電気機器設計

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電気機器設計
科目番号 0094 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 電気情報工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 竹内寿太郎著,「大学課程 電機設計学(改訂2版)」,オーム社 / 自作の学習ノート
担当教員 宮田 仁志,石倉 規雄

到達目標

(1) 電気機器の特性を表す数式を用いて、設計に必要な計算ができる。
(2) 完全相似性、不完全相似性について理解し、微増加比例法に基づいた設計ができる。
(3) 機器の鉄心、巻線が設計できる。
(4) グループ内で、役割を分担しながら作業を進めることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
電気機器の特性を表す数式を用いて、設計に必要な計算ができる。電気機器の特性を表す数式を用いて、設計に必要な計算ができる。電気機器の特性を表す数式を用いて、設計に必要な計算がある程度できる。電気機器の特性を表す数式を用いて、設計に必要な計算ができない。
完全相似性、不完全相似性について理解し、微増加比例法に基づいた設計ができる。完全相似性、不完全相似性について理解し、微増加比例法に基づいた設計ができる。完全相似性、不完全相似性について理解し、微増加比例法に基づいた設計がある程度できる。完全相似性、不完全相似性について理解し、微増加比例法に基づいた設計ができない。
機器の鉄心、巻線が設計できる。機器の鉄心、巻線が設計できる。機器の鉄心、巻線がある程度設計できる。機器の鉄心、巻線が設計できない。
グループ内で、役割を分担しながら作業を進めることができる。グループ内で、役割を分担しながら作業を進めることができる。グループ内で、役割を分担しながら作業を進めることがある程度できる。グループ内で、役割を分担しながら作業を進めることができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-4 説明 閉じる
JABEE d1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 電気機器設計のための基本技術を、座学と実習を通して習得させる。座学において各種巻線法、微増加比例法などの理論を説明した後、例題を通じて、仕様書、設計表の作成法などを習得させる。さらに、三相誘導電動機の設計を課題とし、仕様書、設計表及び固定子巻線の結線図を作成させる。実習では誘導電動機の鉄心を用意し、実際に固定子巻線を施して電動機を試作させる。
 この授業を通じて、「技術者としての基礎力」、「持てる力を使う応用力」及び「社会と自らを高める発展力」を養う。
授業の進め方・方法:
 座学で理論、基礎事項を説明した後、変圧器,誘導電動機を例に、仕様書、設計表の作成法を習得させる。誘導電動機については、固定子巻線の結線図も作成させる。実習では、図面をもとに、三相誘導電動機の固定子に巻線を施す。実習は3、4人程度から成る班単位でおこない、最終的にはかご形回転子を取り付けてかご形三相誘導電動機を完成させる。
質問について: 授業終了後、休憩時間等、随時対応する。
オフィスアワーについては、掲示等で連絡する。
(宮田研究室 電気情報工学科棟1F E-mail: miyata@yonago-k.ac.jp)
注意点:
座学だけではなく、設計の図面の作成や、モータの巻線の作成および組立も実施するので、自分自身で手を動かしてそれらの技術を体得すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
電気機器の本質とその内容,寸法と容量との関係
電気機器とその他の動力機械との違いを説明できる。
電気機器の寸法と容量の関係を説明できる。
2週 電気機器の損失
絶縁の種類と温度上昇限度
電気機器の損失の内訳を説明できる。
JECで定められた、各絶縁種別の特徴を説明できる。
3週 例題演習1 変圧器基礎的な計算問題を解くことができる。
4週 電気機器の容量を表す一般式 変圧器、回転機などを表す一般式を説明できる。
5週 鉄機械と銅機械 鉄機械と銅機械の特徴を説明できる。
6週 完全相似性 完全相似性の考え方とその設計への応用について説明できる。
7週 不完全相似性 不完全相似性の考え方とその設計への応用について説明できる。
8週 微増加比例法の理論 微増加比例法の理論を、数式を用いて説明できる。
2ndQ
9週 微増加比例法にもとづいた装荷の分配 微増加比例法の設計問題への適用法について説明できる。
10週 例題演習2 単相変圧器の設計に関する主な計算法を説明できる。
11週 例題演習3 三相誘導電動機の設計に関する主な計算法を説明できる。
12週 三誘導電動機の仕様書の作成 三誘導電動機の仕様書が作成できる。
13週 三相誘導電動機の設計表の作成 三相誘導電動機の設計表が作成できる。
14週 三誘導電動機の固定子巻線結線図の作成  三誘導電動機の固定子巻線結線図が作成できる。
15週 期末試験
16週 期末試験までの復習 期末試験までの学習内容を説明できる。
後期
3rdQ
1週 巻線を行う上の諸注意及び巻線に必要な道具,材料の準備 巻線を行うための手順や使用する工具について説明できる。
