無機化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 無機化学Ⅱ
科目番号 0069 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 合原ほか「現代の無機化学」三共出版/合原ほか「無機化学演習」三共出版
担当教員 竹中 敦司

到達目標

(1)酸と塩基の概念を把握し,弱酸・弱塩基,塩の水溶液,および緩衝液のpH計算ができる。
(2)錯体の定義、命名等の基礎的な用語と、錯体の構造や色について理論に基づいて説明できる。
(3)遷移元素とその化合物について説明し、利用できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1酸と塩基の概念を把握し,弱酸・弱塩基,塩の水溶液,および緩衝液のpH計算ができる。おおむね酸と塩基の概念を把握し,弱酸・弱塩基,塩の水溶液,および緩衝液のpH計算ができる。酸と塩基の概念を把握し,弱酸・弱塩基,塩の水溶液,および緩衝液のpH計算ができない。
評価項目2錯体の定義、命名等の基礎的な用語と、錯体の構造や色について理論に基づいて説明できる。錯体の定義、命名等の基礎的な用語と、錯体の構造や色について理論に基づいてほぼ説明できる。錯体の定義、命名等の基礎的な用語と、錯体の構造や色について理論に基づいて説明できない。
評価項目3遷移元素とその化合物について説明し、利用できる。遷移元素とその化合物についてほぼ説明し、利用できる。遷移元素とその化合物について説明し、利用できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-4 説明 閉じる
JABEE d1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この講義は、本校の教育目標のうち「基礎力」および演習を通じて「応用力」を養う科目となっている。無機化学はすべての元素、および炭素を含まない化合物を対象にしており、領域は広い。3年生で一部の基本的な内容については学習したが、無機化学にでは、酸塩基に関する溶液化学、錯体化学、遷移元素とその化合物について学習する。 
授業の進め方・方法:
3年生までの化学に関する知識および3年生のときに学習した無機化学の内容(特に化合物名)を十分に学習しておいて欲しい。無機化学2では錯体や遷移元素とその化合物のような各論を中心に学習する。内容の不足分はレポートとして提出を求め,成績評価に反映する.なお、オフィスアワーは昼休憩または木曜日放課後とする。
また、本科目は学習単位科目であるため、以下のような自学自習を60時間以上行うこと。
・授業で課した3通のレポートを作成する。
・中間試験を含めた定期試験の準備をする。
・授業内容を理解するために授業中に配布した演習問題を行う。
注意点:
授業での各々の単元での到達目標が達成され、基礎的な知識が習得されたかを評価する。成績は、2回の試験の得点(70点)にレポート(30点)を考慮して評価する。定期試験の再試験は実施しない。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス、水に関する基本事項 水に関する基本事項(構造、水素結合、双極子モーメント等)を説明できる。
2週 酸塩基の定義、水のイオン積、pH 酸塩基の定義、水の電離平衡、水のイオン積、pHについて説明できる。
3週 弱酸と弱塩基の電離と水溶液のpH 弱酸と弱塩基の電離を説明し、水溶液のpHを計算できる。
4週 塩の加水分解と水溶液のpH 塩の加水分解を説明し、弱酸-強塩基の塩水溶液のpHを計算できる。
5週 塩の水溶液のpH 強酸-弱塩基、弱酸ー弱塩基の塩水溶液のpHを計算できる。
6週 pKaとpKbの関係、緩衝溶液 水溶液中のpKaとpKbの関係、緩衝溶液を説明し、緩衝溶液のpHを計算できる。
7週 溶解度積、HSAB理論 溶解度積の定義および難溶性塩の溶解度積を計算できる。
HSAB理論を説明できる。
8週 中間試験 中間試験までの学習内容を説明できる。
4thQ
9週 錯体の定義、用語、命名法、構造、異性現象 錯体の定義、用語、命名法、構造、各種異性現象を説明できる。
10週 原子価結合理論、静電結晶場理論 原子価結合理論、静電結晶場理論を説明できる。
11週 分光学系列、d-d遷移 分光学系列、d-d遷移等を関連付けて錯体の色を説明できる。
12週 錯体の安定度に及ぼす因子 錯体の安定度に及ぼす因子を説明できる。
13週 有機金属化合物、錯体生成機構 いくつかの有機金属化合物を説明できる。
錯体生成機構(SN1とSN2)を説明できる。
14週 遷移元素、遷移元素の化合物 遷移元素の単体の性質を説明できる。遷移元素の化合物の性質を説明できる。
15週 期末試験 期末試験までの学習内容を説明できる。
16週 期末試験の答案返却と回答 これまでの内容を理解することができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野無機化学配位結合の形成について説明できる。2後9,後10
水素結合について説明できる。2後1
錯体化学で使用される用語(中心原子、配位子、キレート、配位数など)を説明できる。2後9
錯体の命名法の基本を説明できる。2後9
配位数と構造について説明できる。2後9
代表的な錯体の性質(色、磁性等)を説明できる。2後10,後11
代表的な元素の単体と化合物の性質を説明できる。2後14,後15

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力70000030100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000