生化学・微生物学基礎実験

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 生化学・微生物学基礎実験
科目番号 0040 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 物質工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 各実験とも作成したテキストを配布する
担当教員 村田 和加惠,遠藤 路子

到達目標

生体物質・微生物の取扱いにおける基礎知識を習得する。
(1)単離・精製に関する基礎知識の習得
(2)同定法に関する基礎知識の習得
(3)機能と利用方法に関する基礎知識の習得

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1単離・精製に関する基礎知識を習得し、応用できる単離・精製に関する基礎知識を習得できた単離・精製に関する基礎知識を得ることができない
評価項目2同定法に関する基礎知識を習得し、応用できる同定法に関する基礎知識を習得できた同定法に関する基礎知識を得ることができない
評価項目3機能と利用方法に関する基礎知識を習得し、応用できる機能と利用方法に関する基礎知識を習得できた機能と利用方法に関する基礎知識を得ることができない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B 説明 閉じる

教育方法等

概要:
近年、環境に対する意識の高まりの中、化学工業分野での生体資源の利用が活発になされるようになってきた。工業技術者においては、生体資源の取扱いに関する知識が必要不可欠になりつつある。本実験では、生体成分や微生物の取扱いや利用方法に関する基礎知識を習得することを目的とする。 
授業の進め方・方法:
クラスを半分に分けて、生化学基礎実験と微生物基礎実験をオムニバス形式で行う(前期、後期で交替)。
それぞれの実験において行った手技と結果は、実験ノートに詳細に書き留めるようにすること。
注意点:
レポート点(80%)と出席点・実験態度(20%)で評価する。実験態度は「主体的に取り組んだ者20%、普通に取り組んだ者10%、消極的だった者0%」とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス(授業の進め方、実験上の諸注意) 器具、機器の取り扱い、レポートの作成方法について理解する
2週 生体構成物質および実験概要の説明1 3週~5週の内容について調査、および使用試薬を調整する
3週 糖質の反応 糖質の反応について理解する
4週 アミラーゼによるデンプンの分解と分子透析膜による分離 デンプンの分解と酵素について理解する
5週 アミノ酸の反応 アミノ酸の反応について理解する
6週 生体構成物質および実験概要の説明2 7週~9週の内容について調査、および使用試薬を調整する
7週 タンパク質の反応 タンパク質の反応について理解する
8週 タンパク質の分離と定量 タンパク質の分離と定量について理解する
2ndQ
9週 酵素の特性 酵素の特性について理解する
10週 レポート作成 9週目までの実験についてのレポート作成および再提出
11週 生体構成物質および実験概要の説明3 12週~15週までの内容について調査、および使用試薬の調整
12週 脂質の物理化学的性質 脂質の物理化学的性質について理解する
13週 油脂の酸価 油脂の酸価について理解する
14週 核酸の反応 核酸の反応について理解する
15週 豚脾臓からのDNAの単離 生体物質からDNAの単離方法を理解する
16週 レポート作成 10項目の実験についてのレポート作成および再提出
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 器具、機器の取り扱い、レポートの作成方法について理解する
2週 糸状菌と酵母の培養と肉眼観察、顕微鏡観察1 糸状菌と酵母を用いて無菌操作および顕微鏡観察について理解・習得する
3週 糸状菌と酵母の培養と肉眼観察、顕微鏡観察2 糸状菌と酵母を用いて無菌操作および顕微鏡観察について理解・習得する
4週 4~10週目の実験計画説明 6週~10週の内容について調査、および使用試薬を調整する
5週 放線菌の土壌からの分離(純粋分離)1 土壌菌および抗生物質について理解する
6週 放線菌の土壌からの分離(純粋分離)2 土壌菌および抗生物質について理解する
7週 放線菌の土壌からの分離(純粋分離)3 土壌菌および抗生物質について理解する
8週 放線菌の抗生物質生産(抗菌活性試験)1 土壌菌および抗生物質について理解する
4thQ
9週 放線菌の抗生物質生産(抗菌活性試験)2 土壌菌および抗生物質について理解する
10週 放線菌の抗生物質生産(抗菌活性試験)3 土壌菌および抗生物質について理解する
11週 レポート作成および実験計画 6週~10週の内容について調査、および使用試薬を調整する
12週 乳酸発酵 乳酸発酵について学習、理解する
13週 乳酸発酵 乳酸発酵について学習、理解する
14週 乳酸発酵 乳酸発酵について学習、理解する
15週 乳酸発酵 乳酸発酵について学習、理解する
16週 レポート作成 11週~14週週目までの実験についてのレポート作成および再提出

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】生物工学実験光学顕微鏡を取り扱うことができ、生物試料を顕微鏡下で観察することができる。2後2,後3
滅菌・無菌操作をして、微生物を培養することができる。2後2,後3
適切な方法や溶媒を用いて、生物試料から目的の生体物質を抽出し、ろ過や遠心分離等の簡単な精製ができる。2
酵素の活性を定量的または定性的に調べることができる。2
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能他者の意見を聞き合意形成することができる。2
合意形成のために会話を成立させることができる。2
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。2前1,後1
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。2前1,後1
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。2前1,後1
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。2前1,前15,前16,後1
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。2前1,後1
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる2後11
複数の情報を整理・構造化できる。2後11
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。2
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。2
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。2
事実をもとに論理や考察を展開できる。2
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。2
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。2後5
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。2
目標の実現に向けて計画ができる。2
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。2
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。2後12
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。2
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。2後12
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他レポート合計
総合評価割合000002080100
基礎的能力00000000
専門的能力00000104050
分野横断的能力00000104050