物理化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 物理化学Ⅰ
科目番号 0072 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 David W. Ball「ボール物理化学 第2版 〔上〕」化学同人
David W. Ball「ボール物理化学 第2版 〔下〕」化学同人
担当教員 田中 晋

到達目標

1. 量子化学が化学の発展において果たしてきた役割を説明できる。
2. 原子や分子の構造を量子化学の視点から説明できる。
3. 各種分光法の原理を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1量子化学が化学の発展において果たしてきた役割を説明できる。量子化学が化学の発展において果たしてきた役割をある程度説明できる。量子化学が化学の発展において果たしてきた役割を説明できない。
評価項目2原子や分子の構造を量子化学の視点から説明できる。原子や分子の構造を量子化学の視点からある程度説明できる。原子や分子の構造を量子化学の視点から説明できない。
評価項目3各種分光法の原理を説明できる。各種分光法の原理をある程度説明できる。各種分光法の原理を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-4 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本講義では、物理化学の中でも現代化学の礎となっており、原子の構造や原子どうしの結合などの理解には欠かすことができない「量子化学」に関連する事柄を主に学ぶ。量子論の基礎的な概念からスタートし、分光の原理などの応用的内容まで段階的に学習する。
授業の進め方・方法:
本講義は、学修単位であるので、講義時間の2倍にあたる60時間の自学自習時間を行うことが、単位認定の前提条件である。
教科書に丁寧な説明文が記されているので、事前に教科書を読み、予習すること。
また、適宜課す演習問題は必ず自らの力で解き、レポートを作成すること。数式によって記述されている事柄が多いので、復習の際は、自らの手で式を導出することが理解の助けとなる。

担当教員のオフィスアワーは別途掲示等で知らせる。オフィスアワー以外の放課後、休憩時間にも可能であれば質問を受け付ける。
注意点:
授業での到達目標が達成され、物理化学に関する基礎的な概念が習得できたか否かを評価する。成績は定期試験、小テスト、レポートをもとに総合的に評価する。
評価点は試験{定期試験(70%)+小テスト(10%)}+レポート(20%)の割合で算出する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス・光電効果・黒体放射 光電効果・電子回折を理解するために必要な概念を上げることができる
2週 原子スペクトル・ボーアの原子モデル・ドブロイの式 原子スペクトルを理解するために必要な概念を上げることができる
3週 シュレディンガー方程式・ボルンの解釈と規格化 シュレディンガー方程式やボルンの解釈の役割を説明できる
4週 不確定性原理・一次元の並進運動 不確定性原理の物理的意味を説明できる。並進運動(一次元の運動)のシュレディンガー方程式について説明できる
5週 振動運動(調和振動) 振動運動のエネルギーの特徴を説明できる。水素型原子の構造と量子数の特徴を説明できる
6週 回転運動(二次元・三次元) 二次元、三次元の回転運動のエネルギーの特徴を説明できる
7週 水素型原子 水素型原子の量子数の成り立ちを理解している。
8週 前期中間試験までの復習(前期中間試験) 前期中間試験までの学習内容を理解している。
2ndQ
9週 原子軌道(s, p, d軌道) 原子軌道の波動関数と電子雲の関係を理解している。
10週 電子スピン・多電子原子 電子スピンおよび多電子原子の構造を理解している。
11週 分光法の原理・回転分光法 分光法の一般的な原理や回転分光法の原理を理解している。
12週 振動分光法 振動分光法の原理を理解している。
13週 紫外・可視分光法 紫外・可視分光法の原理を理解している。
14週 核磁気共鳴の原理 核磁気共鳴法の原理を理解している。
15週 前期期末試験までの復習(前期期末試験) 前期期末試験までの学習内容を理解している。
16週 前期末までの復習 前期末までに習った内容について,自らの課題を認識し修正できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野分析化学光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。2前8,前10,前11,前12,前13,前14
Lambert-Beerの法則に基づく計算をすることができる。2前11

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力80000020100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000