到達目標
１．高分子化合物と低分子化合物の相違点を理解し，高分子化合物の基本概念および構造や性質などの特徴を説明できる。
２．代表的な重合反応の種類を説明し，代表的な高分子化合物がどのような重合反応によって得られるかを説明できる。
３．重縮合，重付加，ラジカル重合などの反応機構を説明できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
| 評価項目1 | 高分子化合物と低分子化合物の相違点を理解し，高分子化合物の基本概念および構造や性質などの特徴を説明できる。 | 高分子化合物と低分子化合物の相違点をある程度理解し，高分子化合物の基本概念および構造や性質などの特徴をある程度説明できる。 | 高分子化合物と低分子化合物の相違点を理解し，高分子化合物の基本概念および構造や性質などの特徴を説明できない。 |
| 評価項目2 | 代表的な重合反応の種類を説明し，代表的な高分子化合物がどのような重合反応によって得られるかを説明できる。 | 代表的な重合反応の種類をある程度説明し，代表的な高分子化合物がどのような重合反応によって得られるかをある程度説明できる。 | 代表的な重合反応の種類を説明し，代表的な高分子化合物がどのような重合反応によって得られるかを説明できない。 |
| 評価項目3 | 重縮合，重付加，ラジカル重合などの反応機構を説明できる。 | 重縮合，重付加，ラジカル重合などの反応機構をある程度説明できる。 | 重縮合，重付加，ラジカル重合などの反応機構を説明できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
高分子化学は戦後著しく発展した化学であり，この技術を用いた高分子材料なくして現代社会は生活できないと言っても過言ではない。そこで，本講義では低分子化合物との相違点から，分子化学の基本概念となる構造および物性等を講義する。また，高分子化合物の基礎的な各合成反応について講義を行い，構造および物性の特徴を合わせて説明することにより理解を深める。
授業の進め方・方法:
高分子化学は有機化学の応用でもあるので，有機化学の復習も行い，関連性を説明しながら講義を行う。また，物理化学的要素を含む内容を講義するときは，適宜プリントを用いて補足を行いながら進める。さらに，理解を深めるためにレポートで演習を行う。
座学を中心に進めるが，わからないところは積極的に質問し，講義に参加して欲しい。また，これ以外にも，質問は昼休憩中や放課後に研究室で随時受け付ける。
注意点:
他人のレポートを写して提出した場合は，写した学生も写させた学生も減点する。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
| 前期 |
| 1stQ |
| 1週 |
授業ガイダンス
身の回りの高分子化合物 |
高分子化合物でできている身近な例を挙げることができる。
|
| 2週 |
高分子化合物の定義 |
高分子化合物がどのようなものかを説明できる。
|
| 3週 |
高分子の分類
|
高分子化合物の分類を説明できる。
|
| 4週 |
高分子の分子量
|
分子量が大きいことによる影響が説明できる。
|
| 5週 |
平均分子量
|
高分子の分子量の特徴を説明できる。
平均分子量を求めることができる。
|
| 6週 |
高分子の結晶構造
|
高分子の結晶構造を説明できる。
|
| 7週 |
高分子の熱的性質
|
高分子の熱的性質を説明できる。
|
| 8週 |
高分子の力学的性質
高分子の溶解機構 |
高分子の分子量や結晶構造と力学的性質の関係を説明できる。
高分子の溶解機構を説明できる。
|
| 2ndQ |
| 9週 |
高分子の溶解性
高分子の合成法 |
高分子の溶解性を説明できる。
重合反応の種類について説明できる。
|
| 10週 |
重縮合 |
重縮合の素反応を説明できる。
アミド化，エステル化が説明できる。
|
| 11週 |
ナイロンの合成反応 |
代表的なナイロンの命名ができる。
代表的なナイロンの合成を説明できる。
|
| 12週 |
飽和ポリエステルの合成反応
不飽和ポリエステルの合成反応 |
代表的なポリエステルの合成を説明できる。
不飽和ポリエステルの合成を説明できる。
飽和ポリエステルと不飽和ポリエステルの相違点を説明できる。
|
| 13週 |
アラミド・ポリ尿素の合成反応 |
ナイロンとアラミドの相違点を説明できる。
代表的なアラミドおよびポリ尿素の合成を説明できる。
|
| 14週 |
重縮合の重合度 |
重縮合の数平均重合度を求めることができる。
|
| 15週 |
中間試験 |
|
| 16週 |
|
|
| 後期 |
| 3rdQ |
| 1週 |
脱離重合 |
脱離重合を説明できる。
重縮合と脱離重合の共通点・相違点を説明できる。
|
| 2週 |
重付加 |
重付加を説明できる。
重付加と重縮合，脱離重合の共通点・相違点を説明でき，反応式から区別ができる。
|
| 3週 |
付加縮合 |
フェノール・ホルムアルデヒド樹脂の合成反応を説明できる。
|
| 4週 |
フェノール・ホルムアルデヒド樹脂の合成反応
ラジカルとは |
フェノール・ホルムアルデヒド樹脂の架橋反応を説明できる。
σ結合とπ結合を用いてラジカルを説明できる。
|
| 5週 |
ラジカル重合の素反応 |
ラジカル重合が４つの素反応で構成されていることを説明できる。
ラジカル重合で合成できる代表的な高分子を説明できる。
|
| 6週 |
ラジカル重合（開始反応） |
代表的な開始剤を用いた開始反応を説明できる。
|
| 7週 |
ラジカル重合（開始反応） |
代表的な開始剤を用いた開始反応を説明できる。
|
| 8週 |
ラジカル重合（生長反応） |
生長反応を説明できる。
共鳴と構造の関係を説明できる。
|
| 4thQ |
| 9週 |
ラジカル重合（停止反応） |
停止反応を説明できる。
|
| 10週 |
ラジカル重合（連鎖移動反応） |
テロメル化反応を説明できる。
|
| 11週 |
ラジカル重合（連鎖移動反応） |
連鎖移動反応を説明できる。
|
| 12週 |
ラジカル重合（禁止と抑制） |
代表的な重合禁止剤の効果を説明できる。
|
| 13週 |
ラジカル重合（禁止と抑制） |
代表的な重合禁止剤による重合の抑制反応を説明できる。
|
| 14週 |
高分子反応 |
高分子反応の特徴を説明できる。
|
| 15週 |
期末試験 |
|
| 16週 |
振り返り・到達目標の確認 |
授業を振り返り，学習内容を再確認する。
|
モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
| 分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
| 専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 有機化学 | σ結合とπ結合について説明できる。 | 2 | |
| 共鳴構造について説明できる。 | 2 | |
| 代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。 | 2 | |
| 高分子化合物がどのようなものか説明できる。 | 2 | |
| 代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。 | 2 | |
| 高分子の分子量、一次構造から高次構造、および構造から発現する性質を説明できる。 | 2 | |
| 高分子の熱的性質を説明できる。 | 2 | |
| 重合反応について説明できる。 | 2 | |
| 重縮合・付加重合・重付加・開環重合などの代表的な高分子合成反応を説明でき、どのような高分子がこの反応によりできているか区別できる。 | 2 | |
| ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の反応を説明できる。 | 2 | |
| ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の特徴を説明できる。 | 2 | |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | レポート | 合計 |
| 総合評価割合 | 70 | 0 | 0 | 0 | 0 | 30 | 100 |
| 基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 専門的能力 | 70 | 0 | 0 | 0 | 0 | 30 | 100 |
| 分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |