概要:
近年、環境に対する意識の高まりの中、化学工業分野での生体資源の利用が活発になされるようになってきた。工業技術者においては、生体資源の取扱いに関する知識が必要不可欠になりつつある。本実験では、生体成分や微生物の取扱いや利用方法に関する基礎知識を習得することを目的とする。
授業の進め方・方法:
クラスを半分に分けて、生化学基礎実験と微生物基礎実験をオムニバス形式で行う(前期、後期で交替)。
それぞれの実験において行った手技と結果は、実験ノートに詳細に書き留めるようにすること。
注意点:
レポート点(80%)と出席点・実験態度(20%)で評価する。実験態度は「主体的に取り組んだ者20%、普通に取り組んだ者10%、消極的だった者0%」とする。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス(授業の進め方、実験上の諸注意) |
器具、機器の取り扱い、レポートの作成方法について理解する
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2週 |
生体構成物質および実験概要の説明1 |
3週~5週の内容について調査、および使用試薬を調整する
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3週 |
糖質の反応 |
糖質の反応について理解する
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4週 |
アミラーゼによるデンプンの分解と分子透析膜による分離 |
デンプンの分解と酵素について理解する
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5週 |
アミノ酸の反応 |
アミノ酸の反応について理解する
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6週 |
生体構成物質および実験概要の説明2 |
7週~9週の内容について調査、および使用試薬を調整する
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7週 |
タンパク質の反応 |
タンパク質の反応について理解する
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8週 |
タンパク質の分離と定量 |
タンパク質の分離と定量について理解する
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2ndQ |
9週 |
酵素の特性 |
酵素の特性について理解する
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10週 |
レポート作成 |
9週目までの実験についてのレポート作成および再提出
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11週 |
生体構成物質および実験概要の説明3 |
12週~15週までの内容について調査、および使用試薬の調整
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12週 |
脂質の物理化学的性質 |
脂質の物理化学的性質について理解する
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13週 |
油脂の酸価 |
油脂の酸価について理解する
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14週 |
核酸の反応 |
核酸の反応について理解する
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15週 |
豚脾臓からのDNAの単離 |
生体物質からDNAの単離方法を理解する
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16週 |
レポート作成 |
10項目の実験についてのレポート作成および再提出
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後期 |
3rdQ |
1週 |
ガイダンス |
器具、機器の取り扱い、レポートの作成方法について理解する
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2週 |
糸状菌と酵母の培養と肉眼観察、顕微鏡観察1 |
糸状菌と酵母を用いて無菌操作および顕微鏡観察について理解・習得する
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3週 |
糸状菌と酵母の培養と肉眼観察、顕微鏡観察2 |
糸状菌と酵母を用いて無菌操作および顕微鏡観察について理解・習得する
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4週 |
4~10週目の実験計画説明 |
6週~10週の内容について調査、および使用試薬を調整する
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5週 |
放線菌の土壌からの分離(純粋分離)1 |
土壌菌および抗生物質について理解する
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6週 |
放線菌の土壌からの分離(純粋分離)2 |
土壌菌および抗生物質について理解する
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7週 |
放線菌の土壌からの分離(純粋分離)3 |
土壌菌および抗生物質について理解する
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8週 |
放線菌の抗生物質生産(抗菌活性試験)1 |
土壌菌および抗生物質について理解する
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4thQ |
9週 |
放線菌の抗生物質生産(抗菌活性試験)2 |
土壌菌および抗生物質について理解する
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10週 |
放線菌の抗生物質生産(抗菌活性試験)3 |
土壌菌および抗生物質について理解する
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11週 |
レポート作成および実験計画 |
6週~10週の内容について調査、および使用試薬を調整する
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12週 |
乳酸発酵 |
乳酸発酵について学習、理解する
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13週 |
乳酸発酵 |
乳酸発酵について学習、理解する
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14週 |
乳酸発酵 |
乳酸発酵について学習、理解する
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15週 |
乳酸発酵 |
乳酸発酵について学習、理解する
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16週 |
レポート作成 |
11週~14週週目までの実験についてのレポート作成および再提出
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の工学実験・実習能力 | 化学・生物系分野【実験・実習能力】 | 生物工学実験 | 光学顕微鏡を取り扱うことができ、生物試料を顕微鏡下で観察することができる。 | 2 | 後2,後3 |
滅菌・無菌操作をして、微生物を培養することができる。 | 2 | 後2,後3 |
適切な方法や溶媒を用いて、生物試料から目的の生体物質を抽出し、ろ過や遠心分離等の簡単な精製ができる。 | 2 | |
酵素の活性を定量的または定性的に調べることができる。 | 2 | |
分野横断的能力 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 他者の意見を聞き合意形成することができる。 | 2 | |
合意形成のために会話を成立させることができる。 | 2 | |
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。 | 2 | 前1,後1 |
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。 | 2 | 前1,後1 |
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。 | 2 | 前1,後1 |
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。 | 2 | 前1,前15,前16,後1 |
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。 | 2 | 前1,後1 |
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる | 2 | 後11 |
複数の情報を整理・構造化できる。 | 2 | 後11 |
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。 | 2 | |
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。 | 2 | |
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。 | 2 | |
事実をもとに論理や考察を展開できる。 | 2 | |
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。 | 2 | |
態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | 周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。 | 2 | 後5 |
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。 | 2 | |
目標の実現に向けて計画ができる。 | 2 | |
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。 | 2 | |
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。 | 2 | 後12 |
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。 | 2 | |
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。 | 2 | 後12 |
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。 | 2 | |