国語Ⅱ

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 国語Ⅱ
科目番号 0001 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 電気情報工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 『精選 国語総合 新訂版』(大修館)、『新版チャレンジ常用漢字』(第一学習社)
担当教員 藤本 晃嗣,辻本 桜介,渡邊 健,片山 祐里子

到達目標

1.日本語の文法を踏まえながら、さらに言語文化に対する関心を深めたり、言語感覚を磨くよう努めたりすることができる。
2.他者の主張について的確にとらえ、批判的な視点をもって思考することができる。
3.自分の意見や考えを、相手に応じ、的確かつ効果的な日本語表現を用いて話したり、書いたりできる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
日本語の文章を、そこに含まれる接続表現や文末表現、語句の意味に十分注意しながら正確に読解し、内容の要点・筆者(作者)の主張を把握できる。日本語の文章について、そこに含まれる語句の意味にある程度注意しながら、概要を理解できる。日本語の文章について、そこに含まれる接続表現や文末表現に注意を払うことができず、語句の意味を誤解することなどにより、明らかに、内容の要点・筆者(作者)の主張を捉えられていない。
他者の主張内容を十分に把握し、それについて吟味・考察した経過と、根拠ある自らの主張を、明晰な日本語によって書き、かつ話すことができる。他者の主張内容を概ね過不足無く把握し、それに対して、一定の根拠を示しながら、自らの主張を書いたり話したりすることができる。他者の主張内容に対する把握が不十分なままに、十分な吟味や考察の過程を経ていないため、根拠だった主張を展開することができない。
作文・手紙文・プレゼンテーション用原稿など、種々の場面に合致した適切な文体を選び、明快な構成の文章を作成し、それを他者に向け、適切な手段(丁寧な書字あるいは明瞭な発音・朗読等)によって示すことができる。作文・手紙文・プレゼンテーション用原稿など、種々の場面に相応しい日本語を意識的に選び、十分な内容の文章を作成し、それを他者が理解できるような形で示すことができる。作文・手紙文・プレゼンテーション用原稿などの、種々の場面に相応しい日本語が異なることを理解できず、また内容的にも十分と言えない文章しか作成できず、結果、それを他者が理解できるような形で示すこともできない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 E 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この講義は、本校の教育目標のうち「コミュニケーション力」の基盤となる力を養う科目である。高等学校用教科書の『国語総合』を用いて現代文、古典(古文、漢文)にわたって幅広い言語教育を行う。
授業の進め方・方法:
1.現代文、古典を交互に取り上げ、基礎力の充実を図りつつ、幅広い言語能力が身につくように授業を進めていく。
2.質問は休憩時間、放課後に随時受け付けるが、オフィスアワー(週3回)の時間を活用して欲しい。
注意点:
基礎的な国語力の強化に重点を置く。試験では、漢字・語句・文法事項といった、日本語の基礎をなす部分の習得度を測るので、そのための復習や自主学習を心がけて欲しい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業ガイダンス
評論(1)①/古文(1)①
字句に注意しながら評論文を読める/古文を正確に音読できる
2週 評論(1)②/古文(1)② 評論文の主旨・大要を把握できる/自立語・付属語の違いに注意しながら辞書で語句を調べることができる
3週 評論(1)③/古文(1)③ 筆者の主張とそうでないものを適切に選り分けられる/一部の助動詞の意味に注意しながら現代語訳ができる
4週 評論(1)④/古文(1)④ 評論文全体の構造を理解し、それに対する自らの意見を構築できる/主な助動詞が持つ中心的意味を理解できる
5週 発表する①/古文(1)⑤ 調べてきたことや自分の意見を分かりやすく口頭で伝えられる/敬語表現の概要を理解できる
6週 発表する②/古文(1)⑥ 調べてきたことや自分の意見を分かりやすく口頭で伝えられる/古代あるいは中世の文化を踏まえ、古典文章の内容を概ね把握できる
7週 発表する③/古文(1)⑥ 調べてきたことや自分の意見を分かりやすく口頭で伝えられる/古文の内容と現代人の文化とを比較し考察できる
8週 前期中間試験 これまでの授業内容について、十分に知識を定着させ、理解している
2ndQ
9週 評論(2)①/漢文(1)① 現代用語や難解な語句を調べながら評論文を読解できる/返り点等の規則に正確に従い、書き下し文を書ける
10週 評論(2)②/漢文(1)② 評論文の内容を構造的に理解できる/書き下し文を参考にしながら正しく音読できる
11週 評論(2)③/漢文(1)③ 評論文の内容について自らの知識や常識と対比しながら考察できる/漢文訓読文独特の語彙の存在に留意できる
12週 評論(2)④/漢文(1)④ 評論文の内容に対し、批判的に検討した結果を他者と述べ合うことができる/古代中国の文化背景を理解できる
13週 発表する④/漢文(1)⑤ 調べてきたことや自分の意見を分かりやすく口頭で伝えられる/古代中国の風習・歴史を考慮しながら漢文の文意を概ね把握できる
14週 発表する⑤/漢文(1)⑥ 調べてきたことや自分の意見を分かりやすく口頭で伝えられる/まとまった量の漢文全体の構造・概要を把握できる
15週 発表する⑥/漢文(1)⑦ 調べてきたことや自分の意見を分かりやすく口頭で伝えられる/漢文の文章内容について、現代文化と比較しながらその意義を考察できる
16週 前期末試験 これまでの授業内容について、十分に知識を定着させ、理解している
後期
3rdQ
1週 小説①/古文(2)① 著名な小説について著者や発表の背景を知る/古代日本の語彙・文化の存在を理解できる
2週 小説②/古文(2)② 小説の文学的表現・語彙に留意しながら音読できる/古文を正確に音読し、自力である程度の内容を読み取れる
3週 小説③/古文(2)③ 登場人物や場所・時間展開を正確に把握しながら小説を読解できる/活用語の活用形や助動詞・助詞の意味に注意しながら現代語訳ができる
4週 小説④/古文(2)④ 現代日本人の感覚を用いて小説の主題について議論できる/古文を音読しながら意味を感じとることができる
5週 意見文を書く①/古文(2)⑤ 興味や関心に応じてテーマを選び、関連する書籍・情報の収集をすることができる/古文全体の内容を理解できる
6週 意見文を書く②/古文(2)⑥ 手に入れた情報・データ等を元に考察し、自分の意見を整理できる/古文の内容を吟味し、現代日本の文化と比較できる。
7週 意見文を書く③/古文(2)⑦ 整理した項目を適切な構成に配置し、明晰な文章を論述できる/古文内容を元に考察したことを他者に伝え議論できる
8週 後期中間試験 これまでの授業内容について、十分に知識を定着させ、理解している
4thQ
9週 短歌・俳句①/漢文(2)① 韻文と散文の相違を理解できる/古代中国の歴史・思想の概要を把握できる
10週 短歌・俳句②/漢文(2)② 短歌・俳句の形式や、著名な歌人・俳人について理解する/これまで培った知識をもとに漢文を正確に書き下せる
11週 短歌・俳句③/漢文(2)③ 短歌・俳句の持つ独特の技巧を指摘し、その表現効果について考察できる/漢文で書かれた文章の内容を感じとりながら、正確に音読できる/漢文に含まれる字句を、現代日本で用いられる故事成語等と比較できる
12週 評論(3)①/漢文(2)④ 評論文を正確に音読し、構成を概ね把握できる/書き下し文を元に、現代語訳できる
13週 評論(3)②/漢文(2)⑤ 現代社会用語・哲学用語等を調べその意味を吟味できる/漢文の文章の構造にパターンがあることを知る
14週 評論(3)③/漢文(2)⑥ 評論文の内容を批判的に捉え、納得できる部分とそうでない部分を整理できる/漢文の文章内容から思想や教訓を導き出せる
15週 評論(3)④/漢文(2)⑦ 評論文の内容をもとに、考察すべき問題点を洗い出し、他者と議論できる/漢文の文章と現代日本語・日本文化とを比較し類似点や相違点を見つけ出すことができる
16週 学年末試験 これまでの授業内容について、十分に知識を定着させ、理解している

