物質工学実験Ⅰ

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 物質工学実験Ⅰ
科目番号 0073 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 教員が編集したテキストを用いる
担当教員 伊達 勇介,小川 和郎,田中 晋,藤井 貴敏,藤井 雄三

到達目標

1.得られたデータを適切に処理・解析・考察し,わかりやすくレポートにまとめることができる。
2.実験の操作・結果・考察などをプレゼンツールにわかりやすくまとめ,第3者にわかりやすく説明できる。また,質問に対して適切に答えることができる。
3.グループ内で高い協調性を保つことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.レポート得られたデータを適切に処理・解析・考察し,わかりやすくレポートにまとめることができる。得られたデータを処理・解析・考察し,レポートにまとめることができる。得られたデータを処理・解析・考察し,レポートにまとめることができない。
2.発表会実験の操作・結果・考察などをプレゼンツールにわかりやすくまとめ,第3者にわかりやすく説明できる。また,質問に対して適切に答えることができる。実験の操作・結果・考察などをプレゼンツールにまとめ,第3者に説明できる。また,質問に答えることができる。実験の操作・結果・考察などをプレゼンツールにまとめ,第3者に説明できない。また,質問に答えることができない。
3.協調性グループ内で高い協調性を保つことができる。グループ内で協調性を保つことができる。グループ内で協調性を保つことができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-1 説明 閉じる
JABEE d2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 化学は実験によって発展してきた学問概念である。特に,日々発展しつつある合成法や機器の取り扱いは,直接手に触れ,観察することで習得する技術でもある。そこで,有機・無機材料の合成および評価に関する実験を行い,結果について考察する。また,生体構成物質の抽出,精製,分析方法の基礎技術を習得する。
 さらに,材料の研究開発や各種の化学分析を担当していた教員がその経験を活かし、分析環境問題への意識を深めるために環境汚染物質に関する実験を行ったり,中海および沿岸を対象とする環境調査と専門性を活かした中海の環境改善や有効利用について考える。
授業の進め方・方法:
 各実験テーマについての説明を行った後,5班に分かれて4週間ずつ各担当教員の指導のもとで実験を行う。また,最後に発表会を実施する。
 質問は放課後に各研究室で随時受け付ける。
注意点:
 5つの実験を4週ずつの輪回形式で行う。
 レポートはテーマごとに各グループで作成し,提出する。
 発表内容は最後に行った実験テーマとする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
“PVAcのケン化およびPVAのホルマール化”に関する概要説明
“PVAcのケン化およびPVAのホルマール化”の実験内容を説明できる。
2週 “微生物から抽出した酵素および代謝産物の分析”に関する概要説明 “微生物から抽出した酵素および代謝産物の分析”の実験内容を説明できる。
3週 “液晶物質の特性”に関する概要説明 “液晶物質の特性”の実験内容を説明できる。
4週 “中海の環境分析および環境改善や有効利用の検討”に関する概要説明 “中海の環境分析および環境改善や有効利用の検討”の実験内容を説明できる。
5週 “圧力損失の測定”に関する概要説明 “圧力損失の測定”の実験内容を説明できる。
6週 5班に分かれて下記の実験を行う
 微生物から抽出した酵素および代謝産物の分析
 液晶物質の特性
 PVAcのケン化およびPVAのホルマール化
 中海の環境分析および環境改善や有効利用の検討
 圧力損失の測定
チーム内でコミュニケーションをとりながら,協調・共同して実験を進めることができる。
7週 同上 同上
8週 同上 同上
2ndQ
9週 データ整理
レポートの作成
チーム内でコミュニケーションをとりながら,協調・共同してレポートにまとめることができる。
10週 5班に分かれて下記の実験を行う
 微生物から抽出した酵素および代謝産物の分析
 液晶物質の特性
 PVAcのケン化およびPVAのホルマール化
 中海の環境分析および環境改善や有効利用の検討
 圧力損失の測定
チーム内でコミュニケーションをとりながら,協調・共同して実験を進めることができる。
11週 同上 同上
12週 同上 同上
13週 データ整理
レポートの作成
チーム内でコミュニケーションをとりながら,協調・共同してレポートにまとめることができる。
14週 5班に分かれて下記の実験を行う
 微生物から抽出した酵素および代謝産物の分析
 液晶物質の特性
 PVAcのケン化およびPVAのホルマール化
 中海の環境分析および環境改善や有効利用の検討
 圧力損失の測定
チーム内でコミュニケーションをとりながら,協調・共同して実験を進めることができる。
15週 同上 同上
16週
後期
