応用物理Ⅰ

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 応用物理Ⅰ
科目番号 0051 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 小暮陽三 監修  「高専の応用物理 第2版」 森北出版
担当教員 竹内 彰継

到達目標

1.質点・剛体の運動方程式をたてて解くことができる。
2.運動量保存の法則、力学的エネルギー保存の法則を使うことができる。
3.簡単な条件なら電界、磁界が計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1運動方程式をたてて解くことができる。運動方程式をたてることができる。運動方程式をたてることができない。
評価項目2運動量保存の法則、力学的エネルギー保存の法則を使うことができる。運動量保存の法則、力学的エネルギー保存の法則をだいたい使うことができる。運動量保存の法則、力学的エネルギー保存の法則を使うことができない。
評価項目3簡単な条件なら電界・磁界が計算できる。簡単な条件なら電界・磁界がだいたい計算できる。簡単な条件でも電界・磁界の計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この講義は本校の教育目標のうち「基礎力」を養う科目である。具体的には、物理学の基本であり工学への応用上最も重要な、力学と電磁気学を学習する。なお、振動・波動現象は両者に共通なので最後にまとめて学習する。また、運動方程式は微分方程式であることを強調するなど、数学的な取り扱いをより厳密にし、数学の応用的側面を理解させる。
授業の進め方・方法:
学生にとっては1,2年で学習した「一般物理」に引き続き2度目の物理となるが、数学的に相当高度になっているので数学(特に微分・積分)をしっかり身につけておくこと。また、授業中に毎回演習を行い、その点を評価に加えるのでしっかり授業に参加すること。なお、毎週木曜日の16時30分から17時30分をオフィスアワーとするので、竹内研究室まで質問に来ること。
注意点:
学生に緊張感を持たせるために毎時間演習を行いその点を評価に加える。また、授業中に学生を指名して質問するが、正解を回答した学生はその点を評価に加え、演習免除としてするのでしっかり授業に参加すること。さらに、物理のCBTの得点も成績に加えるので、しっかり勉強すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業のガイダンス
質点の位置と軌跡
軌跡の方程式を求めることができ、そのグラフを描くとができる。
2週 質点の速度、加速度 質点の位置を時間で微分して速度、加速度を求めることができる。
3週 運動の法則 運動の法則を理解する。作用・反作用の法則を使うことができる。
4週 重力
空気抵抗がある場合の自由落下
重力が作用する場合の運動方程式が解ける。
5週 万有引力
慣性力
万有引力、慣性力を理解している。
6週 仕事と運動エネルギー 仕事と運動エネルギーの関係を理解している。
7週 位置エネルギーと保存力
力学的エネルギー保存の法則
力学的エネルギー保存の法則を使うことができる。
8週 前期中間試験 前期中間までに習った内容を理解する。
2ndQ
9週 質点系の重心の運動方程式と運動量保存の法則 運動量保存の法則を使うことができる。
10週 運動量保存の法則の応用 運動量保存の法則を使うことができる。
11週 力のモーメントと質点の回転の運動方程式 力のモーメントの計算ができる。
角運動量保存の法則を使うことができる。
12週 剛体の慣性モーメント 剛体の慣性モーメントが計算できる。
13週 慣性モーメントを計算するための便利な定理、固定軸周りの剛体の回転運動 固定軸まわりの剛体の回転運動が解ける。
14週 剛体の自由な運動 剛体の自由な運動が解ける。
15週 前期末試験 前期末までに習った内容を理解する。
16週 前期末までの復習 学年末までに習った内容について、自らの課題を認識し、修正できる。
後期
3rdQ
1週 クーロンの法則 クーロンの法則で電界の計算ができる。
2週 ガウスの法則を用いた電界計算 ガウスの法則を用いた電界計算ができる。
3週 電位の計算 電位の計算ができる。
4週 導体とコンデンサ コンデンサの電気容量が計算できる。
5週 誘電体と電界のエネルギー コンデンサのエネルギーが計算できる。
6週 磁気についてのクーロンの法則 磁力の計算ができる
7週 電流 オームの法則が利用できる。
8週 後期中間試験 後期中間までに習った内容を理解する。
4thQ
9週 ビオ・サバールの法則 ビオ・サバールの法則を使って磁界計算ができる。
10週 アンペールの法則 アンペールの法則を使って磁界計算ができる。
11週 電磁力、フレミングの左手の法則 電磁力の計算ができる。
12週 ファラデーの電磁誘導の法則 誘導起電力の計算ができる。
13週 電気振動 電気振動を理解している。
14週 マックスウェルの方程式と電磁波 電磁波の発生が説明できる。
15週 学年末試験 学年末までに習った内容を理解する。
16週 学年末までの復習 学年末までに習った内容について、自らの課題を認識し、修正できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3前2
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3前5
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3前2
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3前1
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3前2
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。3前2
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3前4
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3前4
物体に作用する力を図示することができる。3前5
力の合成と分解をすることができる。3前5
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3前4
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3前3
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。3前5
慣性の法則について説明できる。3前3,前14
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3前3
運動方程式を用いた計算ができる。3前4
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3前4
運動の法則について説明できる。3前3
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3前6
最大摩擦力に関する計算ができる。3前6
動摩擦力に関する計算ができる。3前6
仕事と仕事率に関する計算ができる。3前6
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3前6
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3前7
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3前7
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3前7,前9
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3前10,前11
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。3前11
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3前10,前11
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3後15,後16
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3後15,後16
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3前5,前8
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.3前5,前8
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。3前7,前8
力のモーメントを求めることができる。3前12
角運動量を求めることができる。3前12
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。3前12
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3前12
重心に関する計算ができる。3前10
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。3前13,前14
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。3前14
波動横波と縦波の違いについて説明できる。3後14
電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。3後4
電場・電位について説明できる。3後1,後2,後3
クーロンの法則が説明できる。3後1
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。3後1
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3後7
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3後7
ジュール熱や電力を求めることができる。3後7
物理実験物理実験電磁気に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3後4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60000400100
基礎的能力60000400100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000