容量分析・重量分析の基本操作や実験ノートの書き方(実験の記録,溶液の濃度計算など),データ処理(有効数字の扱い方など),レポートの作成などを習得するとともに,それぞれにおける分析原理を実験を通じて理解する。具体的には
(1) 中和滴定の原理を理解し,その応用である複成分の塩基の定量ができる。
(2) キレート滴定の原理を理解し,その応用である水の硬度測定ができる。
(3) 重量分析全般について理解し,重量分析法に基づく成分分析ができる。
(4) 酸化・還元およびそれを利用する酸化還元滴定法について理解し,その中の過マンガン酸カリウム法を行うことができる。
概要:
この授業科目は本校の教育目標のうち「応用力」を養う科目である。
分析化学は化学分析の原理と方法とを熟知することである。
(1) 実験を通して化学分析の重要性を把握する。
(2) 化学分析の基礎となるものは物質の性質を調べて明らかにすることである。
(3) 化学分析とは物質の成分及び成分量を調べる操作である。
授業の進め方・方法:
全て実験を行う。
重要な容量分析及び重量分析実験テーマを長時間かけて行う。
実験中の観察結果を記録し,考察する。
注意点:
分析化学に関連して,これまでに学習した化学分析法について復習しておく必要がある。
学習内容について,自主的に復習・予習に努める。
授業での到達目標が達成され,分析化学に関する基礎的な原理とその応用実験が習得されたかを評価する。
成績は実験レポート(70%),実技試験(10%),実験態度(20%)により評価する。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
授業ガイダンス 実験操作について |
学習目標や方法・評価などについて理解できる。 レポートの書き方について理解できる。 実験上の注意や試薬の取扱,器具の取扱・洗浄などを理解できる。
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2週 |
計画 【強酸と弱塩基の滴定】 |
フローチャートの書き方を理解できる。 強酸と弱塩基の滴定についての実験操作を理解し,フローチャートにする事ができる。 中和滴定法を理解し,実験を行う上で必要な濃度や質量などを計算できる。
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3週 |
実験 【強酸と弱塩基の滴定】 |
実験を行う上で,正しい器具の取扱や試薬の取扱ができる。 実験ノートを正しく書くことができる。 実験中必要な計算ができる。
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4週 |
実験 【強酸と弱塩基の滴定】 |
実験を行う上で,正しい器具の取扱や試薬の取扱ができる。 実験ノートを正しく書くことができる。 実験中必要な計算ができる。
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5週 |
実験 【強酸と弱塩基の滴定】 |
実験を行う上で,正しい器具の取扱や試薬の取扱ができる。 実験ノートを正しく書くことができる。 実験中必要な計算ができる。
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6週 |
まとめ 【強酸と弱塩基の滴定】 計画 【Warder法による混合アルカリの定量】 |
レポートの書き方を理解し,正しく書くことができる。 中和滴定法を理解し,酸あるいは塩基の濃度など計算ができる。 Warder法についての実験操作を理解できる。 Warder法を理解し,実験を行う上で必要な濃度や質量などを計算できる。
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7週 |
実験 【Warder法による混合アルカリの定量】 |
実験を行う上で,正しい器具の取扱や試薬の取扱ができる。 実験ノートを正しく書くことができる。 実験中必要な計算ができる。
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8週 |
まとめ 【Warder法による混合アルカリの定量】 計画 【強酸と強塩基の滴定】【弱酸と強塩基の滴定】 |
レポートの書き方を理解し,正しく書くことができる。 Warder法を理解し,濃度などの計算ができる。 強酸と強塩基の滴定,弱酸と強塩基の滴定についての実験操作を理解できる。 強酸と強塩基の滴定,弱酸と強塩基の滴定について理解し,実験を行う上で必要な濃度や質量などを計算できる。
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2ndQ |
9週 |
実験 【強酸と強塩基の滴定】【弱酸と強塩基の滴定】 |
実験を行う上で,正しい器具の取扱や試薬の取扱ができる。 実験ノートを正しく書くことができる。 実験中必要な計算ができる。
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10週 |
実験 【強酸と強塩基の滴定】【弱酸と強塩基の滴定】 |
実験を行う上で,正しい器具の取扱や試薬の取扱ができる。 実験ノートを正しく書くことができる。 実験中必要な計算ができる。
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11週 |
実験 【強酸と強塩基の滴定】【弱酸と強塩基の滴定】 |
実験を行う上で,正しい器具の取扱や試薬の取扱ができる。 実験ノートを正しく書くことができる。 実験中必要な計算ができる。
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12週 |
まとめ 【強酸と強塩基の滴定】【弱酸と強塩基の滴定】 計画 【水の全硬度およびCa硬度測定】 |
レポートの書き方を理解し,正しく書くことができる。 中和滴定法を理解し,濃度などの計算ができる。 水の全硬度およびCa硬度測定についての実験操作を理解できる。 水の全硬度およびCa硬度測定について理解し,実験を行う上で必要な濃度や質量などを計算できる。
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13週 |
実験 【水の全硬度およびCa硬度測定】 |
実験を行う上で,正しい器具の取扱や試薬の取扱ができる。 実験ノートを正しく書くことができる。 実験中必要な計算ができる。
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14週 |
実験 【水の全硬度およびCa硬度測定】 |
実験を行う上で,正しい器具の取扱や試薬の取扱ができる。 実験ノートを正しく書くことができる。 実験中必要な計算ができる。
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15週 |
まとめ 【水の全硬度およびCa硬度測定】 【器具の洗浄,確認,清掃】 |
レポートの書き方を理解し,正しく書くことができる。 キレート滴定を理解し,濃度などの計算ができる。 器具の洗浄,確認,清掃を行うことができる。
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
工場見学 |
工場見学に行き,学んだことを報告できる。
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2週 |
計画 【結晶硫酸銅中の銅の定量】 |
結晶硫酸銅中の銅の定量についての実験操作を理解できる。 結晶硫酸銅中の銅の定量について理解し,実験を行う上で必要な濃度や質量などを計算できる。
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3週 |
実験 【結晶硫酸銅中の銅の定量】 |
実験を行う上で,正しい器具の取扱や試薬の取扱ができる。 実験ノートを正しく書くことができる。 実験中必要な計算ができる。
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4週 |
