化学工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 化学工学Ⅰ
科目番号 0063 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 化学工学概論/小菅人慈 実教出版
担当教員 藤井 貴敏

到達目標

(1)層流・乱流の概念を理解し、Re数の計算やエネルギー収支の計算ができる。
(2)気液平衡の概念を理解し、蒸留塔の基本的な設計をすることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1適切な公式を用いて計算することができる。流体の流れの概念について説明できる。適切な公式を用いて計算をすることができる。流体の流れの概念について概ね説明できる。適切な公式を用いて計算をすることができない。
評価項目2気液平衡の概念を理解し,説明することができる。蒸留の原理が説明でき,蒸留塔の理論段数を求めることができる。気液平衡の概念を理解しできている。蒸留の原理が説明でき,蒸留塔の理論段数を求めることができる。気液平衡の概念を理解しできている。蒸留塔の理論段数を求めることができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-4 説明 閉じる

教育方法等

概要:
化学工学は、化学工業、製薬工業、食品工業、エネルギー・環境工業等における化学プロセスを取り扱う上で不可欠な学問である。種々の化学プロセスでは拡散による物質移動などを伴った様々な単位操作があり、これらは化学プラント設計上重要である。本講義では、化学プラント設計の基礎となる物質移動などの移動現象論を修得し、蒸留塔などの基本的な設計法を学ぶ。
授業の進め方・方法:
覚えることよりも原理や数式の意味の理解に重点をおく。化学プロセス現象を数式化し、普遍的かつ体系的な観点から理解する。
オフィスアワー 木曜日放課後(昼休み、放課後には随時質問を受け付ける)。
授業内容を理解するため、教科書およびビデオ教材を用いる。
また、次のような自学自習を60時間以上行うこと。
 ・授業内容を理解するため、予め配布したプリントや教科書で予習する。
 ・授業内容の理解を深めるため、復習を行う。
 ・課題を与えるので、レポートを作成する。
 ・定期試験の準備を行う。
注意点:
到達目標に対する達成度を下記の割合で総合評価し,60点以上を合格とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 授業ガイダンス、移動現象(物質移動) ニュートンの粘性法則について理解する。
2週 移動現象(熱移動、運動量移動) フーリエの法則,フィックの法則について理解する。
3週 流れの状態とレイノルズ数 層流乱流の概念を説明できる。レイノルズ数の計算ができる。
4週 流れのエネルギー収支 ベルヌーイの式について理解する。
5週 直管の摩擦損失 ファニングの式を用いて計算ができる。
6週 流体輸送の動力 ポンプの所用動力を計算することができる。
7週 円管内の摩擦損失 層流と乱流によるエネルギー損失の違いについて理解する。ベルヌーイの式を変形して,所用動力を計算することができる。
8週 円管内の摩擦損失 層流と乱流によるエネルギー損失の違いについて理解する。ベルヌーイの式を変形して,所用動力を計算することができる。
4thQ
9週 蒸留の原理、二成分系の気液平衡 気液平衡について理解できる。
10週 x,y線図とt-x,y線図 x,y線図とt-x,y線図について理解できる。
11週 ラウールの法則、単蒸留、フラッシュ蒸留 二成分系におけるモル分率よ分圧の関係を説明できる。単蒸留とフラッシュ蒸留の違いを説明できる。
12週 ラウールの法則、単蒸留、フラッシュ蒸留 二成分系におけるモル分率よ分圧の関係を説明できる。単蒸留とフラッシュ蒸留の違いを説明できる。
13週 蒸留塔、連続精留の原理,理論段数 連続蒸留の原理を説明できる。マッケーブシール法を用いて理論段数が計算できる。
14週 蒸留塔、連続精留の原理,理論段数 連続蒸留の原理を説明できる。マッケーブシール法を用いて理論段数が計算できる。
15週 後期末試験 これまでの内容を理解する。
16週 学習のまとめ これまでの内容を理解し、自らの課題を認識し修正できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野化学工学SI単位への単位換算ができる。3後3,後16
物質の流れと物質収支についての計算ができる。3後3,後16
化学反応を伴う場合と伴わない場合のプロセスの物質収支の計算ができる。2後3,後16
管径と流速・流量・レイノルズ数の計算ができ、流れの状態(層流・乱流)の判断ができる。3後1,後3,後16
流れの物質収支の計算ができる。3後1,後2,後16
流れのエネルギー収支やエネルギー損失の計算ができる。3後4,後5,後6,後7,後16
流体輸送の動力の計算ができる。3後4,後5,後6,後7,後16
蒸留の原理について理解できる。3後8,後9,後10,後16
単蒸留、精留・蒸留装置について理解できる。3後9,後16
蒸留についての計算ができる(ラウールの法則、マッケーブシール法等)。3後10,後16
バッチ式と連続式反応装置について特徴や用途を理解できる。1後14,後16

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力4000001050
専門的能力2000001030
分野横断的能力200000020