機械動力学

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 機械動力学
科目番号 0089 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 わかりやすい静音化技術 一宮亮一 著 森北出版
担当教員 矢壁 正樹,周 海

到達目標

 この授業の到達目標は,機械騒音の発生,伝搬に関する基礎知識と騒音低減に関する基本技術を習得することです。 具体的な目標は次の通りです。
1.音圧,粒子速度,音の強さ,音響パワーの概念を理解し,音圧レベル,音の強さのレベルおよび音響パワーレベルの計算ができること。
2.音波の反射,透過,回折および屈折現象と特性を理解できること。
3.距離減衰の概念を理解し,点音源と線音源の距離減衰の計算ができること。
4.複数の音源による騒音の合成音のレベルを計算できること。
5.騒音信号の周波数分析の概念と原理を理解できること。
6.吸音の原理を理解し,吸音率と残響時間の関係を理解できる。
7.ヘルムホルツ共鳴器の原理を理解し,共鳴周波数を計算できること。
8.消音器の原理を理解し,膨張型消音器の減衰量を計算できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1音圧,粒子速度,音の強さ,音響パワーの概念を理解し説明できる。音圧,粒子速度,音の強さ,音響パワーの概念をある程度理解し説明できる。音圧,粒子速度,音の強さ,音響パワーの概念を理解,説明できない。
評価項目2音波の反射,透過,回折および屈折現象と特性を理解し説明できる。音波の反射,透過,回折および屈折現象と特性をある程度理解し説明できる。音波の反射,透過,回折および屈折現象と特性を理解,説明できない。
評価項目3距離減衰の概念を理解し,点音源と線音源の距離減衰を理解し説明できる。距離減衰の概念を理解し,点音源と線音源の距離減衰をある程度理解し説明できる。距離減衰の概念を理解し,点音源と線音源の距離減衰を理解,説明できない。
評価項目4複数の音源による騒音の合成音のレベルを理解し説明できる。複数の音源による騒音の合成音のレベルをある程度理解し説明できる。複数の音源による騒音の合成音のレベルを理解,説明できない。
評価項目5騒音信号の周波数分析の概念と原理を理解し説明できる。騒音信号の周波数分析の概念と原理をある程度理解し説明できる。騒音信号の周波数分析の概念と原理を理解,説明できない。
評価項目6吸音の原理,吸音率と残響時間の関係を理解し説明できる。吸音の原理,吸音率と残響時間の関係をある程度理解し説明できる。吸音の原理,吸音率と残響時間の関係を理解,説明できない。
評価項目7ヘルムホルツ共鳴器の原理,共鳴周波数を理解し説明できる。ヘルムホルツ共鳴器の原理,共鳴周波数をある程度理解し説明できる。ヘルムホルツ共鳴器の原理,共鳴周波数を理解,説明できない。
評価項目8消音器の原理,膨張型消音器の減衰量を理解し説明できる。消音器の原理,膨張型消音器の減衰量をある程度理解し説明できる。消音器の原理,膨張型消音器の減衰量を理解,説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-4 説明 閉じる
JABEE d1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
省エネルギと効率を高めるため,機械の高速化と軽量化が進んでいます。そのため機械の振動や騒音が発生しやすくなります。一方,社会から静粛な生活環境に対する要求も高まっています。この授業では,騒音の発生と音波の伝搬に関する基本的な性質を理解し,騒音を低減するための基本的な技術を学習します。
授業の進め方・方法:
講義を中心に授業を行います。前半では騒音の基本性質,測定と解析に関する基礎理論,後半では前半で学んだ原理の応用として静音化技術を学びます。できるだけ教科書の順に沿って授業を行いますが,内容によって前後に変更することがあります。原理をより深く理解するために,基礎から式を導出を行うこともあります。必要に応じてプリント資料を配布します。目で見えない音について理解しやすいために,授業中にシミュレーションや実験を示すことがあります。また,次のような自学自習を60時間以上行うこと.
 ・授業内容を理解するため,予め配布したプリントや教科書で予習する.
 ・授業内容の理解を深めるため,復習を行う.
 ・課題を与えるので,レポートを作成する.
 ・定期試験の準備を行う.
注意点:
演習や小テストを適宜実施しますので,三角関数と対数を計算できる電卓を用意してください。なお,関連基礎として,数学について三角関数,対数,微分,フーリエ級数,物理について波動をもう一度復習しましょう。
 授業中に質問時間を設けるので,わかり難い部分や理解できなかったことについては積極的に質問してください。授業後に質問があったら電子メールでを送ってください。メールからの質問に対してメールで回答するか授業で説明をします。なお,メールアドレスは授業で知らせます。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業のガイダンス,騒音と音波の基本 騒音と音波の基本を理解できる。
2週 音圧と音圧レベル 音圧と音圧レベルを理解できる。
3週 音速と粒子速度 音速と粒子速度を理解できる。
4週 音の強さと音の強さのレベル 音の強さと音の強さのレベルを理解できる。
5週 音響出力と音響パワーレベル 音響出力と音響パワーレベルを理解できる。
6週 音の高低と音の大きさ 音の高低と音の大きさを理解できる。
7週 騒音の周波数解析 騒音の周波数解析を理解できる。
8週 前期中間試験 前期第7週までに学習した内容を理解する。
2ndQ
9週 騒音信号解析の基礎(AD変換とサンプリング定理) 騒音信号解析の基礎(AD変換とサンプリング定理)を理解できる。
10週 騒音の伝搬(点音源の距離減衰) 騒音の伝搬(点音源の距離減衰)を理解できる。
11週 騒音の伝搬(線音源と面音源の距離減衰) 騒音の伝搬(線音源と面音源の距離減衰)を理解できる。
12週 合成音レベル 合成音レベルを理解できる。
13週 騒音の測定と暗騒音 騒音の測定と暗騒音を理解できる。
14週 音の反射と透過 音の反射と透過を理解できる。
15週 音の回折と屈折 音の回折と屈折を理解できる。
16週 前期期末試験 前期期末までに学習した内容を理解する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。4
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。4
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。4
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。4
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。4
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。4
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。4
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。4
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。4
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。4
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。4
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。4
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。4
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。4
仕事の意味を理解し、計算できる。4
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。4
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。4
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。4
動力の意味を理解し、計算できる。4
運動量および運動量保存の法則を説明できる。4
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。4
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。4
振動の種類および調和振動を説明できる。4
不減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4
減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4
調和外力による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4
調和変位による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4

評価割合

試験小テスト演習態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合701515000100
基礎的能力0000000
専門的能力701515000100
分野横断的能力0000000