高電圧工学

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 高電圧工学
科目番号 0092 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 植月唯夫,松原孝史,箕田充志;「高電圧工学」;コロナ社 
担当教員 石倉 規雄

到達目標

1)気体、液体、固体絶縁材料の絶縁破壊理論を理解する。
2)高電圧の発生方式の種類と特徴を理解する。
3)高電圧測定の種類と特徴を理解する。
4)高電圧機器の種類と特徴を理解する。
5)高電圧の応用技術についてその種類と用途を理解する。 

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1気体、液体、固体絶縁材料の絶縁破壊理論をよく理解している。気体、液体、固体絶縁材料の絶縁破壊理論のある程度の理解がある。気体、液体、固体絶縁材料の絶縁破壊理論が理解できていない。
評価項目2高電圧の発生方式の種類と特徴をよく理解している。 高電圧の発生方式の種類と特徴のある程度の理解がある。 高電圧の発生方式の種類と特徴が理解できていない。
評価項目3高電圧測定の種類と特徴をよく理解している。 高電圧測定の種類と特徴のある程度の理解がある。 高電圧測定の種類と特徴が理解できていない。
評価項目4高電圧機器の種類と特徴をよく理解している。高電圧機器の種類と特徴のある程度の理解がある。高電圧機器の種類と特徴が理解できていない。
評価項目5高電圧の応用技術についてその種類と用途をよく理解している。高電圧の応用技術についてその種類と用途のある程度の理解がある。高電圧の応用技術についてその種類と用途が理解できていない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-4 説明 閉じる
JABEE d1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 近年ますます高圧化される電力送電系統は、100万ボルト送電の時代に入ろうとしている。本講義では、企業で研究開発を担当していた教員が、その経験を活かし、高電圧に関する幅広い講義を行うものである。本講義では、放電現象の基礎理論から始めて高電圧の発生、測定、高電圧機器、高電圧の応用、高電圧試験および超高圧技術の概要と問題点などを理解する。
授業の進め方・方法:
 板書による講義中心の授業となるが、ノートを取り自分で調べたことを注釈として書き込むことが理解を高めることになる。高電圧実験を通して高電圧機器などの実際をできるだけたくさん見せるように心掛けている。また、教科書にない試料写真や図表を配布する。質問は,休憩時間,授業終了後等に随時対応する。
 また,本科目は学修単位であるため,次のような自学自習を60時間以上行うこと。
 ・授業内容を理解するため,予め配布したプリントや教科書で予習する。
 ・授業内容の理解を深めるため,復習を行う。
 ・課題を与えるので,レポートを作成する。
 ・定期試験の準備を行う。
注意点:
授業での到達目標が達成され,高電圧工学に関する基礎的な理解と簡単な応用力の習得度で評価する。成績の評価における総合評価割合は,定期試験70%,課題30%とする.なお,原則として再試験は行わない。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 授業ガイダンスおよび高電圧技術の必要性と電圧区分
2週 熱運動気体分子のマクスウエル・ボルツマン速度分布特性 気体、液体、固体絶縁材料の絶縁破壊理論を理解する。
3週 タウンゼントの放電理論,ストリーマ理論 気体、液体、固体絶縁材料の絶縁破壊理論を理解する。
4週 パッシェンの法則とV字形曲線,放電に影響する因子 気体、液体、固体絶縁材料の絶縁破壊理論を理解する。
5週 コロナ放電、グロー放電、アーク放電の特徴 気体、液体、固体絶縁材料の絶縁破壊理論を理解する。
6週 液体誘電体の絶縁破壊理論 気体、液体、固体絶縁材料の絶縁破壊理論を理解する。
7週 固体誘電体の絶縁破壊理論,複合誘電体の絶縁破壊理論 気体、液体、固体絶縁材料の絶縁破壊理論を理解する。
8週 後期中間までの復習(後期中間試験) 後期中間までに習った内容を理解する。
4thQ
9週 試験用変圧器と交流高電圧の発生,直流高電圧の発生 高電圧の発生方式の種類と特徴を理解する。
10週 雷インパルス電圧の発生,交流・直流高電圧の測定法 高電圧の発生方式の種類と特徴を理解する。高電圧測定の種類と特徴を理解する。
11週 雷インパルス電圧の測定法,光学的手法による高電圧測定法 高電圧測定の種類と特徴を理解する。
12週 碍子、ブッシング、遮断器、避雷器、GISなどの高電圧機器 高電圧測定の種類と特徴を理解する。
13週 高電圧の工学的応用 高電圧の応用技術についてその種類と用途を理解する。
14週 高電圧試験法 高電圧測定の種類と特徴を理解する。
15週 学年末試験 学年末までに習った内容を理解する。
16週 学年末までの復習 学年末までに習った内容について,自らの課題を認識し修正できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電力変圧器の原理、構造、特性を説明でき、その等価回路を説明できる。3後9
半導体電力変換装置の原理と働きについて説明できる。3後9,後10
電力システムの構成およびその構成要素について説明できる。3後12,後13,後14
交流および直流送配電方式について、それぞれの特徴を説明できる。3後1
電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて説明できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後11,後12,後13,後14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力0000000
専門的能力70000030100
分野横断的能力0000000