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学国語国語論理的な文章(論説や評論)の構成や展開を的確にとらえ、要約できる。1前3,前8,前9,前10,前11,前16,後8,後12,後13,後14,後15,後16
論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。1前4,前8,前11,前12,前16,後8,後13,後14,後15
文学的な文章(小説や随筆)に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を述べることができる。1前7,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後14,後16
常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。1前1,前2,前8,前9,前10,前16,後1,後8,後9,後12,後16
類義語・対義語を思考や表現に活用できる。1前8,前16,後8,後12,後16
社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。1前1,前2,前8,前16,後2,後8,後9,後10,後11,後16
専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。1前8,前16,後8,後9,後16
実用的な文章(手紙・メール)を、相手や目的に応じた体裁や語句を用いて作成できる。1後5,後6,後7
報告・論文の目的に応じて、印刷物、インターネットから適切な情報を収集できる。1前5,前6,前7,前13,前14,前15,後5,後6,後7
収集した情報を分析し、目的に応じて整理できる。1前5,前6,前7,前13,前14,前15,後5,後6,後7
報告・論文を、整理した情報を基にして、主張が効果的に伝わるように論理の構成や展開を工夫し、作成することができる。1前5,前6,前7,前13,前14,前15,後5,後6,後7
作成した報告・論文の内容および自分の思いや考えを、的確に口頭発表することができる。1前5,前6,前7,前13,前14,前15
課題に応じ、根拠に基づいて議論できる。1前5,前6,前7,前13,前14,前15
相手の立場や考えを尊重しつつ、議論を通して集団としての思いや考えをまとめることができる。1前5,前6,前7,前13,前14,前15
新たな発想や他者の視点の理解に努め、自分の思いや考えを整理するための手法を実践できる。1前5,前6,前7,前13,前14,前15,後5,後6,後7

評価割合

試験小テスト平常点態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合701020000100
基礎的能力701020000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000