構造解析

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 構造解析
科目番号 0025 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 建築学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 柴田明徳 「最新耐震構造解析(第2版)」 森北出版/桑村仁「建築の力学 塑性論とその応用」井上書院
担当教員 北農 幸生

到達目標

(1) 梁の弾塑性挙動:任意の梁断面に対して降伏モーメント、全塑性モーメントおよび形状係数等の計算ができる。
(2) 塑性解析法:骨組の塑性解析の基本を学習し、骨組の塑性崩壊荷重の計算ができる。
(3) 動的応答解析法:1自由度系の振動解析およびモーダルアナリシスを使った応答計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1任意の断面形状に対して降伏モーメント、全塑性モーメントおよび形状係数等を計算できる。単純な断面形状に対して降伏モーメント、全塑性モーメントおよび形状係数等を計算できる。単純な断面形状に対して降伏モーメント、全塑性モーメントおよび形状係数等を計算できない。
評価項目2上界定理により梁およびラーメンの崩壊荷重を計算できる。想定される崩壊機構が一つの場合の梁およびラーメンの崩壊荷重を計算できる。想定される崩壊機構が一つの場合についても梁およびラーメンの崩壊荷重を計算できない。
評価項目3モーダルアナリシスを使って2自由度系の構造物の動的応答計算ができる。1自由度系の構造物の動的応答計算ができる。1自由度系の構造物の動的応答計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-3 説明 閉じる
JABEE d08 説明 閉じる

教育方法等

概要:
安全で合理的な建築の構造を計画・設計するために、骨組の終局耐力を計算する塑性解析法と、地震動による骨組の応答を計算する動的応答解析法について、その理論の概要を学習する。
授業の進め方・方法:
限られた時間で大きく2つの項目の概論を学習するため、短期間で学習の効果を高め、理解を深めるには、演習と宿題の確実な実行が大切である。
特に宿題は、教科書、参考書を多く読んで、授業内容の理解を深めて頂きたい。
注意点:
質問はオフィスアワー(月・木曜の14:30~17:00)に研究室で随時受け付ける。

成績評価は定期試験70%、演習30%で行う。
宿題などは5点満点で評価する。提出遅れは減点して採点を行う。他人のものを丸写ししたり、書き殴ってあるものは採点の対象にしない。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、構造力学の基礎演習 各種荷重および支持条件に対する静定ラーメンの曲げモーメント図を描くことができる。
2週 塑性設計の沿革 塑性設計法の概念を理解できる。
3週 材料の力学モデル、軸力材の塑性挙動 軸力材の塑性挙動を理解できる。
4週 梁の塑性挙動1 梁の弾塑性挙動を理解できる。
5週 梁の塑性挙動2 梁の全塑性モーメントを計算できる。
6週 梁-柱の塑性挙動 梁-柱の全塑性モーメントを計算できる。
7週 試験前まとめ 前期中間試験までの内容が理解できる。
8週 前期中間試験 前期中間試験までの内容が理解できる。
2ndQ
9週 塑性解析と塑性ヒンジ理論 塑性ヒンジ理論の概念を理解できる。
10週 不静定次数 構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。
11週 仮想仕事法 仮想仕事法により構造物の崩壊荷重を計算できる。
12週 上界定理1(梁) 上界定理により梁の崩壊荷重を計算できる。
13週 上界定理2(ラーメン) 上界定理によりラーメンの崩壊荷重を計算できる。
14週 上界定理3(ラーメン演習) 上界定理によりラーメンの崩壊荷重を計算できる。
15週 試験前まとめ 前期期末試験までの内容が理解できる。
16週 前期期末試験 前期期末試験までの内容が理解できる。
後期
3rdQ
1週 地震と断層 地震と断層の関係を理解し、地震の発生メカニズムを説明できる。
2週 2階線形同次微分方程式 2階線形同次微分方程式の一般解を誘導できる。
3週 2階線形非同次微分方程式 2階線形非同次微分方程式の一般解を誘導できる。
4週 2階線形微分方程式演習 2階線形同次および非同次微分方程式の一般解を誘導できる。
5週 1自由度系の非減衰自由振動1 振動論の概念および構造物のモデル化について理解できる。
6週 1自由度系の非減衰自由振動2 1自由度系の減衰のない構造物の固有周期を計算できる。
7週 1自由度系の減衰自由振動、試験前まとめ 1自由度系の減衰がある構造物の固有周期を計算できる。
8週 後期中間試験 後期中間試験までの内容が理解できる。
4thQ
9週 調和外力、ステップ外力 調和外力およびステップ外力に対する構造物の応答解析について理解できる。
10週 インパルス外力、応答スペクトル インパルス外力および任意外乱に対する構造物の応答解析について理解できる。
応答スペクトルの概念について説明できる。
11週 多自由度系の線形応答・剛性マトリックス 多自由度系の構造物の応答解析について理解できる。
12週 2自由度系の応答例題(固有周期、固有モード等) 2自由度系の構造物の固有値を計算できる。
13週 モードの直交性、刺激係数 モードの直交性、刺激係数の概念について理解できる。
14週 モーダルアナリシス モーダルアナリシスを使って2自由度系の構造物の応答計算ができる。
15週 試験前まとめ 学年末試験までの内容が理解できる。
16週 学年末試験 学年末試験までの内容が理解できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野構造力の定義、単位、成分について説明できる。3
力のモーメントなどを用い、力のつり合い(合成と分解)に関する計算ができる。3
断面一次モーメントを理解し、図心を計算できる。3
断面二次モーメント、断面相乗モーメント、断面係数や断面二次半径などの断面諸量を計算できる。3
弾性状態における応力とひずみの定義、力と変形の関係を説明でき、それらを計算できる。3
曲げモーメントによる断面に生じる応力(引張、圧縮)とひずみの関係を理解し、それらを計算できる。3
骨組構造物の安定・不安定の判定ができる。3
節点法や切断法を用いて、トラスの部材応力を計算できる。3
はりの支点の種類、対応する支点反力、およびはりの種類やその安定性について説明できる。3
はりの断面に作用する内力としての応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)、応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)について説明することができる。3
はり(単純ばり、片持ちはり)の応力を計算し、応力図を描くことができる。3
ラーメンの支点反力、応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)をかくことができる。3
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。3前10
鋼構造物の復元力特性と設計法の関係について説明できる。2
マグニチュードの概念と震度階について説明できる。2
地震被害を受けた建物の破壊等の特徴について説明できる。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力2000001030
専門的能力5000002070
分野横断的能力0000000