3rdQ
1週 同上 同上
2週 データ整理
レポートの作成
チーム内でコミュニケーションをとりながら,協調・共同してレポートにまとめることができる。
3週 5班に分かれて下記の実験を行う
 微生物から抽出した酵素および代謝産物の分析
 液晶物質の特性
 PVAcのケン化およびPVAのホルマール化
 中海の環境分析および環境改善や有効利用の検討
 圧力損失の測定
チーム内でコミュニケーションをとりながら,協調・共同して実験を進めることができる。
4週 同上 同上
5週 同上 同上
6週 データ整理
レポートの作成
チーム内でコミュニケーションをとりながら,協調・共同してレポートにまとめることができる。
7週 5班に分かれて下記の実験を行う
 微生物から抽出した酵素および代謝産物の分析
 液晶物質の特性
 PVAcのケン化およびPVAのホルマール化
 中海の環境分析および環境改善や有効利用の検討
 圧力損失の測定
チーム内でコミュニケーションをとりながら,協調・共同して実験を進めることができる。
8週 同上 同上
4thQ
9週 同上 同上
10週 データ整理
レポートの作成
チーム内でコミュニケーションをとりながら,協調・共同してレポートにまとめることができる。
11週 発表会準備 チーム内でコミュニケーションをとりながら,協調・共同して発表の準備を行う。
12週 発表会準備 同上
13週 発表会 プレゼンツールを用いて第3者に説明し,質問に答えることができる。
他人の発表を聞いて,疑問点などを質問することができる。
14週 卒業研究に関する説明および実習 卒研で使用する機器の原理を理解し,基本的な操作法を習得する。
15週 卒業研究に関する説明および実習 同上
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】有機化学実験吸引ろ過ができる。3
薄層クロマトグラフィによる反応の追跡ができる。3
融点または沸点から生成物の確認と純度の検討ができる。3
分析化学実験代表的な定性・定量分析装置としてクロマト分析(特にガスクロ、液クロ)や、物質の構造決定を目的とした機器(吸光光度法、X線回折、NMR等)、形態観察装置としての電子顕微鏡の中の代表的ないずれかについて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。3
固体、液体、気体の定性・定量・構造解析・組成分析等に関して必要な特定の分析装置に関して測定条件を選定し、得られたデータから考察をすることができる。3
物理化学実験熱に関する測定(溶解熱、燃焼熱等)をして、定量的に説明できる。3
化学工学実験流量・流速の計測、温度測定など化学プラント等で計測される諸物性の測定方法を説明できる。3
流体の関わる現象に関する実験を通して、気体あるいは液体の物質移動に関する原理・法則を理解し、物質収支やエネルギー収支の計算をすることができる。3
生物工学実験適切な方法や溶媒を用いて、生物試料から目的の生体物質を抽出し、ろ過や遠心分離等の簡単な精製ができる。3
分光分析法を用いて、生体物質を定量することができる。3
クロマトグラフィー法または電気泳動法によって生体物質を分離することができる。3
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3
他者の意見を聞き合意形成することができる。3
合意形成のために会話を成立させることができる。3
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3
複数の情報を整理・構造化できる。3
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。3
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3
事実をもとに論理や考察を展開できる。3
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
目標の実現に向けて計画ができる。3
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3
法令やルールを遵守した行動をとれる。3
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。3
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。3
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。3
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。3
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。3
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。3
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合015010075100
基礎的能力0000000
専門的能力015010075100
分野横断的能力0000000