工業熱力学

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 工業熱力学
科目番号 0089 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:一色 尚次 北山 直方 「わかりやすい熱力学 SI版」 森北出版  参考書:斉藤 武,大竹一友,三田地鉱史 工業熱力学通論 日刊工業新聞社   牧野州秀,奥野純平,岐美 格 工業熱力学 森北出版
担当教員 白石 僚也

到達目標

1.熱力学の第一法則について説明できる.
2.理想気体の性質と状態変化について説明できる.
3.熱力学の第二法則について説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1熱力学の第一法則について説明できるとともに,これに関連する問題を解くことができる.熱力学の第一法則について理解し,これに関連する問題をある程度解くことができる.熱力学の第一法則について理解されず,これに関連する問題を解くことができない.
評価項目2理想気体の性質と状態変化について説明できるとともに,これに関連する問題を解くことができる.理想気体の性質と状態変化について理解し,これに関連する問題をある程度解くことができる.理想気体の性質と状態変化について理解されず,これに関連する問題を解くことができない.
評価項目3熱力学の第二法則について説明できるとともに,これに関連する問題を解くことができる.熱力学の第二法則について理解し,これに関連する問題をある程度解くことができる.熱力学の第二法則について理解されず,これに関連する問題を解くことができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-4 説明 閉じる
JABEE d1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この講義は,本校の教育目標のうち「基礎力(専門)」を養う科目である.工業熱力学は,5年生で学ぶ熱工学の基礎部分を範囲とする.熱エネルギと仕事エネルギにかかわる熱力学法則の理解のため,工学単位とSI単位の考え方,圧力,温度,熱,仕事,動力等について理解してもらう.つづいて熱力学の第一法則,エンタルピ,完全ガスの状態変化,熱力学の第二法則,サイクル論,エントロピおよび蒸気の持つ特性について講義する.この科目は, 民間企業でディーゼルエンジン, ボイラーなどの運転及び施工管理を担当していた教員が,その経験を活かし,工業熱力学について講義形式で授業を行うものである.
授業の進め方・方法:
“熱”を系統的に学ぶはじめての科目になります.本科目は,5年生で学ぶ熱工学の基礎となる内容なので,身近な現象と関連付けすることで理解を早めるように進行します.熱工学でより深く理解するためにも,基礎事項から十分に身に付けるようにしてください.なお,毎週水曜日の16時~17時をオフィスアワーとするので,質問などがある学生は担当教員の研究室に来てください.
注意点:
授業での到達目標が達成され,専門基礎的な原理の理解と応用力が習得されたかを評価する.成績は定期試験の得点,演習の得点の合計によって評価する.成績の評価は,定期試験,演習・小テストの点数により行う

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,熱力学概論 熱力学概論を理解する.
2週 熱力学で扱う物理量,工学単位,SI単位,温度,圧力 熱力学で扱う物理量,工学単位,SI単位,温度,圧力を理解する.
3週 熱量と比熱,比容積と密度,重量と質量 熱量と比熱,比容積と密度,重量と質量を理解する.
4週 熱力学の第一法則,第一種の永久機関,内部エネルギ 熱力学の第一法則,第一種の永久機関,内部エネルギを理解する.
5週 p-V線図で表される仕事量,可逆変化,エンタルピ,状態量 p-V線図で表される仕事量,可逆変化,エンタルピ,状態量を理解する.
6週 熱力学の第一基礎式,熱力学の第二基礎式 熱力学の第一基礎式,熱力学の第二基礎式を理解する.
7週 演習 ここまでを理解し,それらに関する問題を解くことができる.
8週 前期中間までの復習(前期中間試験) 前期中間までに習った内容を理解する.
2ndQ
9週 熱力学第二法則,第二種永久機関 熱力学第二法則,第二種永久機関を理解する.
10週 サイクルと熱効率,可逆サイクルの熱効率,カルノーサイクル機関 サイクルと熱効率,可逆サイクルの熱効率,カルノーサイクル機関を理解する.
11週 熱力学的温度,クロージウス積分,エントロピ 熱力学的温度,クロージウス積分,エントロピを理解する.
12週 ボイル・シャールの法則,一般ガス定数,アボガドロ数,ガス運動論 ボイル・シャールの法則,一般ガス定数,アボガドロ数,ガス運動論を理解する.
13週 ガスの定圧比熱,定容比熱とガス定数の関係 ガスの定圧比熱,定容比熱とガス定数の関係を理解する.
14週 ジュールトムソン効果,混合ガス ジュールトムソン効果,混合ガスを理解する.
15週 前期末試験 前期末までに習った内容を理解する.
16週 復習 学年末までに習った内容について,自らの課題を認識し修正できる.
後期
3rdQ
1週 完全ガスの状態変化,密閉系・開放系仕事 完全ガスの状態変化,密閉系・開放系仕事を理解する.
2週 等圧変化,等容変化 等圧変化,等容変化を理解する.
3週 等温変化 等温変化を理解する.
4週 断熱変化 断熱変化を理解する.
5週 ポリトロープ変化 ポリトロープ変化を理解する.
6週 カルノーサイクルの熱効率 カルノーサイクルの熱効率を理解する.
7週 演習 ここまでを理解し,それらに関する問題を解くことができる.
8週 後期中間までの復習(後期中間試験) 後期中間までに習った内容を理解する.
4thQ
9週 水の固・液・気体相成立と温度,圧力の関係 水の固・液・気体相成立と温度,圧力の関係を理解する.
10週 圧縮水,飽和蒸気,過熱蒸気,臨界点 圧縮水,飽和蒸気,過熱蒸気,臨界点を理解する.
11週 温度・圧力基準飽和蒸気表,過熱蒸気表 温度・圧力基準飽和蒸気表,過熱蒸気表を理解する.
12週 乾き度,各状態での状態量の求め方 乾き度,各状態での状態量の求め方を理解する.
13週 蒸気の等圧,等温,断熱変化と絞り 蒸気の等圧,等温,断熱変化と絞りを理解する.
14週 蒸気表と蒸気線図(h-s線図)(T-s線図)(p-h線図) 蒸気表と蒸気線図(h-s線図)(T-s線図)(p-h線図)を理解する.
15週 学年末試験 学年末までに習った内容を理解する.
16週 復習 学年末までに習った内容について,自らの課題を認識し修正できる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。2
閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。2
熱力学の第一法則を説明できる。2
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。2後7
閉じた系および開いた系が外界にする仕事をp-V線図で説明できる。2
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。2
定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。2
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。2
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。2
熱力学の第二法則を説明できる。2
サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率を計算できる。2
カルノーサイクルの状態変化を理解し、熱効率を計算できる。2
エントロピーの定義を理解し、可逆変化および不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。2
サイクルをT-s線図で表現できる。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力70000300100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000