計算機工学Ⅱ

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 計算機工学Ⅱ
科目番号 0042 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 ①春日健,舘泉雄治著:「計算機システム(改訂)」,コロナ社 ②河野清尊著:「C言語によるUNIXシステムプログラミング入門」,オーム社
担当教員 河野 清尊

到達目標

工学への「基礎力」を養うために,計算機システムのソフトウェアに関して次の内容を理解すること.
(1) OSの構成および機能(プロセス管理,メモリ管理,ファイル管理)について説明することができる.
(2) UNIX(Linux)の歴史,特徴,機能,使い方について説明できる.
(3) UNIXシステムプログラミングを理解し,ファイル入出力,プロセスの生成と実行,シグナル処理,プロセス間通信のプログラムを説明することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1OSの構成および機能(プロセス管理,メモリ管理,ファイル管理)について説明することができる.OSの構成および機能(プロセス管理,メモリ管理,ファイル管理)についてある程度説明することができる.OSの構成および機能(プロセス管理,メモリ管理,ファイル管理)について説明することができない.
評価項目2UNIX(Linux)の歴史,特徴,機能,使い方について説明できる.UNIX(Linux)の歴史,特徴,機能,使い方についてある程度説明できる.UNIX(Linux)の歴史,特徴,機能,使い方について説明できない.
評価項目3UNIXシステムプログラミング(ファイル入出力,プロセスの生成と実行,シグナル処理,プロセス間通信)を理解し説明することができる.UNIXシステムプログラミング(ファイル入出力,プロセスの生成と実行,シグナル処理,プロセス間通信)を理解しある程度説明することができる.UNIXシステムプログラミング(ファイル入出力,プロセスの生成と実行,シグナル処理,プロセス間通信)を理解し説明することができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-4 説明 閉じる
JABEE c 説明 閉じる
JABEE d1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本科目は,本校教育目標の「基礎力」を養う科目である.具体的には,計算機システムのソフトウェアに関する基礎知識を習得するもので,オペレーティングシステム(OS)の基本的な機能,UNIX(Linux)の機能と使い方,UNIXシステムプログラミングが行えるようになることをねらいとする.また,情報処理技術者試験の受験のために必要となる知識の習得も目指す.この科目は,企業でマイコンソフトウェア開発環境および基本ソフトウェア(OS,UNIX)の開発を担当していた教員が,その経験を活かし,計算機システムのハードウェア,ソフトウェア,プログラミング,信号処理等について講義形式で授業を行うものである.
授業の進め方・方法:
座学と演習を半々で行う.必要に応じて課題(レポート)を実施する.前期は工学実験実習との関係でOSの講義とUSB Linuxの設定を行う.後期は前期の成果を用いてUNIXシステムプログラミングの講義と演習を行う.試験は 前期中間,前期々末,後期中間,学年末の4回実施する.とにかく,積極的に授業に参加することが肝要である.なお,授業日の放課後17時までをオフィスアワーとするので,質問などがある場合には河野研究室まで来ること.
注意点:
次のような自学自習を60時間以上行うこと.
・授業内容を理解するため,教科書およびあらかじめ配布したプリントで予習する.
・授業内容の理解を深めるため復習を行う.
・毎週ないしは隔週で課題を与えるので,レポートを作成し提出する.
・定期試験の準備を行う.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス,OSの目的,OSの機能と構成 OSの構成および機能(プロセス管理,メモリ管理,ファイル管理)について説明することができる.
2週 UNIXの歴史と特徴 UNIX(Linux)の歴史,特徴,機能,使い方について説明できる.
3週 UNIXの機能と使い方(コマンドライン・インタフェース) UNIX(Linux)の歴史,特徴,機能,使い方について説明できる.
4週 OS プロセス管理 多重プログラミングとタイムシェアリング OSの構成および機能(プロセス管理,メモリ管理,ファイル管理)について説明することができる.
5週 OS プロセス管理 スケジューリング OSの構成および機能(プロセス管理,メモリ管理,ファイル管理)について説明することができる.
6週 OS メモリ管理 主記憶管理基礎 OSの構成および機能(プロセス管理,メモリ管理,ファイル管理)について説明することができる.
7週 OS メモリ管理 ページングと仮想記憶 OSの構成および機能(プロセス管理,メモリ管理,ファイル管理)について説明することができる.
8週 中間までの復習(中間試験) 中間までに習った内容を理解する.
4thQ
9週 OS ファイル管理 ファイル基礎 OSの構成および機能(プロセス管理,メモリ管理,ファイル管理)について説明することができる.
10週 OS ファイル管理 ファイルシステム OSの構成および機能(プロセス管理,メモリ管理,ファイル管理)について説明することができる.
11週 UNIXシステムプログラミング ファイル入出力 講義&演習 UNIXシステムプログラミング(ファイル入出力,プロセスの生成と実行,シグナル処理,プロセス間通信)を理解し説明することができる.
12週 UNIXシステムプログラミング プロセスの生成と実行 講義 UNIXシステムプログラミング(ファイル入出力,プロセスの生成と実行,シグナル処理,プロセス間通信)を理解し説明することができる.
13週 UNIXシステムプログラミング シグナル処理 講義&演習 UNIXシステムプログラミング(ファイル入出力,プロセスの生成と実行,シグナル処理,プロセス間通信)を理解し説明することができる.
14週 UNIXシステムプログラミング ソケットを用いたプロセス間通信 講義 UNIXシステムプログラミング(ファイル入出力,プロセスの生成と実行,シグナル処理,プロセス間通信)を理解し説明することができる.
15週 UNIXシステムプログラミング ソケットを用いたプロセス間通信 演習 UNIXシステムプログラミング(ファイル入出力,プロセスの生成と実行,シグナル処理,プロセス間通信)を理解し説明することができる.
16週 期末試験 期末までに習った内容を理解する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野システムプログラムコンピュータシステムにおけるオペレーティングシステムの位置づけを説明できる。2
プロセス管理やスケジューリングなどCPUの仮想化について説明できる。2
排他制御の基本的な考え方について説明できる。2
記憶管理の基本的な考え方について説明できる。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合75005020100
基礎的能力75005020100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000