントや教科書で予習する.
 ・授業内容の理解を深めるため,復習を行う.
 ・課題を与えるので,レポートを作成する.
 ・定期試験の準備を行う.
注意点:
数学的取扱いにより振動を解析するので、授業では数式の展開が多くなる。しかし、本授業で扱っている内容は機械の運転に伴う振動や環境振動、騒音など身近なものばかりであり、受講生の皆さんは数式の表面的な部分だけでなく、それが意味している現象をイメージしながら取り組むように心がけてください。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 周期外力を受ける1自由度振動系、力による強制振動の運動方程式とその解。 周期外力を受ける1自由度振動系、力による強制振動の運動方程式とその解について理解し、説明できる。
2週 周期変位を受ける1自由度振動系、変位による強制振動の運動方程式とその解。 周期変位を受ける1自由度振動系、変位による強制振動の運動方程式とその解について理解し、説明できる。
3週 定常応答と共振特性 定常応答と共振特性について理解し、説明できる。
4週 強制振動における仕事 強制振動における仕事について理解し、説明できる。
5週 振動の伝達と絶縁 振動の伝達と絶縁について理解し、説明できる。
6週 1自由度強制振動・演習1 1自由度強制振動についてある程度理解し、説明できる。
7週 1自由度強制振動・演習2 1自由度強制振動について理解し、説明できる。
8週 後期中間試験 後期第7週までに学習した内容を理解する。
4thQ
9週 2自由度非減衰振動の運動方程式 2自由度非減衰振動の運動方程式について理解し、説明できる。
10週 2自由度非減衰振動の運動方程式の解 2自由度非減衰振動の運動方程式の解について理解し、説明できる。
11週 2自由度非減衰振動の強制振動と動吸振器 2自由度非減衰振動の強制振動と動吸振器について理解し、説明できる。
12週 回転体の振動 回転体の振動について理解し、説明できる。
13週 回転体の釣り合わせ 回転体の釣り合わせについて理解し、説明できる。
14週 振動計測の基礎1 振動計測の基礎についてある程度理解し、説明できる。
15週 振動計測の基礎2 振動計測の基礎について理解し、説明できる。
16週 後期期末試験 後期第15週までに学習した内容を理解する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。4
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。4
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。4
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。4
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。4
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。4
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。4
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。4
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。4
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。4
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。4
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。4
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。4
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。4
仕事の意味を理解し、計算できる。4
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。2
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。4
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。4
動力の意味を理解し、計算できる。4
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。2
運動量および運動量保存の法則を説明できる。4
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。4
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。4
振動の種類および調和振動を説明できる。3
不減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。3
減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。3
調和外力による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。3
調和変位による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90000010100
基礎的能力90000010100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000