実験 【結晶硫酸銅中の銅の定量】 |
実験を行う上で,正しい器具の取扱や試薬の取扱ができる。 実験ノートを正しく書くことができる。 実験中必要な計算ができる。
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5週 |
実験 【結晶硫酸銅中の銅の定量】 |
実験を行う上で,正しい器具の取扱や試薬の取扱ができる。 実験ノートを正しく書くことができる。 実験中必要な計算ができる。
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6週 |
実験 【結晶硫酸銅中の銅の定量】 |
実験を行う上で,正しい器具の取扱や試薬の取扱ができる。 実験ノートを正しく書くことができる。 実験中必要な計算ができる。
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7週 |
実験 【結晶硫酸銅中の銅の定量】 |
実験を行う上で,正しい器具の取扱や試薬の取扱ができる。 実験ノートを正しく書くことができる。 実験中必要な計算ができる。
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8週 |
まとめ 【結晶硫酸銅中の銅の定量】 計画 【環境水中のCOD測定】 |
レポートの書き方を理解し,正しく書くことができる。 重量分析を理解し,質量などの計算ができる。 環境水中のCOD測定についての実験操作を理解できる。 環境水中のCOD測定について理解し,実験を行う上で必要な濃度や質量などを計算できる。
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4thQ |
9週 |
実験 【環境水中のCOD測定】 |
実験を行う上で,正しい器具の取扱や試薬の取扱ができる。 実験ノートを正しく書くことができる。 実験中必要な計算ができる。
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10週 |
実験 【環境水中のCOD測定】 |
実験を行う上で,正しい器具の取扱や試薬の取扱ができる。 実験ノートを正しく書くことができる。 実験中必要な計算ができる。
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11週 |
実験 【環境水中のCOD測定】 |
実験を行う上で,正しい器具の取扱や試薬の取扱ができる。 実験ノートを正しく書くことができる。 実験中必要な計算ができる。
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12週 |
実験 【環境水中のCOD測定】 |
実験を行う上で,正しい器具の取扱や試薬の取扱ができる。 実験ノートを正しく書くことができる。 実験中必要な計算ができる。
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13週 |
まとめ 【環境水中のCOD測定】 |
レポートの書き方を理解し,正しく書くことができる。 酸化還元滴定法を理解し,濃度などの計算ができる。
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14週 |
実技試験 |
今まで行った実験に対し,操作,計算法,試薬や器具の取扱について理解し,滞りなく実験を行うことができる。
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15週 |
【器具の洗浄,確認,清掃】 |
器具の洗浄,確認,清掃を行うことができる。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の工学実験・実習能力 | 化学・生物系分野【実験・実習能力】 | 分析化学実験 | 中和滴定法を理解し、酸あるいは塩基の濃度計算ができる。 | 2 | |
酸化還元滴定法を理解し、酸化剤あるいは還元剤の濃度計算ができる。 | 2 | |
キレート滴定を理解し、錯体の濃度の計算ができる。 | 2 | |
分野横断的能力 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。 | 1 | |
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。 | 1 | |
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。 | 1 | |
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。 | 1 | |
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。 | 1 | |
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。 | 1 | |
他者の意見を聞き合意形成することができる。 | 1 | |
合意形成のために会話を成立させることができる。 | 1 | |
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。 | 2 | |
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。 | 2 | |
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。 | 2 | |
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。 | 2 | |
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。 | 2 | |
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる | 2 | |
複数の情報を整理・構造化できる。 | 2 | |
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。 | 2 | |
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。 | 2 | |
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。 | 2 | |
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。 | 2 | |
事実をもとに論理や考察を展開できる。 | 2 | |
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。 | 2 | |
態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | 周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。 | 2 | |
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。 | 2 | |
目標の実現に向けて計画ができる。 | 2 | |
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。 | 2 | |
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。 | 1 | |
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。 | 1 | |
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。 | 1 | |
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。 | 1 | |