電気機器II

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電気機器II
科目番号 0061 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 電気学会,「電気機器工学I」,オーム社 / 自作の学習ノート
担当教員 宮田 仁志

到達目標

交流機の基礎を習得する.
(1) 誘導電動機の等価回路定数が算出できる.
(2) 誘導電動機の各種速度制御法を説明できる.
(3) 同期発電機の原理を理解し,等価回路,ベクトル図を用いた各種計算ができる.
(4) 同期電動機の特徴とその応用について説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
誘導電動機の等価回路定数が算出できる.誘導電動機の等価回路定数が算出できる.誘導電動機の等価回路定数がある程度算出できる.誘導電動機の等価回路定数が算出できない.
誘導電動機の各種速度制御法を説明できる.誘導電動機の各種速度制御法を説明できる.誘導電動機の各種速度制御法をある程度説明できる.誘導電動機の各種速度制御法を説明できない.
同期発電機の原理を理解し,等価回路,ベクトル図を用いた各種計算ができる.同期発電機の原理を理解し,等価回路,ベクトル図を用いた各種計算ができる.同期発電機の原理を理解し,等価回路,ベクトル図を用いた各種計算がある程度できる.同期発電機の原理を理解し,等価回路,ベクトル図を用いた各種計算ができない.
同期電動機の特徴とその応用について説明できる.同期電動機の特徴とその応用について説明できる.同期電動機の特徴とその応用についてある程度説明できる.同期電動機の特徴とその応用について説明できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-4 説明 閉じる
JABEE d1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
3年生で学習した知識を前提として、回転機の中でも重要な、誘導電動機、同期発電機、同期電動機について解説する。また、電動機の制御に不可欠なパワーエレクトロニクスについても時間を充て、電力用半導体素子の特性及び各種電力変換回路について解説する。電気機器の性質を直感的に理解するだけでなく、数式で表現できる能力を身につけさせる。
授業の進め方・方法:
 座学を中心とし、演習、課題等を適宜取り入れる。演習の際,電気主任技術者国家試験(電検)の問題も解説する。ベクトル図等は理解を深めるため、課題として取り組ませる。授業は教科書と授業中に配布する「学習ノート」に沿って進める。教科書に無い項目についても解説するので、必ずノートをとり、不明な点は積極的に質問すること。学修単位である点を考慮し、課題レポートを課すことが多いが、平素より、自主的に学習する姿勢が大切である。

また,次のような自学自習を(単位数×45-年間授業時間)時間以上行うこと.
 ・授業内容を理解するため,予め配布したプリントや教科書で予習する.
 ・授業内容の理解を深めるため,復習を行う.
 ・課題を与えるので,レポートを作成する.
 ・定期試験の準備を行う.
 
質問について:授業終了後,休憩時間等,随時対応する.
オフィスアワーについては,掲示等で連絡する.
(宮田研究室 電気情報工学科棟1F E-mail: miyata@yonago-k.ac.jp)
注意点:
本科目は学修単位であるので、次のような自学自習を60時間以上行うこと、
・授業毎に与える課題レポートに取り組む
・授業内容を理解するため、学習ノートおよび教科書で予習する
・授業内容の理解を深めるため、復習を行う
・定期試験の準備を行う

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
三相誘導電動機の原理と構造
回転磁界について説明できる。
同期速度について説明できる。
回転子と固定子について説明できる。
2週 三相誘導電動機の理論 変圧器との相似性について説明できる。
等価回路について説明できる。
負荷とすべりについて説明できる。
3週 三相誘導電動機の特性 出力について説明できる。
トルクについて説明できる。
4週 三相誘導電動機の等価回路 等価回路定数の算定法を説明できる。
5週 三相誘導電動機の等価回路の応用 回転子側のパワーの関係を説明できる。
比例推移の計算について説明できる。
6週 三相誘導電動機の可変速制御 電圧制御法について説明できる。
周波数制御について説明できる。
7週 単相誘導電動機の原理と特性 回転原理について説明できる。
二電動機説について説明できる。
始動法について説明できる。
トルク特性について説明できる。
8週 中間試験までの復習(中間試験) 中間試験までの学習内容を説明できる。
2ndQ
9週 同期期の種類 励磁方式による分類について説明できる。
磁極の形状による分類について説明できる。
10週 同期発電機の理論 電機子反作用について説明できる。
同期インピーダンスについて説明できる。
等価回路について説明できる。
ベクトル図について説明できる。
11週 同期発電機の特性 各種特性曲線について説明できる。
百分率同期インピーダンスについて説明できる。
12週 同期電動機の効率 電圧変動率について説明できる。
効率について説明できる。
13週 同期電動機の原理と構造 回転原理と始動法について説明できる。
等価回路について説明できる。
ベクトル図について説明できる。
14週 同期電動機の特性
その他の電動機の概要
位相特性および負荷特性について説明できる。
ステッピングモータの概要を説明できる。
DCブラシレスモータの概要を説明できる。
リラクタンスモータの概要を説明できる。
15週 期末試験
16週 期末試験までの復習 期末試験までの学習内容を説明できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。3
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。3
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。3
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。3
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。3
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。3
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。3
静電エネルギーを説明できる。3
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。3
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則を用いて計算できる。3
電流が作る磁界をアンペールの法則を用いて計算できる。3
磁界中の電流に作用する力を説明できる。3前1
ローレンツ力を説明できる。3
磁気エネルギーを説明できる。3
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。3
自己誘導と相互誘導を説明できる。3
自己インダクタンス及び相互インダクタンスを求めることができる。3
電力三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。3前2,前3,前6,前8,前10,前11,前12,前14,前15,前16
電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ変換ができる。3
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。3
直流機の原理と構造を説明できる。3
誘導機の原理と構造を説明できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8
同期機の原理と構造を説明できる。3前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16
変圧器の原理、構造、特性を説明でき、その等価回路を説明できる。3前2,前4,前5,前8
半導体電力変換装置の原理と働きについて説明できる。3
電力システムの構成およびその構成要素について説明できる。3
交流および直流送配電方式について、それぞれの特徴を説明できる。3
電力品質の定義およびその維持に必要な手段について知っている。3
電力システムの経済的運用について説明できる。3
水力発電の原理について理解し、水力発電の主要設備を説明できる。3
火力発電の原理について理解し、火力発電の主要設備を説明できる。3
原子力発電の原理について理解し、原子力発電の主要設備を説明できる。3
その他の新エネルギー・再生可能エネルギーを用いた発電の概要を説明できる。3
電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて説明できる。3
計測計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。3
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。3
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。3
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。3
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。3
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。3
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。3
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。3
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。3
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。3
電力量の測定原理を説明できる。3
オシロスコープの動作原理を説明できる。3
制御伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。3
ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。3
システムの過渡特性について、ステップ応答を用いて説明できる。3
システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。3
システムの周波数特性について、ボード線図を用いて説明できる。3
フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力350000944
専門的能力350000944
分野横断的能力100000212