計算機工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 計算機工学Ⅰ
科目番号 0084 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 ①春日健,舘泉雄治著:「計算機システム(改訂版)」,コロナ社 ②堀桂太郎著:「ディジタル電子回路の基礎」,東京電機大学
担当教員 河野 清尊

到達目標

工学への「基礎力」を養うために,計算機システムのハードウェアに関して次の内容を理解すること.
(1) 計算機システムの概要(機能,構成,動作原理,マイクロプロセッサのアーキテクチャ)について説明することができる.
(2) 数体系(基数の選定と変換,補数,演算法)について説明することができる.
(3) 計算機におけるデータの内部表現(数値、コード,文字、音声、画・図形、動画)について説明することができる.
(4) 論理数学と論理回路(組合せ回路,順序回路)について説明することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1計算機システムの概要(機能,構成,動作原理,マイクロプロセッサのアーキテクチャ)について説明することができる.計算機システムの概要(機能,構成,動作原理,マイクロプロセッサのアーキテクチャ)についてある程度説明することができる.計算機システムの概要(機能,構成,動作原理,マイクロプロセッサのアーキテクチャ)について説明することができない.
評価項目2数体系(基数の選定と変換,補数,演算法)について説明することができる.数体系(基数の選定と変換,補数,演算法)についてある程度説明することができる.数体系(基数の選定と変換,補数,演算法)について説明することができない.
評価項目3計算機におけるデータの内部表現(数値、コード,文字、音声、画・図形、動画)について説明することができる.計算機におけるデータの内部表現(数値、コード,文字、音声、画・図形、動画)についてある程度説明することができる.計算機におけるデータの内部表現(数値、コード,文字、音声、画・図形、動画)について説明することができない.
評価項目4論理数学と論理回路(組合せ回路,順序回路)について説明することができる.論理数学と論理回路(組合せ回路,順序回路)についてある程度説明することができる.論理数学と論理回路(組合せ回路,順序回路)について説明することができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本科目は,本校教育目標の「基礎力」を養う科目である.具体的には,計算機システムのハードウェアに関する基礎知識を習得するもので,計算機システムの機能と構成,動作原理,マイクロプロセッサのアーキテクチャ,数体系と補数・演算法,各種情報(文字,コード,音声,画像・図形,動画)の内部表現,論理数学と論理回路,組合せ回路と順序回路の設計に関する知識の習得をねらいとする.また,情報処理技術者試験の受験のために必要となる知識の習得も目指す.この科目は,企業でマイコンソフトウェア開発環境および基本ソフトウェア(OS,UNIX)の開発を担当していた教員が,その経験を活かし,計算機システムのハードウェア,ソフトウェア,プログラミング,信号処理等について講義形式で授業を行うものである.
授業の進め方・方法:
座学を中心に,必要に応じて演習および課題(レポート)を実施する.授業では,1~3年生の「情報処理Ⅰ・Ⅱ」,「計算機概論」,「ディジタル回路Ⅰ・Ⅱ」での関連する内容の復習を行うとともに,情報処理技術者試験対策の講義も行う.試験は,中間,期末の2回実施する.とにかく,積極的に授業に参加することが肝要である.なお,授業日の放課後17時までをオフィスアワーとするので,質問などがある場合には河野研究室まで来ること.
注意点:
(1)次のような自学自習を60時間以上行うこと.
・授業内容を理解するため,教科書およびあらかじめ配布したプリントで予習する.
・授業内容の理解を深めるため復習を行う.
・毎週ないしは隔週で課題を与えるので,レポートを作成し提出する.
・定期試験の準備を行う.
(2)到達目標に対する達成度を下記の割合で総合評価し,60点以上を合格とする.
・評価点が40点以上60点未満の学生には再試験を実施し,所定の点数に達した場合は合格とし,評価点を60点とする.
・レポート(課題)の提出が期限を遅れた場合にはレポート点を減点する.
・本科目は「基礎力」を養成する科目ではあるが,一方で授業に主体的に取り組むということも技術者として基本的な事項である.そこで,授業態度を「態度」として5点の重みで評価する(普通に取り組で0点 とし,主体的に取り組んだ場合は5% まで加点,取り組まなかった場合については -5% まで減点する).

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス,計算機システムの概要(1) 機能と構成 計算機システムの概要(機能,構成,動作原理,マイクロプロセッサのアーキテクチャ)について説明
することができる.
2週 計算機システムの概要(2) 動作原理,マイクロプロセッサのアーキテクチャ 計算機システムの概要(機能,構成,動作原理,マイクロプロセッサのアーキテクチャ)について説明
することができる.
3週 数体系(1) 基数の選定,基数の変換 数体系(基数の選定と変換,補数,演算法)について説明することができる.
4週 数体系(2) 補数(負の数の表し方),演算法 数体系(基数の選定と変換,補数,演算法)について説明することができる.
5週 データの内部表現(1) 数値(固定小数点方式,浮動小数点方式) 計算機におけるデータの内部表現(数値、コード,文字、音声、画・図形、動画)にいて説明することができる.
6週 データの内部表現(2) 10進数コード,誤り検出・訂正コード 計算機におけるデータの内部表現(数値、コード,文字、音声、画・図形、動画)にいて説明することができる.
7週 データの内部表現(3) 演習 計算機におけるデータの内部表現(数値、コード,文字、音声、画・図形、動画)にいて説明することができる.
8週 中間までの復習(中間試験) 中間までに習った内容を理解する.
4thQ
9週 データの内部表現(4) 文字コード 計算機におけるデータの内部表現(数値、コード,文字、音声、画・図形、動画)にいて説明することができる.
10週 データの内部表現(5) 音声(A/D変換,標本化、量子化,符号化),画像,動画 計算機におけるデータの内部表現(数値、コード,文字、音声、画・図形、動画)にいて説明することができる.
11週 論理数学と論理回路(1) ブール代数,論理関数の標準形 論理数学と論理回路(組合せ回路,順序回路)について説明することができる.
12週 論理数学と論理回路(2) 論理関数の簡略化と組合せ回路の設計 論理数学と論理回路(組合せ回路,順序回路)について説明することができる.
13週 論理数学と論理回路(3) 順序回路の状態遷移表・状態遷移図と同期式順序回路の設計 論理数学と論理回路(組合せ回路,順序回路)について説明することができる.
14週 論理数学と論理回路(4) 演習 論理数学と論理回路(組合せ回路,順序回路)について説明することができる.
15週 定期試験
16週 定期試験解答およびまとめ 期末試験について,自らの問題点を把握し修正できる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野計算機工学整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。2後2,後8
基数が異なる数の間で相互に変換できる。2後2,後8
整数を2進数、10進数、16進数で表現できる。2後4,後8
小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。2後6,後8
基本的な論理演算を行うことができる。2後8
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。2
論理式の簡単化の概念を説明できる。2
簡単化の手法を用いて、与えられた論理関数を簡単化することができる。2
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。2
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。2
組合せ論理回路を設計することができる。2
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。2
レジスタやカウンタなどの基本的な順序回路の動作について説明できる。2
与えられた順序回路の機能を説明することができる。2
順序回路を設計することができる。2
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。2後14
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。2
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。2
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。2
コンピュータアーキテクチャにおけるトレードオフについて説明できる。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合75005020100
基礎的能力75005020100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000