電子回路Ⅰ

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電子回路Ⅰ
科目番号 0036 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 アナログ電子回路 大類重範著 日本理工出版会
担当教員 井上 学

到達目標

1.電子回路を構成する素子(ダイオード、トランジスタ、FET)について理解し、基本的な計算ができる。
2.トランジスタやFETの増幅回路のバイアス供給について理解し、基本的な計算ができる。
3.トランジスタやFETの増幅回路の利得、周波数特性、入出力インピーダンスなどについて理解し、基本的な計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1半導体素子(D、Tr、FET)について理解し、基本的な計算ができる。ある程度、半導体素子(D、Tr、FET)について理解し、基本的な計算ができる。半導体素子(D、Tr、FET)について理解しておらず、基本的な計算ができない。
評価項目2増幅回路のバイアス供給について理解し、基本的な計算ができる。ある程度、増幅回路のバイアス供給について理解し、基本的な計算ができる。増幅回路のバイアス供給について理解しておらず、基本的な計算ができない。
評価項目3増幅回路の利得等の特性について理解し、基本的な計算ができる。ある程度、増幅回路の利得等の特性について理解し、基本的な計算ができる。増幅回路の利得等の特性について理解しておらず、基本的な計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電子回路は、微弱な信号の抽出・増幅・伝達に使われる半導体素子を組み込んだ回路のことであり、電子工学分野の基礎科目の一つである。本科目では、半導体素子であるダイオードや接合型トランジスタ、電界効果型トランジスタについて理解した後、これらを利用した基本的な増幅回路について習得する。
授業の進め方・方法:
主にプロジェクタを使った座学形式の授業を進める。
投影内容をまとめた資料の配布、板書による説明、理解度を深めるための演習や小テストを行い、レポート課題を課す。
注意点:
2年生までの数学、物理、電磁気学(回路理論)が基礎であり、習得していることが前提となる。
不明点があれば授業内もしくはその後、休憩時間や放課後に質問すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、電気理論基礎1 電圧・電流の定義の向きに応じた計算ができる。
分圧則・分流則など基礎理論を説明・活用できる。
2週 電気理論基礎2 電圧・電流を簡易に計算するための回路の書き換えができる。
回路から直流回路と交流回路を抽出できる。
3週 電気理論基礎3 キルヒホッフの法則などの電気理論を説明・活用できる。
4週 半導体 半導体の構成や性質、特徴などを説明できる。
5週 ダイオードとダイオード回路1 ダイオードの特徴を説明できる。
6週 ダイオードとダイオード回路2 ダイオードを利用した回路の電圧・電流を計算できる。
7週 演習問題 基本的な電気理論を説明できる。
半導体やダイオードの特徴を説明できる。
ダイオードを利用した回路の電圧・電流を計算できる。
8週 前期中間試験 基本的な電気理論を説明できる。
半導体やダイオードの特徴を説明できる。
ダイオードを利用した回路の電圧・電流を計算できる。
2ndQ
9週 試験返却・解答、トランジスタと動作特性 バイポーラトランジスタの構成を説明できる。
10週 トランジスタとバイアス回路1 バイアス回路の動作を説明することができる。
11週 トランジスタとバイアス回路2 バイアス値を導出することができる。
12週 トランジスタと交流動作 トランジスタによる増幅回路の動作量を特性図を活用し求めることができる。
13週 トランジスタの等価回路 等価回路を書き出し、利得や入出力インピーダンス等の基本事項を説明できる。
14週 演習問題 バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。
利得や入出力インピーダンス等の基本事項を説明できる。
15週 前期期末試験 バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。
利得や入出力インピーダンス等の基本事項を説明できる。
16週 試験返却・解答、増幅回路の周波数特性1 等価回路をもとに、周波数特性の基本事項を説明できる。
後期
3rdQ
1週 増幅回路の周波数特性2 等価回路をもとに、低域利得や低域遮断周波数を導出できる。
2週 増幅回路の周波数特性3 等価回路をもとに、高域利得や高域遮断周波数を導出できる。
3週 交流回路と特性図1 交流回路と特性図から、各部の信号について説明できる。
4週 交流回路と特性図2 交流回路と特性図から、利得を導出できる。
5週 2段増幅回路 2段増幅回路の等価回路を説明できる。
6週 演習問題演習問題 増幅回路の周波数特性について説明できる。
2段増幅回路の等価回路を説明できる。
7週 JFETと動作特性 JFETの特徴を説明できる。
8週 後期中間試験 増幅回路の周波数特性について説明できる。
2段増幅回路の等価回路を説明できる。
4thQ
9週 試験返却・解答、MOSFETと動作特性 MOSFETの特徴を説明できる。
10週 FETとバイアス回路1 バイアス回路の動作を説明できる。
11週 FETとバイアス回路2 バイアス値を導出することができる。
12週 FETと交流動作 FETによる増幅回路の動作量を特性図を活用し求めることができる。
13週 FETの等価回路 等価回路を書き出し、利得を求め、説明することができる。
14週 演習問題 FETの特徴と等価回路を説明できる。
利得等の基本事項を説明できる。
15週 学年末試験 FETの特徴と等価回路を説明できる。
利得等の基本事項を説明できる。
16週 試験返却・解答 解説と併せて1年間の総括を行う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子回路ダイオードの特徴を説明できる。2前5,前6,前7,前8
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。2前9,前10,前13,前14,前15,前16,後4,後5,後6,後7,後8
FETの特徴と等価回路を説明できる。2後9,後10,後13,後14,後15,後16
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。2前14,前15,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後7,後8,後14,後15,後16
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。2前11,前12,前15,前16,後11,後12,後15,後16

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力70000030100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000