建築生産

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 建築生産
科目番号 0003 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建築学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 国土交通省大臣官房官庁営繕部監修 公共建築標準仕様書(建築工事編)/その他プリント配布
担当教員 玉井 孝幸

到達目標

1 建築生産を行う上で、関連法令を遵守した届出、準備工事などの手順、手続きについて理解していること。
2 施工管理の5大管理項目のQCDSE(品質、原価、工程、安全、環境)および、品質の維持・改善活動のPDCAサイクルについて理解していること。
3 施工管理の手法である「施工計画書」を作成できること。
4 ペアまたはグループでの作業において、責任感を持ってチームワークに望み、合意形成ができること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1関連法令に従い、各種の書類の届出先を区別でき、工事を始めるための手順、手続きを理解している。ある程度の書類の届出先を理解している。各種の書類があることが理解しておらず、届出先がわからない。また工事を始める手順がわからない。
評価項目2五大管理項目説明ができ、品質の改善活動についても説明できる。管理項目および改善活動の手法はあげることはできるが、その内容、意味などについては曖昧である。管理項目および改善活動の手法などをあげることができない。
評価項目3仮想建築物の数量(コンクリート・型枠・鉄筋)を基に適切な工程表が作成されており、施工計画書の目次に落ちがなく、内容にも関係仕様書の内容が十分盛り込まれている。ある程度の精度で工程表が作成でき、目次項目はあるもののその内容が十分でない。目次、その内容ともに、関係仕様書の内容が盛り込まれていない。
評価項目4班またはグループでの活動の際に、自分で作業した内容について他者に説明でき、他者の意見を取入れ、リーダーとして合意形成ができる。班またはグループでの活動の際に、自分で作業した内容について他者に説明でき、他者の意見を取入れ、自己理解できる。班またはグループでの作業に加わらず、自己の意見の発言も少なく、グループでの合意形成に寄与しない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-4 説明 閉じる

教育方法等

概要:
建築生産は、請負契約、準備工事、躯体工事、仕上げ(内外装)工事の流れについて理解するとともに、建築基準法および関連法令の定義、運用方法などについて理解するものである。
この科目は、建設会社および技術コンサルタント会社で、技術、構法、および材料開発などの支援を担当していた教員が、その経験を活かして、実務でも必要な建築生産について講義の中で解説する。
授業の進め方・方法:
後期中間試験までは、座学の形式をとり、オリジナルテキストを用い、施工の管理方法や法体系、大まかな施工手順などについて解説をする。
後期中間試験後は、班によるグループによる形式とする。図面(意匠図、構造図)を読み、コンクリート、鉄筋、型枠の数量を積算し、歩掛かりを元にネットワーク工程表の作成、および地上躯体工事の工事見学を算出する。
また、次のような自学自習を合計60時間以上行うこと。
 ・授業内容を理解するため、予め配布したプリントや教科書で予習する。
 ・授業内容の理解を深めるため、復習を行う。
 ・課題を与えるので、レポートを作成する。
 ・定期試験の準備を行う。
注意点:
施工計画書の作成時には、参考となる資料をおさめたiPadを配布(授業時間内を基本とする)する。しかし、まとめ作業などでは各自のノートパソコンでWORDなどでまとめていくので、授業には持参すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 建築生産とは
建築の寿命とは
建築生産の考え方と、建物の寿命に関して説明出来る。
2週 工事管理の全体像
品質管理
工事の監理と管理の違いについて説明出来る。
品質管理の必要性、方法について説明出来る。
3週 原価管理
工程管理
原価管理と工程管理の必要性と方法について説明出来る。
4週 安全管理・環境管理
建設機械、届・申請書
安全管理と環境管理の必要性と方法について説明出来る。
建設機械の種類を述べることができる。施工に際し諸官庁に提出する届ける胃について、届け先および提出日について説明出来る。
5週 積算作業(1) 意匠図と構造図では記載される範囲が異なること理解し、同時に施工される範囲を説明出来る。
6週 積算作業(2) コンクリートの体積を図面から寸法を読取り積算し、歩掛かりを元に鉄筋、型枠の数量を算出することができる。
7週 中間試験
8週 中間試験の振返り 説明された解答から、理解を深める
積算の集計表を提出。
4thQ
9週 公共建築標準仕様書(建築工事編)に定めてある内容について
共通事項
施工の標準化手法について説明出来る。
仕様書の共通事項について、仕様書を参照しながら説明することができる。
10週 コンクリート工事の管理について 仕様書のコンクリート工事について、仕様書を参照しながら説明することができる
11週 鉄筋工事の管理について 仕様書の鉄筋工事について、仕様書を参照しながら説明することができる
12週 鉄骨工事の管理について 仕様書の鉄骨工事について、仕様書を参照しながら説明することができる
13週 ネットワーク工程表の作成(1) 算出した材料(コンクリート、鉄筋、型枠)の数量を元に、所用日数を算出し、コンクリートの打設日を決定することが出来る。
14週 ネットワーク工程表の作成(2) ネットワーク工程表を作成することができる。
地上躯体工事の直接工事費が計算できる。
15週 学年末試験
16週 学年末試験の解答および解説 自らの問題点を把握し、修正することができる。
ネットワーク工程表、および数量、日数、金額の集計表を提出する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野施工・法規請負契約(見積り、積算を含む)について説明できる。3後1
瑕疵・保証について説明ができる。4後1
現場組織の編成について説明できる。3後2
設計図書と施工図の関係について説明できる。3後2
各種書類の行政への届出先と期限について説明できる。4後4
ネットワーク工程表の計算ができる。4後3,後13,後14
バーチャート工程表について説明できる。3後3
5大管理項目(品質、原価、工程、安全、環境)の特徴について説明できる。4後2,後3,後4
鉄筋の加工について説明できる。2後11
継手(重ね、圧接、機械式、etc.)の仕組みについて説明できる。2後11
定着の仕様とメカニズムについて説明できる。2後11
鉄筋の組立ての基準・仕様について説明できる。2後11
かぶりの必要性、かぶり厚さの基準・仕様・法令について説明できる。4後11
型枠の材料、種類をあげることができる。1後10
型枠の組立て手順について説明できる。1後10
せき板の存置期間について説明できる。3後10
支保工の存置期間について説明できる。3後10
使用材料の試験・管理値について説明できる。4後10
生コンの発注について説明できる。4後10
運搬・締固め(打込み)の方法・手順について説明できる。4後10
養生の必要性について説明できる。4後10
現場組立て(建方)方法、工法について説明できる。1後12
工事の流れ(仮設・準備・基礎・地業・躯体・仕上げ・設備(電気・空調・給排水・衛生)・解体)について説明できる。3
建築物の保守・維持管理の概要・現状について説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合500010400100
基礎的能力0000000
専門的能力5000040090
分野横断的能力000100010