2週 昨年度の実習で使用した電動機の分解 固定子や回転子の取り付け方や、コイルの挿入のし方を説明できる。
3週 使用済み導線を用いたコイルの製作 コイルの巻き方について説明できる。
4週 使用済み導線を用いたコイルの製作 コイルの巻き方について説明できる。
5週 コイルのスロットへの挿入 コイルのスロットへの挿入のし方について説明できる。
6週 コイルのスロットへの挿入 コイルのスロットへの挿入のし方について説明できる。
7週 コイルの製作 コイルを製作できる。
8週 コイルの製作 コイルを製作できる。
4thQ
9週 コイルの製作 コイルを製作できる。
10週 コイルのスロットへの挿入 コイルをスロットに正しく挿入できる。
11週 コイルのスロットへの挿入 コイルをスロットに正しく挿入できる。
12週 コイルの結線 コイルを正しく結線できる。
13週 ロータの取り付けとモータの組み立て ロータの取り付けとモータの組み立てができる。
14週 各種特性試験と等価回路定数の算定 製作した三相誘導電動機の特性を、データをもとに説明できる。
15週 報告書の作成 試験の結果をまとめて、三相誘導電動機の製作について説明できる。
16週 復習 これまでの授業内容の主要な事柄を説明できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電力三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。3前2,前4,前11,前14,前15,前16,後13,後15,後16
電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ変換ができる。3前14,前15,前16,後13,後16
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。3
直流機の原理と構造を説明できる。3前1,前2,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前16,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後16
誘導機の原理と構造を説明できる。3前1,前2,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前11,前12,前13,前14,前15,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後15,後16
同期機の原理と構造を説明できる。3前1,前2,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前16,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後16
変圧器の原理、構造、特性を説明でき、その等価回路を説明できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前16
半導体電力変換装置の原理と働きについて説明できる。3
電力システムの構成およびその構成要素について説明できる。3
交流および直流送配電方式について、それぞれの特徴を説明できる。3
電力品質の定義およびその維持に必要な手段について知っている。3
電力システムの経済的運用について説明できる。3
水力発電の原理について理解し、水力発電の主要設備を説明できる。3
火力発電の原理について理解し、火力発電の主要設備を説明できる。3
原子力発電の原理について理解し、原子力発電の主要設備を説明できる。3
その他の新エネルギー・再生可能エネルギーを用いた発電の概要を説明できる。3
電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて説明できる。3
分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。3
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。3
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。3
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。3
キルヒホッフの法則を適用し、実験結果を考察できる。3
分流・分圧の関係を適用し、実験結果を考察できる。3
ブリッジ回路の平衡条件を適用し、実験結果を考察できる。3
重ねの理を適用し、実験結果を考察できる。3
インピーダンスの周波数特性を考慮し、実験結果を考察できる。3
共振について、実験結果を考察できる。3
増幅回路等(トランジスタ、オペアンプ)の動作に関する実験結果を考察できる。3
論理回路の動作について実験結果を考察できる。3
ダイオードの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。3
トランジスタの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。3
ディジタルICの使用方法を習得する。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合50000050100
基礎的能力400000040
専門的能力1000003040
分野横断的能力000002020