生化学Ⅳ

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 生化学Ⅳ
科目番号 0094 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 前期:1 後期:1
教科書/教材 左右田健次編著 「生化学ー基礎と工学ー」 化学同人
担当教員 村田 和加惠,藤井 雄三

到達目標

1.酵素の基本的な特徴を理解する。
2.産業への応用面において、有用な酵素の生産法と効率的な精製法の基本原理を理解する。
3.酵素の産業への応用の基本原理を理解する。
4.発酵工業の歴史と利用について説明できる。
5.実際の微生物を用いた工学的実験方法について説明できる。
6.有効的な微生物の工業的利用方法について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1酵素の基本的な特徴を理解し、応用できる。酵素の基本的な特徴を理解できる酵素の基本的な特徴を理解できない。
評価項目2産業への応用面において、有用な酵素の生産法と効率的な精製法の基本原理を理解し、応用できる。産業への応用面において、有用な酵素の生産法と効率的な精製法の基本原理を理解できる産業への応用面において、有用な酵素の生産法と効率的な精製法の基本原理を理解できない。
評価項目3酵素の産業への応用の基本原理を理解し、応用できる。酵素の産業への応用の基本原理を理解できる酵素の産業への応用の基本原理を理解できない。
評価項目4発酵工業の歴史と利用について説明できる。発酵工業の歴史と利用について理解できる。発酵工業の歴史と利用について理解できない。
評価項目5実際の微生物を用いた工学的実験方法について説明できる。実際の微生物を用いた工学的実験方法について理解できる。実際の微生物を用いた工学的実験方法について理解できない。
評価項目6有効的な微生物の工業的利用方法について説明できる。有効的な微生物の工業的利用方法について理解できる。有効的な微生物の工業的利用方法について理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-4 説明 閉じる
JABEE d1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
酵素は工業、農業、医療、環境保全などの様々な産業や日常生活に利用されている。本講義では酵素を有効利用するための原理、手法、問題点、課題について講義を行う。また、その知見を踏まえたうえで酵素の日常生活への利用の具体例と特徴、産業利用の具体例と特徴、酵素の機能改良と利用などについて、基本的な知見を中心に講義を行う。後期15週のうち、第3、4週の授業は企業で実施に酒造りを行なっている技術者が担当する。
授業の進め方・方法:
教科書を中心に座学を行う。
また、次のような自学自習を60時間以上行うこと。
・授業内容の理解を深めるため、復習を行う。
・定期試験の準備を行う。
注意点:
総合評価は定期試験(80%)とレポート(20%)の100% として算出する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 酵素の基礎について説明を行う。
2週 酵素の歴史・タンパク質について 酵素の歴史・タンパク質について理解できる。
3週 酵素の特徴 酵素の特徴について理解できる。
4週 酵素の分類と命名法 酵素の分類と命名法について理解できる。
5週 酵素の種類と働き 酵素の種類と働きについて理解できる。
6週 補助因子の働き 補助因子の働きについて理解できる。
7週 酵素反応速度論 酵素反応速度論について理解できる。
8週 酵素活性の阻害 酵素活性の阻害について理解できる。
2ndQ
9週 中間試験 1週~8週の内容について試験を行う
10週 中間試験解説 中間試験の答えあわせおよび解説を行う。
11週 酵素の精製法1 粗分画について理解できる。
12週 酵素の精製法2 カラム法について理解できる。
13週 酵素の精製法3 電気泳動について理解できる。
14週 酵素の応用1(食品産業、医療、遺伝子工学・タンパク質工学) 食品産業、医療、遺伝子工学およびタンパク質工学における酵素の応用について理解できる。
15週 定期試験
16週 学習のまとめ
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 微生物学の復習
2週 微生物学と生物工学 生物工学について説明できる。
3週 発酵食品の歴史(酒類) 発酵食品の歴史(酒類)について説明できる。
4週 清酒の製造 清酒の製造について説明できる
5週 ビールの製造・ワインの製造 ビールの製造・ワインの製造について説明できる
6週 焼酎・ウイスキーの製造 焼酎・ウイスキーの製造について説明できる
7週 しょう油の製造・味噌の製造およびレポートについて しょう油の製造・味噌の製造について説明できる
8週 納豆,カツオ節の製造 納豆,カツオ節の製造について説明できる
4thQ
9週 乳製品の製造 乳製品の製造について説明できる
10週 食飼料微生物・発酵工業と微生物 食飼料微生物・発酵工業と微生物について説明できる
11週 有機酸・アミノ酸・核酸発酵 有機酸・アミノ酸・核酸発酵について説明できる
12週 タンパク質工学 タンパク質工学について説明できる
13週 酵素と代謝制御 酵素と代謝制御について説明できる
14週 バイオリアクター・環境と微生物 バイオリアクター・環境と微生物について説明できる
15週 定期試験
16週 学習のまとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野生物化学生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。4
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。4
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。4
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。4
タンパク質の高次構造について説明できる。4
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。4
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。4
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。4
生物工学原核微生物の種類と特徴について説明できる。3
真核微生物(カビ、酵母)の種類と特徴について説明できる。3
微生物の増殖(増殖曲線)について説明できる。3
微生物の育種方法について説明できる。3
微生物の培養方法について説明でき、安全対策についても説明できる。3
アルコール発酵について説明でき、その醸造への利用について説明できる。4
食品加工と微生物の関係について説明できる。4
抗生物質や生理活性物質の例を挙げ、微生物を用いたそれらの生産方法について説明できる。3
微生物を用いた廃水処理・バイオレメディエーションについて説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力0000000
専門的能力70000030100
分野横断的能力0000000