分析化学基礎

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 分析化学基礎
科目番号 0015 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 本水昌二ほか,基礎教育シリーズ 分析化学(基礎編) 東京教学社
担当教員 須崎 萌実

到達目標

容量分析・重量分析の分析原理を理解する。具体的には
 (1) 中和滴定の原理を理解し,その応用である複成分の塩基の定量法を説明できる。
 (2) 酸化・還元およびそれを利用する酸化還元滴定法について説明できる。
 (3) キレート滴定の原理を理解し,その応用である水の硬度測定法を説明できる。
 (4) 沈澱滴定の原理を理解し,その応用である塩化物イオンの定量法を説明できる。
 (5) 重量分析全般について理解し,重量分析法に基づく成分分析法を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1中和滴定の原理を理解し,その応用である複成分の塩基の定量法を説明できる。中和滴定の原理を理解し,その応用である複成分の塩基の定量法をある程度説明できる。中和滴定の原理を理解できず,その応用である複成分の塩基の定量法を説明できない。
評価項目2酸化・還元およびそれを利用する酸化還元滴定法について説明できる。酸化・還元およびそれを利用する酸化還元滴定法についてある程度説明できる。酸化・還元およびそれを利用する酸化還元滴定法について説明できない。
評価項目3キレート滴定の原理を理解し,その応用である水の硬度測定法を説明できる。 沈澱滴定の原理を理解し,その応用である塩化物イオンの定量法を説明できる。キレート滴定の原理を理解し,その応用である水の硬度測定法をある程度説明できる。 沈澱滴定の原理を理解し,その応用である塩化物イオンの定量法をある程度説明できる。キレート滴定の原理を理解し,その応用である水の硬度測定法を説明できない。 沈澱滴定の原理を理解し,その応用である塩化物イオンの定量法を説明できない。
評価項目4重量分析全般について理解し,重量分析法に基づく成分分析法を説明できる。重量分析全般について理解し,重量分析法に基づく成分分析法をある程度説明できる。重量分析全般について理解し,重量分析法に基づく成分分析法を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この講義は本校の教育目標のうち,「基礎力」を養う科目である。
分析化学で必要とされる溶液内の化学反応ならびに化学平衡に関する考え方を十分に理解する。
授業の進め方・方法:
全て座学で行う。
化学分析の手法で必要とされる化学反応および関係する重要項目について,講義と演習・小テスト・レポート提出等を行う。
注意点:
分析化学に関連して,これまでに学習した化学分析法について復習しておく必要がある。
学習内容について,自主的に復習・予習に努める。
授業計画は学生の理解度に応じて変更する場合がある。
授業での到達目標が達成され,分析化学に関する基本的な原理の理解とその応用が習得されたかを評価する。
成績は定期試験(70%),レポート(30%)により評価する。なお,原則として再試は行わない。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業ガイダンス 学習目標や方法・評価などについて理解できる。
2週 容量分析 容量分析について理解できる。
3週 化学平衡 酸・塩基の定義について理解できる。
化学平衡について原理を理解し,物質量に関する計算ができる。
4週 電離平衡 電離度・電離平衡について原理を理解し,物質量に関する計算ができる。
強酸,強塩基および弱酸,弱塩基についての各種平衡について説明できる。
5週 中和滴定(水素イオン濃度とpH,中和反応) 水素イオン濃度,pHについて理解し,濃度からpHへの計算ができる。
中和反応について原理を理解し,酸及び塩基濃度の計算ができる。
6週 中和滴定(中和滴定と滴定曲線) 中和滴定について原理を理解し,酸及び塩基濃度の計算ができる。
中和滴定曲線について理解し,説明できる。
7週 演習 これまで行った内容(容量分析,化学平衡,電離平衡,中和滴定)について理解し,問題を解くことができる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 中和滴定(塩,加水分解) 塩の種類や性質,加水分解について理解し,説明できる。
10週 中和滴定(緩衝液とpH) 緩衝溶液とpHの関係について説明できる。
11週 酸化還元滴定(酸化と還元,酸化数) 酸化と還元について原理を理解し,説明できる。
酸化数について理解し,説明,計算ができる。
12週 酸化還元滴定(酸化剤と還元剤) 酸化剤と還元剤について理解し,説明できる。
13週 酸化還元滴定(酸化還元滴定) 酸化還元滴定について原理を理解し,酸化剤及び還元剤の濃度計算ができる。
反応式が書ける。
14週 酸化還元滴定(酸化還元滴定) 酸化還元滴定について原理を理解し,酸化剤及び還元剤の濃度計算ができる。
15週 演習 これまで行った内容(中和滴定,酸化還元滴定)について理解し,問題を解くことができる。
16週 前期期末試験
後期
3rdQ
1週 キレート滴定(錯体) 錯体について原理を理解し,説明できる。
錯体の結合について理解し,説明できる。
2週 キレート滴定(キレート) キレートについて理解し,説明できる。
3週 キレート滴定(キレート) HSAB理論,マスキングなどについて理解し,説明できる。
4週 キレート滴定(キレート滴定) キレート滴定について原理を理解し,金属イオンの濃度計算ができる。
5週 沈殿滴定(沈殿生成反応,沈殿滴定) 沈殿生成反応について原理を理解し,説明できる。
6週 沈殿滴定(沈殿滴定) 沈殿滴定について原理を理解し,説明,計算ができる。
7週 演習 これまで行った内容(キレート滴定,沈殿滴定)について理解し,問題を解くことができる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 重量分析(重量分析とは) 重量分析について原理を理解し,説明できる。
10週 重量分析(溶解度と溶解度積) 溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。
11週 重量分析(溶解度と溶解度積) 溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。
12週 重量分析(溶解度と溶解度積) 溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。
13週 重量分析(分析方法) 沈殿による物質の分離方法について理解し,説明,計算ができる。
14週 重量分析(分析方法) 沈殿による物質の分離方法について理解し,説明,計算ができる。
15週 演習 これまで行った内容(重量分析)について理解し,問題を解くことができる。
16週 学年末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野分析化学いくつかの代表的な陽イオンや陰イオンの定性分析のための化学反応について理解できる。1
溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。1後10,後11,後12
沈殿による物質の分離方法について理解し、化学量論から沈殿量の計算ができる。1後13,後14
強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。1前4,前7
強酸、強塩基、弱酸、弱塩基、弱酸の塩、弱塩基の塩のpHの計算ができる。1前5,前7
緩衝溶液とpHの関係について説明できる。1前10,前15
錯体の生成について説明できる。1後1,後7
陽イオンや陰イオンの関係した化学反応について理解し、溶液中の物質の濃度計算(定量計算)ができる。1前2,前3,前4,前5,前6,前7,後6,後7,後10,後11,後12,後14,後15
中和滴定についての原理を理解し、酸及び塩基濃度の計算ができる。1前5,前7
酸化還元滴定についての原理を理解し、酸化剤及び還元剤の濃度計算ができる。1前13,前14,前15
キレート滴定についての原理を理解し、金属イオンの濃度計算ができる。1後4,後7

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力0000000
専門的能力70000030100
分野横断的能力0000000