電気情報応用実験I

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電気情報応用実験I
科目番号 0066 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 電気情報工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 電気情報基礎実験テキスト(手作り教材)
担当教員 松岡 祐介,宮田 仁志,石倉 規雄,桃野 浩樹

到達目標

(1)各デバイスの特性を理解する。
(2)基本的な測定機器を、測定精度を考慮しながら正しく使用することができる。
(3)基本的な電気回路、電子回路について動作を理解することができる。
(4)実験結果について理論と照らし合わせて結果を考察することができる。
(5)実験結果をまとめ、発表することができる。 

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
各デバイスの特性を理解する。各デバイスの特性について高度な説明でき、正しい取り扱いができる。各デバイスの特性について基本的な説明ができる。各デバイスの特性を説明することができない。
基本的な測定機器を使用することができる。測定精度を考慮しながら、測定機器を正しく使用することができる。基本的な測定機能を使用することができる。測定機器を使用することができない。
基本的な電気回路、電子回路について動作を理解することができる。基本的な電気回路、電子回路について動作の高度な説明ができる。基本的な電気回路、電子回路について動作の基本的な説明ができる。基本的な電気回路、電子回路について動作の説明ができない。
実験結果について理論と照らし合わせて結果を考察することができる。実測データと理論を照らし合わせて、高度な説明ができる。実測データと理論を照らし合わせて、基本的な説明ができる。実測データと理論を照らし合わせて説明することができない。
実験結果をまとめ、発表することができる。 実験結果を要領良くまとめ、簡潔・明瞭に分かり易く発表できる。 実験結果をまとめ、発表することができる。実験結果をまとめ、発表することができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-1 説明 閉じる
JABEE d2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
各種デバイスの測定を行い、その動作や特性、取り扱い方について習熟するとともに、電気回路や電子回路の作製、測定を通して動作原理に対する理解を深める。測定機器の使用法やデータの取り方を習得する。測定データの整理、報告書のまとめ方について学び、実験結果のプレゼンテーションを行って技術的な発表・説明の仕方を学習する。前期第13週目から前期第14週目、後期第7週目から後期第8週目、後期第11週目から後期第12週目は、企業で強電系の研究開発を担当していた教員が、その経験を活かし、電気機器に関する実験を指導する。
授業の進め方・方法:
教員が指示して進めるのではなく、学生自らが考えながら主体的に実験を行う。予め実験内容や原理を学習し十分理解しておき、測定の段取りなどを考えておくこと。役割をうまく分担し、全員協力し、結果を予測しながら実験を進める。実験の際には、各自が関数電卓,方眼紙,記録ノート等を用意する。実験レポートは実験データを元に原理に基づいて考察し、提出期限を厳守し、必ず全テーマ提出すること。
注意点:
成績評価はレポート(90%)、プレゼンテーション(10%)の割合で行う。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 実験の進め方や報告書の作成方法を理解する。
2週 SPICEによる電気電子回路シミュレーション(1) SPICEを用いて回路設計をし、電気電子回路シミュレーションを行う。
3週 SPICEによる電気電子回路シミュレーション(2) SPICEを用いて回路設計をし、電気電子回路シミュレーションを行う。
4週 MOSトランジスタと電子回路(1) MOSトランジスタの特性を測定する。
5週 MOSトランジスタと電子回路(2) MOSトランジスタの回路を作製し、測定する。
6週 レポート指導など
報告書の作成方法を理解する。
7週 レポート指導など 報告書の作成方法を理解する。
8週 レポート指導など 報告書の作成方法を理解する。
2ndQ
9週 波形変換回路(1) 受動素子を用いた波形変換回路を作製し、測定する。
10週 波形変換回路(2) オペアンプを用いた波形変換回路を作製し、測定する。
11週 自然エネルギー(1) 太陽電池の特性を測定する。
12週 自然エネルギー(2) 風力発電機の発電電圧、電流を測定する。
13週 同期発電機の特性試験(1) 同期発電機の無負荷特性の測定と、短絡試験を行う。
14週 同期発電機の特性試験(2) 同期発電機の負荷特性を測定する。
15週 レポート指導など 報告書の作成方法を理解する。
16週
後期
3rdQ
1週 Arduino プログラミングⅡ (1) Arduinoによるプログラミングを行う。
2週 Arduino プログラミングⅡ (2) Arduinoによるプログラミングを行う。
3週 プリント基板 設計・製作 (1) プリント基板による回路設計・製作を行う。
4週 プリント基板 設計・製作 (2) プリント基板による回路設計・製作を行う。
5週 同期電動機の特性試験(1) 同期電動機の位相特性試験を行う。
6週 同期電動機の特性試験 (2) 同期電動機の負荷特性試験を行う。
7週 三相誘導電動機の特性試験(1) 三相誘導電動機の端子間の抵抗測定、無負荷試験、拘束試験を行う。
8週 三相誘導電動機の特性試験(2) 三相誘導電動機の実負荷試験を行う。
4thQ
9週 パワーエレクトロニクスの基礎実験(1) SCRの端子間電圧を測定する。
10週 パワーエレクトロニクスの基礎実験(2) 高圧チョッパ回路、昇圧チョッパ回路を作製し、出力電圧を測定する。
11週 シーケンス制御の基礎実験(1) シーケンス制御回路を構成し、測定する。
12週 シーケンス制御の基礎実験(2) シーケンス制御回路を構成し、測定する。
13週 プレゼンデータ作成(1) 指定された実験テーマのプレゼン資料を作成する。
14週 プレゼンデータ作成(2) 指定された実験テーマのプレゼン資料を作成する。
15週 プレゼン発表 指定された実験テーマの実験結果についてプレゼンテーションを行う。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3前2
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。2前2,前3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3前2,前3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3前6
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3前6
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3前6
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3前6
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3前2
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3前2
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3前2
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3前6
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。3
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。3
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。3
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。3
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。3
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。3
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。3
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。3
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。3
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。3
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。3
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。3
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。3
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。3
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。3
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。3
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。3
理想変成器を説明できる。3
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。3
分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。3前2
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。3前2
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。3前9
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。3前2
キルヒホッフの法則を適用し、実験結果を考察できる。3前2
分流・分圧の関係を適用し、実験結果を考察できる。3前2
インピーダンスの周波数特性を考慮し、実験結果を考察できる。3前2
増幅回路等(トランジスタ、オペアンプ)の動作に関する実験結果を考察できる。3前2,前4,前5
ダイオードの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。3前9
トランジスタの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。3前4,前5
ディジタルICの使用方法を習得する。3後1
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。2前2
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。2前2
他者の意見を聞き合意形成することができる。3前2
合意形成のために会話を成立させることができる。3前2
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。2前2
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3前6
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3前6
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3前6
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3前6
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3前6
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3後15
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3前2
複数の情報を整理・構造化できる。2前6
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。2前6
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3前2
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3前6
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。2前6
事実をもとに論理や考察を展開できる。3前6
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3前6
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3前2
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3前2
目標の実現に向けて計画ができる。3前2
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3前2
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3前2
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3前2
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3前2
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3前2
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3前2
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3前2
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3前2
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3前2
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3前2
法令やルールを遵守した行動をとれる。3前2
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3前2
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3前2
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。3
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。3
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。3
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。3
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。3
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。3
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。2前2
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。2前2
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。2前2
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。2前2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ報告書合計
総合評価割合01000090100
基礎的能力000004040
専門的能力0100004050
分野横断的能力000001010