ディジタル回路

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 ディジタル回路
科目番号 0038 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 【教科書】岩本洋,堀桂太郎「絵とき ディジタル回路入門 早わかり」オーム社 【参考書】猪飼國夫,本多中二「定本 ディジタル・システムの設計」CQ出版社 他
担当教員 新田 陽一

到達目標

 ディジタル回路の基本的な考えを学び,それを構成する各種要素の動作を理解する。
(1) 論理演算の基礎を理解し,論理式の変形や簡略化ができる。
(2) 各種ゲート回路の動作を理解し,組み合わせ論理回路の解析や設計ができる。
(3) 各種演算回路の動作を理解し,その特徴やしくみについて説明ができる。
(4) 各種フリップフロップの動作を理解し,順序論理回路の解析や設計ができる。
(5) シフトレジスタやFFの相互変換など,順序論理回路の応用について説明ができる。
(6) 同期式,非同期式のカウンタの構成ができる。
(7) 各種の応用的ディジタル回路の動作を理解し,説明できる。
(8) ゲート回路に関するデバイス技術を理解し,選定に必要な特性計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
論理演算の基礎を理解し,論理式の変形や簡略化関する応用問題が解ける。論理演算の基礎を理解し,論理式の変形や簡略化関する基本問題が解ける。論理演算の基礎を理解しておらず,論理式の変形や簡略化関する基本問題が解けない。
各種ゲート回路の動作を理解し,組み合わせ論理回路の解析や設計が自在にできる。各種ゲート回路の動作を理解し,基本的な組み合わせ論理回路の解析や設計ができる。各種ゲート回路の動作を理解しておらず,基本的な組み合わせ論理回路の解析や設計ができない。
各種演算回路の動作を理解し,その特徴やしくみについて詳しく説明ができる。各種演算回路の動作を理解し,その特徴やしくみについて基本的な説明ができる。各種演算回路の動作を理解しておらず,その特徴やしくみについて基本的な説明ができない。
各種フリップフロップの動作を理解し,順序論理回路の解析や設計が自在にできる。各種フリップフロップの動作を理解し,基本的な順序論理回路の解析や設計ができる。各種フリップフロップの動作を理解しておらず,基本的な順序論理回路の解析や設計ができない。
シフトレジスタやFFの相互変換など,順序論理回路の応用について詳しく説明ができる。シフトレジスタやFFの相互変換など,順序論理回路の応用について基本的な説明ができる。シフトレジスタやFFの相互変換など,順序論理回路の応用について基本的な説明ができない。
同期式,非同期式のカウンタの構成が自在にできる。基本的な同期式,非同期式のカウンタの構成ができる。基本的な同期式,非同期式のカウンタの構成ができない。
各種の応用的ディジタル回路の動作を理解し,詳しく説明できる。各種の応用的ディジタル回路の動作を理解し,基本的な説明ができる。各種の応用的ディジタル回路の動作を理解しておらず,基本的な説明ができない。
ゲート回路に関するデバイス技術を理解し,実用的な特性計算ができる。ゲート回路に関するデバイス技術を理解し,基本的な特性計算ができる。ゲート回路に関するデバイス技術を理解しておらず,基本的な特性計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 コンピュータなどに代表される現代の電気製品において,必要不可欠なディジタル技術について学ぶ。本講ではディジタル技術を理解する上で必要な,基本的な要素に的を絞って講義を進める。
 この科目は企業で小型精密モータ開発を担当していた教員がその経験を活かし、実務的な例を紹介しながらディジタル回路の基礎的な考え方について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
 授業は【小テスト:15分】【講義:30分】【質疑応答:5分】【講義:30分】【まとめ:10分】を標準構成とする。
 理解度の確認と理解の促進を目的として,「前回の内容」に関する小テストを実施する。資料用紙1枚の持ち込みを認めるので,要点や必要と思われる事項を整理してくること。
 講義はプリントを配布した上で,プレゼンテーションツールを使って行う。基本的な内容に的を絞るので,自分で教科書や参考書を読むなど,理解の幅を広げてほしい。講義中や質疑応答時間などを利用して積極的に質問し,不明・不安な点を残さないように努めること。
 出欠の記録を兼ねてシャトルカードを用意する。質問事項や感想を記入して,授業内容の理解や授業改善に活用してもらいたい。
 オフィスアワーは具体的な時間帯は設定せず,休憩時間・放課後に研究室(E科棟3F)へ来室すれば,用事のない限りいつでも質問や補講に応じる(いつでもオフィスアワー)。簡単な内容であればTeamsのチャットでも構わない。また,試験情報や講義資料もTeamsを参照のこと。
注意点:
 授業の到達目標の達成度,および基礎的な事項の理解度やそれを応用する能力の習得状況をみる。成績は定期試験 (70%),小テスト(30%)を基本として評価する。
 定期試験や小テストは正しく解答することが大前提であるが,間違っていても解法の説明があればその内容を勘案して部分点を与える。定期試験の再試は行わないので(小テストが再試代わり),毎回の試験に全力を注ぐこと。
 また,学校の勉強は結果だけが全てではなく,真摯に取り組む姿勢も重要である。授業によく集中し,積極性をもって臨むこと。
 成績は四半期ごとに算出し,それまでの成績の累積平均をその時点の評価とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業ガイダンス,アナログとディジタル 授業の進め方を理解し,アナログとディジタルの違いや特徴を説明できる。
2週 n進数の相互変換と2進数の演算 数の成り立ちを理解し,任意の進数の相互変換と2進数の四則演算ができる。
3週 論理演算とベン図 基本論理演算を理解し,論理式が表す条件をベン図に描くことができる。
4週 ブール代数とカルノー図 ブール代数の諸法則,およびカルノー図を理解し,これらを用いて論理式の簡略化ができる。
5週 ゲート回路 ゲート回路の動作とシンボルを理解し,接点回路によるシーケンス図で表すことができる。
6週 論理回路の設計 命題を真理値表・論理式で表し,それを簡略化した上で,対応するゲート回路を構成することができる。
7週 加算回路 半加算器・全加算器を理解し,これらを組み合わせた加算回路の動作を説明することができる。
8週 前期中間試験 前期第1週〜7週の内容について,種々の問題に対応できる
2ndQ
9週 減算回路 半減算器・全減算器を理解し,これらを組み合わせた加算回路の動作を説明することができる。
10週 乗算回路 各種の乗算回路について理解し,その動作を説明できる。直列乗算の具体的な計算ができる。
11週 除算回路とALU 各種の除算回路について理解し,その動作を説明できる。直列除算の具体的な計算ができる。
12週 RSフリップフロップ(FF) RS-FFの回路構成と動作を理解し,任意の入力に対するタイムチャートを描くことができる。
13週 各種のFF JK-FF,D-FFなどの動作を理解し,任意の入力に対するタイムチャートを描くことができる。
14週 順序論理回路の解析と構成 順序論理回路の解析方法を理解し,遷移表や状態図を描いて,任意の回路の動作を説明できる。任意の動作をする順序論理回路をゲート回路によって構成できる。
15週 前期期末試験 前期第9週〜14週の内容について,種々の問題に対応できる。
16週 復習など 前期の内容について,自らの課題を認識し修正できる。
後期
3rdQ
1週 各種のFFの相互変換 任意のFFを用いて,別種のFFを構成できる。
2週 シフトレジスタ シフトレジスタの動作や役割を理解し,説明することができる。
3週 カウンタの基礎 同期式・非同期式カウンタの違いや特徴を理解し,プリセット&クリアを用いた簡易な方法で非同期式カウンタが構成できる。
4週 同期式カウンタの設計 任意の進数の同期式Up/Downカウンタを構成できる。
5週 非同期式カウンタの設計 非同期式カウンタの設計方法を説明できる。
6週 非同期式カウンタの設計演習 任意の進数の非同期式Up/Downカウンタを構成できる。
7週 いろいろなカウンタ カウンタIC,ジョンソンカウンタ,リングカウンタについて理解し,説明ができる。
8週 後期中間試験 後期第1週〜7週の内容について,種々の問題に対応できる。
4thQ
9週 エンコーダ,デコーダ エンコーダ,デコーダの働きを理解し,説明ができる。
10週 マルチプレクサ,コンパレータ マルチプレクサ,コンパレータの働きを理解し,応用であるCRC符号に関する説明ができる。
11週 DTLとTTL ダイオードとトランジスタの基本を理解し,それを利用したゲート回路の動作を説明できる。
12週 C-MOS C-MOSの特徴を理解し,等価接点回路を描いて任意の回路の動作を説明できる。
13週 ICの取り扱い ディジタルICに関する基礎知識を理解し,説明することができる。
14週 ファンアウト・インターフェースと規格表 ファンアウト(数)とは何かを理解し,具体的な計算ができる。TTLとC-MOSの特性の違いを理解し,ノイズマージンの計算ができる。
15週 学年末試験 後期第9週〜14週の内容について,種々の問題に対応できる。
16週 復習など 後期の内容について,自らの課題を認識し修正できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力10000000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000