高分子化学

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 高分子化学
科目番号 0089 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 大津隆行 著,「改訂 高分子合成の化学」,化学同人
担当教員 小川 和郎

到達目標

1. 高分子化合物の一次構造・二次構造や共重合体の構造などを説明できる。
2. 粘度平均分子量,ラジカル重合における数平均重合度,ラジカル共重合におけるQ,e値などの基本的な計算ができる。
3. 重縮合,ラジカル重合,ラジカル共重合,イオン重合,開環重合などの代表的な重合反応および高分子反応を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1高分子化合物の一次構造・二次構造や共重合体の構造などを説明できる。高分子化合物の一次構造・二次構造や共重合体の構造などをある程度説明できる。高分子化合物の一次構造・二次構造や共重合体の構造などを説明できない。
評価項目2粘度平均分子量,ラジカル重合における数平均重合度,ラジカル共重合におけるQ,e値などの基本的な計算ができる。粘度平均分子量,ラジカル重合における数平均重合度,ラジカル共重合におけるQ,e値などの基本的な計算式をある程度理解できる。粘度平均分子量,ラジカル重合における数平均重合度,ラジカル共重合におけるQ,e値などの基本的な計算式を使うことができない。
評価項目3重縮合,ラジカル重合,ラジカル共重合,イオン重合,開環重合などの代表的な重合反応および高分子反応を説明できる。重縮合,ラジカル重合,ラジカル共重合,イオン重合,開環重合などの代表的な重合反応および高分子反応をある程度説明できる。重縮合,ラジカル重合,ラジカル共重合,イオン重合,開環重合などの代表的な重合反応および高分子反応を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-4 説明 閉じる
JABEE d1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 高分子材料は現代社会を支える重要な素材であり,高分子化合物の合成法を知ることによって,その特徴を捉えることができる。そこで,本講義では高分子化合物の特徴をより深く理解するため,各重合反応およびその反応機構について講義を行う。
授業の進め方・方法:
 予習として,有機化学および物理化学の復習を行っておくこと。また,3年次に学習した高分子化学基礎の内容についても復習しておくこと。式の誘導はプリントを用いて説明するが,講義後に各自で計算しておくこと。また,計算問題については,理解を深めるために課題を与える。なお,質問は昼休憩および放課後に,研究室で随時受け付ける。
 本科目は学修単位であるので,次のような自学自習を60時間以上行うこと。
 ・予習復習を行い,授業内容の理解を深める。
 ・計算問題は課題を与えるので,各自取り組む。
 ・定期試験の準備を行う。
  特に,教科書に出てくるモノマーは試験に出題するので,構造を調べて覚えておくこと。
注意点:
 他人のレポートを写して提出した場合は,写した学生も写させた学生も減点する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業ガイダンス
高分子の構造
高分子化合物のコンフォメーションを説明できる。
2週 高分子溶液
重縮合
粘度平均分子量を求めることができる。
重縮合が説明でき,どのような高分子が重縮合で得られるかを説明できる。
3週 重縮合 重縮合で得られる高分子の数平均重合度を求めることができる。
重縮合で等量反応させる理由や副生成物を除去する理由を説明できる。
4週 脱離重合
重付加
付加縮合
脱離重合,重付加,付加縮合の各反応を説明できる。
これらの反応から,どのような高分子が得られるか区別できる。
5週 ラジカル重合
ラジカル重合の方法
ラジカル重合の反応・特徴を説明できる。
塊状重合,溶液重合,懸濁重合,乳化重合の方法および特徴を説明できる。
6週 重合速度式
数平均重合度式
ラジカル重合の重合速度およびラジカル重合で得られる高分子の数平均重合度を求めることができる。
7週 ラジカル共重合 モノマー反応性比やQ・e値から,どのような共重合体が得られるか予想できる。
モノマー反応性比およびQ・e値を求めることができる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 イオン重合とラジカル重合の相違 イオン重合とラジカル重合の相違を説明できる。
10週 カチオン重合 カチオン重合の反応・特徴を説明できる。
11週 アニオン重合・リビング重合 アニオン重合およびリビング重合の反応・特徴を説明できる。
12週 配位アニオン重合 Ziegler-Natta系触媒を用いた反応を説明できる。
13週 開環重合 開環重合の反応を説明できる。
14週 高分子反応 高分子反応の種類や特徴を説明できる。
15週 期末試験
16週 振り返り・到達目標の確認 授業を振り返り,学習内容を再確認する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学高分子化合物がどのようなものか説明できる。3
重合反応について説明できる。3
重縮合・付加重合・重付加・開環重合などの代表的な高分子合成反応を説明でき、どのような高分子がこの反応によりできているか区別できる。3
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の反応を説明できる。3
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の特徴を説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000