物理化学基礎

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 物理化学基礎
科目番号 0044 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 アトキンス「アトキンス物理化学要論 第7版」東京化学同人
担当教員 青木 薫

到達目標

熱力学に関する基礎的な語句を説明でき、簡単な計算ができる。
電気化学に関する基礎的な語句を説明でき、簡単な計算ができる。
反応速度に関する語句を説明でき、簡単な計算ができる。
古典物理学と量子力学の違いを説明できる。

ルーブリック

ExcellentGoodSatisfactoryPassingFailure
理解度試験問題の90%以上に正解試験問題の80-89%に正解試験問題の70-79%に正解試験問題の60-69%に正解試験問題の正解率が60%未満

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本講義では、1年間を通して物理化学の全分野を概観する。まず、「物理化学」という初出の学問に慣れることを目指し、関係する専門用語を中心に解説していく。
授業の進め方・方法:
物理化学を広く網羅することが目的のため授業の進度は速い。日々の予習復習を怠らないことを望む。
注意点:
演習問題レポートに未提出がある場合、試験の結果にかかわらず評価は不可である。ルーブリックに従って定期試験の結果から評価点を算出する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週
2週
3週
4週
5週
6週
7週
8週
2ndQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週
後期
3rdQ
1週 ガイダンス・物理化学に関する基本概念・気体 物理化学の基本的な立場について説明できる。
気体の状態方程式について説明できる
2週 熱力学第一法則その1 熱力学第一法則の基礎的な事柄について説明ができる。
3週 熱力学第一法則その2 エンタルピーの計算ができる。
4週 熱力学第二・第三法則その1 熱力学第二・第三法則の基礎的な事柄について説明できる
5週 熱力学第二・第三法則その2 エントロピー及び自由エネルギーの計算ができる。
6週 自由エネルギーと化学ポテンシャル・化学平衡 自由エネルギーと化学ポテンシャルの基礎的な事柄について説明できる
7週 相平衡 一成分系の相平衡について相図を使って説明できる。
8週 後期中間試験までの復習(後期中間試験) 後期中間試験までの学習内容を理解している。
4thQ
9週 混合物 ラウールの法則とずれ、ヘンリーの法則について説明できる。
束一的性質について説明できる。
10週 化学平衡 化学平衡に関する基礎的な計算ができる。
ル・シャトリエの法則について説明できる。
11週 電気化学とイオン溶液 電気化学の基礎的な反応が説明できる。
12週 化学反応速度 反応速度の定義を説明できる。
2次反応までの微分反応速度式と積分反応速度式を書くことができる。
半減期と時定数を説明できる。
13週 総合演習1 12週までの内容を総合した演習
14週 総合演習2 12週までの内容を総合した演習
15週 学年末試験までの復習(学年末試験) 学年末試験までの学習内容を理解している。
16週 まとめ
量子論の基礎
試験の確認と総合的な振り返り 原子スペクトル、光電効果、電子回折、ド・ブロイ波、不確定性原理など量子にまつわる現象を説明できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学放射線の種類と性質を説明できる。1
放射性元素の半減期と安定性を説明できる。1
年代測定の例として、C14による時代考証ができる。1
核分裂と核融合のエネルギー利用を説明できる。1
気体の法則を理解して、理想気体の方程式を説明できる。1後2
気体の分子速度論から、圧力を定義して、理想気体の方程式を証明できる。1後2
実在気体の特徴と状態方程式を説明できる。1後2
臨界現象と臨界点近傍の特徴を説明できる。1
混合気体の分圧の計算ができる。1
純物質の状態図(P-V、P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。1
2成分の状態図(P-x、y、T-x、y)を理解して、気液平衡を説明できる。1
束一的性質を説明できる。1
蒸気圧降下、沸点上昇より、溶質の分子量を計算できる。1
凝固点降下と浸透圧より、溶質の分子量を計算できる。1
相律の定義を理解して、純物質、混合物の自由度(温度、圧力、組成)を計算し、平衡状態を説明できる。1
熱力学の第一法則の定義と適用方法を説明できる。1後3
エンタルピーの定義と適用方法を説明できる。1
化合物の標準生成エンタルピーを計算できる。1
エンタルピーの温度依存性を計算できる。1
内部エネルギー、熱容量の定義と適用方法を説明できる。1
平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。1後5,後6
諸条件の影響(ルシャトリエの法則)を説明できる。1
均一および不均一反応の平衡を説明できる。1
熱力学の第二・第三法則の定義と適用方法を説明できる。1後4
純物質の絶対エントロピーを計算できる。1
化学反応でのエントロピー変化を計算できる。1
化合物の標準生成自由エネルギーを計算できる。1後5
反応における自由エネルギー変化より、平衡定数・組成を計算できる。1
平衡定数の温度依存性を計算できる。1
気体の等温、定圧、定容および断熱変化のdU、W、Qを計算できる。1
反応速度の定義を理解して、実験的決定方法を説明できる。1後7
反応速度定数、反応次数の概念を理解して、計算により求めることができる。1後7
微分式と積分式が相互に変換できて半減期が求められる。1
連続反応、可逆反応、併発反応等を理解している。1
律速段階近似、定常状態近似等を理解し、応用できる。1
電池反応と電気分解を理解し、実用例を説明できる。1後7

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力10000000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000