文学Ⅰ

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 文学Ⅰ
科目番号 0025 科目区分 一般 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 中村邦生『はじめての文学講義―読む・書く・味わう』(岩波ジュニア新書)、および授業時にプリントを配布する。
担当教員 辻 秀平

到達目標

1. 文学作品に触れ、文学に関する知識を身に付け、その表現の豊かさへの理解を深めることができる。
2. 文学と実社会との関わりについて考察し、文学と歴史・文化・社会問題との関係性について理解を深めることができる。
3. 文学作品における様々な言語表現を読み取り、自分なりの読みを深めることができる。加えて、他者の価値観を尊重しながら、自らの考えを分かりやすい言葉で伝え合うことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1文学作品に触れ、文学に関する知識を身に付け、その表現の豊かさへの理解を十分に深めている。文学作品に触れ、文学に関する知識をある程度身に付け、その表現の豊かさへの理解を深めている。文学に関する知識を身に付けておらず、その表現の豊かさへの理解を深めていない。
評価項目2文学と実社会との関わりについて深く考察し、文学と歴史・文化・社会問題との関係性について理解を十分に深めている。文学と実社会との関わりについて考察し、文学と歴史・文化・社会問題との関係性について理解をある程度深めている。文学と実社会との関わりについて考察できておらず、文学と歴史・文化・社会問題との関係性について理解を有していない。
評価項目3文学作品における様々な言語表現を読み取り、自分なりの読みを深めることが十分にできている。加えて、他者の価値観をよく尊重しながら、自らの考えを分かりやすい言葉で伝え合うことができている。文学作品における様々な言語表現を読み取り、自分なりの読みを深めることが一定程度できる。加えて、他者の価値観を尊重しながら、自らの考えを分かりやすい言葉で伝え合うことに努めている。自分なりに文学作品を読み解く意欲がなく、他者の価値観を尊重しながら、自らの考えを分かりやすい言葉で伝え合おうとしていない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
文学作品を読むための初歩的な知識を学ぶ。普段意識しないが、私たちは身の回りのあらゆる物事を「物語」として理解している。日常会話から広告やニュースまで、さらには自分の思考や価値観までもが「物語」である。「物語」の一ジャンルである文学作品を読むことは、そうした無数の「物語」を読み解き、今を生き抜くための良い訓練となるだろう。扱う作品は日本文学(古典・近現代)が中心だが、海外文学やサブカル作品を紹介する場合もある。
授業の進め方・方法:
教科書として、中村邦生『はじめての文学講義―読む・書く・味わう』(岩波ジュニア新書)を使用する。また必要に応じてプリントを配布する。授業では教科書の内容を踏まえながら、様々な文学作品を例に、その読み方を考えてみる。
第1・2週ではガイダンスと授業の導入を行い、第3週から本格的に授業を展開する。授業は基本的に講義形式だが、少人数によるグループ・ディスカッションを行う場面を多く取り入れる。グループの編成や、ディスカッションの方法等は、第1・2週の授業で指示する。
注意点:
・他の学生に迷惑をかけたり、授業の規律を乱すような学習態度や行動のないよう、気を付けてもらいたい。
・質問は休憩時間や放課後に随時受け付ける。また担当教員の「オフィスアワー」の時間を告知するので、分からないことは遠慮せず積極的に質問すること。
・図書館を積極的に利用すること。授業では、授業内容に関連する本を紹介することがある。教科書の内容だけでなく、本を手掛かりにして積極的に疑問を投げかけて欲しい。
・文学作品の解釈に「正解」や「優劣」は存在しない。授業では発言の機会を多く設けるので、積極的に自分の意見を述べるとともに、他者の意見を理解し尊重する意識を持つこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業のガイダンス(授業の進め方・学習方法・成績評価等の説明)
導入①:あなたはどんな「物語」が好きですか?
授業の流れを把握し、「物語」に対する基礎的な知識を身につけることができる。
2週 導入②:「物語」ってなに?それって何の役に立つの? 自分の経験を手掛かりに、「物語」の意義や可能性について考察を深めることができる。
3週 「文学」の基礎知識①:日本語の歴史、古典の名作 日本語や日本文学の成り立ちについて、理解を深めることができる。
4週 「文学」の基礎知識②:近現代日本文学140年の歴史とその世界 明治から令和までの日本文学について、理解を深めることができる。
5週 「文学」の基礎知識③:文学とアダプテーション 映像作品を手掛かりに、文学への理解を深めることができる。
6週 作品に触れてみる①:「行間」を読み解く テキストを読み、与えられた情報をもとに、作品の理解を深めることができる。
7週 作品に触れてみる①:「行間」を読み解く グループ内で意見を交換し、作品の理解を深めるとともに、伝える力を高めることができる。
8週 中間レポート
これまでの内容について理解し、自分の意見をまとめることができる。
2ndQ
9週 作品に触れてみる②:「謎」を読み解く テキストを読み、与えられた情報をもとに、作品の理解を深めることができる。
10週 作品に触れてみる②:「謎」を読み解く グループ内で意見を交換し、作品の理解を深めるとともに、伝える力を高めることができる。
11週 作品に触れてみる③:「愛」を読み解く テキストを読み、与えられた情報をもとに、作品の理解を深めることができる。
12週 作品に触れてみる③:「愛」を読み解く グループ内で意見を交換し、作品の理解を深めるとともに、伝える力を高めることができる。
13週 作品に触れてみる④:「生命」を読み解く テキストを読み、与えられた情報をもとに、作品の理解を深めることができる。
14週 作品に触れてみる④:「生命」を読み解く グループ内で意見を交換し、作品の理解を深めるとともに、伝える力を高めることができる。
15週 発展:さまざまな「物語」の世界 様々なジャンルの芸術作品への理解を深めることができる。
16週 前期末試験 前期末試験までの内容について理解する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文社会科学国語国語論理的な文章(論説や評論)の構成や展開を的確にとらえ、要約できる。3
論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。3
文学的な文章(小説や随筆)に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を述べることができる。3
常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。3
類義語・対義語を思考や表現に活用できる。3
社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。3
専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。3
実用的な文章(手紙・メール)を、相手や目的に応じた体裁や語句を用いて作成できる。3
報告・論文の目的に応じて、印刷物、インターネットから適切な情報を収集できる。3
収集した情報を分析し、目的に応じて整理できる。3
報告・論文を、整理した情報を基にして、主張が効果的に伝わるように論理の構成や展開を工夫し、作成することができる。3
作成した報告・論文の内容および自分の思いや考えを、的確に口頭発表することができる。3
課題に応じ、根拠に基づいて議論できる。3
相手の立場や考えを尊重しつつ、議論を通して集団としての思いや考えをまとめることができる。3
新たな発想や他者の視点の理解に努め、自分の思いや考えを整理するための手法を実践できる。3

評価割合

前期末試験提出課題中間レポートその他合計
総合評価割合4030300100
基礎的能力4030300100
専門的能力00000
分野横断的能力00000