制御工学

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 制御工学
科目番号 0096 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 樋口龍雄「自動制御理論」 森北出版株式会社
担当教員 松本 至

到達目標

(1) システムの信号の流れをブロック線図として表すことができる.
(2) 微分方程式と伝達関数の関係を理解できる.
(3) システムの周波数応答について理解し,簡単なシステムのゲインと位相角が求めることができる.
(4) システムの過渡応答について理解し,簡単なシステムのステップ応答を求めることができる.
(5) フィードバックの効果について理解できる.
(6) 安定性について理解し,簡単なシステムの安定判別ができる.
(7) システムの定常特性について理解できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
システムの信号の流れをブロック線図として表すことができる.システムの信号の流れをブロック線図として表すことがある程度できる.システムの信号の流れをブロック線図として表すことができない.
微分方程式と伝達関数の関係を理解できる.微分方程式と伝達関数の関係をある程度理解できる.微分方程式と伝達関数の関係を理解できない.
システムの周波数応答について理解し,簡単なシステムのゲインと位相角が求めることができる. システムの周波数応答について理解し,簡単なシステムのゲインと位相角が求めることがある程度できる. システムの周波数応答について理解し,簡単なシステムのゲインと位相角が求めることができない.
システムの過渡応答について理解し,簡単なシステムのステップ応答を求めることができる. システムの過渡応答について理解し,簡単なシステムのステップ応答を求めることがある程度できる. システムの過渡応答について理解し,簡単なシステムのステップ応答を求めることができない.
フィードバックの効果について理解できる. フィードバックの効果についてある程度理解できる. フィードバックの効果について理解できない.
安定性について理解し,簡単なシステムの安定判別ができる. 安定性について理解し,簡単なシステムの安定判別がある程度できる. 安定性について理解し,簡単なシステムの安定判別ができない.
システムの定常特性について理解できる. システムの定常特性についてある程度理解できる. システムの定常特性について理解できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-4 説明 閉じる
JABEE d1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
制御技術は物作りのための基本技術である.この制御に関する体系的な学問である制御工学は,いまや機械系・電機系・化学系・情報系など幅広い分野における基礎的学問として欠かせないものとなってきている.この科目は企業で生産技術に関する制御システムを担当していた教員が,その経験を活かし,古典制御全般について講義形式で授業を行うものある.本講ではシステムの伝達関数表現による古典制御理論に基づいて,ブロック線図から始め,最終的には簡単なシステムの制御系が設計できること目指している.
授業の進め方・方法:
座学中心で取り進めるが,理論の理解とあわせて工学的な応用が重要であるので,授業の4分の1程度は演習にあてる.しかし,授業のみでは十分な理解ができないこともあり,適宜課題レポート(自己学習)を行う.伝達関数に基づく古典制御理論は電気回路の交流理論が基礎となっている.複素数,正弦波の複素表現,複素計算法を十分復習しておくこと.また,昼休憩あるいは放課後であればいつでも質問を受け付けるので,質問のある学生は進んで松本研究室まで来てほしい.
  また,次のような自学自習を60時間以上行うこと.
 ・授業内容を理解するため,予め配布したプリントや教科書で予習する.
 ・授業内容の理解を深めるため,復習を行う.
 ・課題を与えるので,レポートを作成する.
 ・定期試験の準備を行う.
注意点:

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週  ガイダンス,システムの構成,信号の流れの表し方 システムの構成,信号の流れの表し方について説明できる.
2週 ブロック線図と等価変換,フィードバックの効果 ブロック線図と等価変換,フィードバックの効果説明できる.
3週 複素数の表現・複素数の加減乗除算,微分方程式と機械系と電気系の等価性 複素数の表現・複素数の加減乗除算について説明ができ,実際に演算ができる.微分方程式と機械系と電気系の等価性について説明できる.
4週 たたみ込み積分とシステムの応答,フーリエ変換とラプラス変換 たたみ込み積分とシステムの応答について説明できる.たたみ込み積分とシステムの応答について説明できる.
5週 フーリエ変換とラプラス変換,ラプラス変換の諸定理 フーリエ変換とラプラス変換について説明できる.ラプラス変換の諸定理について説明でき,実際に演算することができる.
6週 部分分数展開によるラプラス逆変換 部分分数展開によるラプラス逆変換について説明でき,実際に演算することができる.
7週 正弦波の複素表現と周波数応答,周波数伝達関数と交流回路の複素計算法 正弦波の複素表現と周波数応答について説明できる.
周波数伝達関数と交流回路の複素計算法について説明できる.
8週 前期中間試験 1週から7週までの内容を再度確認し,その内容について説明できる.
2ndQ
9週 伝達関数(伝達関数の導出、伝達関数とブロック線図) 伝達関数(伝達関数の導出、伝達関数とブロック線図)について説明できる.
10週 基本伝達関数の性質  基本伝達関数の性質について説明できる.
11週 安定性,特性方程式 安定性,特性方程式について説明できる.
12週 フルビッツの安定判別法 フルビッツの安定判別法について説明できる.
13週 ナイキストの安定判別法,安定余裕 ナイキストの安定判別法について説明できる.
安定余裕について説明できる.
14週 速応性と定常特性,定常偏差と制御系の型 定常偏差と制御系の型について説明できる.
速応性と定常特性について説明できる.
15週 前期期末試験 9週から14週までの内容を再度確認し,その内容について説明でき,実際に演算できる.
16週 復習 9週から14週までの内容を再度確認し,その内容について説明でき,実際に演算できる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御自動制御の定義と種類を説明できる。2前1,前2,前8,前15,前16
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。2前1,前2,前8,前15,前16
基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができる。2前4,前5,前6,前8,前14,前15,前16
ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて微分方程式を解くことができる。2前4,前5,前6,前8,前14,前15,前16
伝達関数を説明できる。2前9,前10,前15,前16,後1,後2,後3,後8
ブロック線図を用いて制御系を表現できる。2前2,前8,前9,前10,前15,前16,後1,後8
制御系の過渡特性について説明できる。2前2,前8,前10,前11,前14,前15,前16,後2,後3,後8,後12
制御系の定常特性について説明できる。2前2,前8,前14,前15,前16,後2,後3,後8,後12,後13
制御系の周波数特性について説明できる。2前3,前13,前14,前15,前16,後2,後3,後4,後8
安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できる。2前11,前12,前13,前14,前16,後5,後6,後7,後8,後9,後10

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力70000030100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000