電子デバイス

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 電子デバイス
科目番号 0068 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 古川静二郎,萩田陽一郎,浅野種正 著「電子デバイス工学」(第2版) 森北出版
担当教員 角田 直輝

到達目標

1. 電子デバイス材料を構成する電子や原子などの基本的性質を学び、金属や半導体の物性の理解に役立てられる
2. 金属や半導体の物性の理解を基に、pn接合、バイポーラトランジスタ、電界効果トランジスタの動作原理を説明できる
3. 電子制御工学における電子デバイスの位置づけを確認し、科目を学ぶ意義・重要性を説明できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1電子デバイス材料を構成する電子や原子などの基本的性質を学び、金属や半導体の物性の理解に十分役立てられる電子デバイス材料を構成する電子や原子などの基本的性質を学び、金属や半導体の物性の理解にある程度役立てられる電子デバイス材料を構成する電子や原子などの基本的性質を学び、金属や半導体の物性の理解に役立てられない
評価項目2金属や半導体の物性の理解を基に、pn接合、バイポーラトランジスタ、電界効果トランジスタの動作原理を十分説明できる金属や半導体の物性の理解を基に、pn接合、バイポーラトランジスタ、電界効果トランジスタの動作原理をある程度説明できる金属や半導体の物性の理解を基に、pn接合、バイポーラトランジスタ、電界効果トランジスタの動作原理を説明できない
評価項目3電子制御工学における電子デバイスの位置づけを確認し、科目を学ぶ意義・重要性を十分説明できる電子制御工学における電子デバイスの位置づけを確認し、科目を学ぶ意義・重要性をある程度説明できる電子制御工学における電子デバイスの位置づけを確認し、科目を学ぶ意義・重要性を説明できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
「電子デバイス」では、もはや我々の生活になくてはならないトランジスタ、発光ダイオードや太陽電池などの半導体部
品内部において電子などの電気伝導の担い手がどのように振る舞うか、それによって半導体部品の各機能がどのよう
に発現しているのかを学ぶ。本授業は半導体素子開発を行うための「はじめの一歩」になるものであり、5年次の電気電
子材料や電子物性など、電子材料系の科目を学ぶための基礎を提供するものであるので、しっかりと取り組むことを期
待する。
本科目で扱う内容は主に物理I、II、化学I、II、微分積分、電磁気学I、電子回路、応用物理II(電子物理)の基礎の上に成
り立っており、受講初期段階において各科目を習熟していることが期待される。電子物理は先行内容となるので、本授
業でその基礎的内容を含めて扱う。
授業の進め方・方法:
・おもにスライドによる授業を行う。スライドを印刷した講義プリントを配布する。
・授業中は質問を投げかけながら授業を進める。
分からない場合も勇気を出して“分からない”と発言し、分からない点を自覚してほしい。
分からないことが何なのか分かったことは大きな前進なので、すぐにでも復習に取りかかるべきである。
・学習内容における重要点(試験に出題する内容)は授業中にその都度強調するので、メモなどしっかり取って復習に役立ててほしい。

 また,次のような自学自習を60時間以上行うこと。
 ・授業内容を理解するため、予め配布したプリントや教科書で予習する
 ・授業内容の理解を深めるため、復習を行う
 ・課題を与えるので、レポートを作成する
 ・定期試験の準備を行う

質問は随時受け付けるので、ノートと教科書を持って質問しに来ること。
なお、事前にコンタクトしておくと良い。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業のガイダンス、電子デバイスを学ぶ意義の確認 授業のガイダンスを受け、電子デバイスを学ぶ意義の確認ができる
2週 電子・原子の基本的性質、電子のエネルギー準位 電子・原子の基本的性質、電子のエネルギー準位を説明できる
3週 電子デバイスに関係する元素とその電子配置、パウリの排他律 電子デバイスに関係する元素とその電子配置、パウリの排他律を説明できる
4週 結晶、エネルギーバンドの形成、金属・半導体・絶縁体のエネルギーバンド構造の違い 結晶、エネルギーバンドの形成、金属・半導体・絶縁体のエネルギーバンド構造の違いを説明できる
5週 半導体のキャリア、真性半導体、外因性(不純物)半導体と電気伝導 半導体のキャリア、真性半導体、外因性(不純物)半導体と電気伝導を説明できる
6週 キャリア密度とフェルミ準位、状態密度とフェルミ・ディラック分布関数 キャリア密度とフェルミ準位、状態密度とフェルミ・ディラック分布関数を説明できる
7週 電気伝導、移動度、導電率、抵抗率、半導体におけるオームの法則 電気伝導、移動度、導電率、抵抗率、半導体におけるオームの法則を説明できる
8週 中間試験 到達目標の自己確認ができる
2ndQ
9週 接合について、pn接合の電気的役割(整流)、構造 接合について、pn接合の電気的役割(整流)、構造を説明できる
10週 pn接合の動作原理とエネルギーバンド図 pn接合の動作原理とエネルギーバンド図を説明できる
11週 電流ー電圧特性、バイアスの極性と電流の大きさ 電流ー電圧特性、バイアスの極性と電流の大きさを説明できる
12週 バイポーラトランジスタの歴史、バイポーラトランジスタの電気的役割(増幅)、構造 バイポーラトランジスタの歴史、バイポーラトランジスタの電気的役割(増幅)、構造を説明できる
13週 バイポーラトランジスタの動作原理、静特性 バイポーラトランジスタの動作原理、静特性を説明できる
14週 電界効果トランジスタの歴史、電界効果トランジスタの電気的役割(増幅)、構造 電界効果トランジスタの歴史、電界効果トランジスタの電気的役割(増幅)、構造を説明できる
15週 電界効果トランジスタの動作原理、静特性 電界効果トランジスタの動作原理、静特性を説明できる
16週 期末試験 到達目標の自己確認ができる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。3前2,前3,前8,前16
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。3前2,前3,前8,前16
原子の構造を説明できる。3前2,前3,前4,前8,前16
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。3前3,前4,前8,前16
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。3前4,前5,前6,前8,前16
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。3前7,前8,前16
真性半導体と不純物半導体を説明できる。3前5,前8,前16
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。3前4,前5,前8,前16
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。3前9,前10,前11,前16
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。3前12,前13,前16
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。3前14,前15,前16

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力80000020100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000