化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 化学Ⅱ
科目番号 0031 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 建築学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 竹内敬人ほか「化学基礎」、「化学」東京書籍/東京書籍編集部 編「ニューグローバル 化学基礎+化学」東京書籍
担当教員 竹中 敦司,亀山 道宏

到達目標

基本的な化学の概念や原理・法則を理解し、論理的に探求する能力と態度を身につける。身近な日常生活や各専門分野での些細な化学現象も、興味をもって観察し、論理的に理解できることを目標とする。具体的には
1.周期表をもとに、物質の性質を系統的に理解できる
2.無機化合物の反応を理解し、系統的な金属イオンの分離などに応用できる
3.分子構造および官能基による各有機化合物の特性を体系的に理解できる
4.物質の安全性へ関心を寄せ、環境問題に関する基礎的な知識をもつこと

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
周期表をもとに、物質の性質を系統的に説明できる周期表をもとに、物質の性質をある程度説明できる周期表をもとに、物質の性質を説明できない
無機化合物の反応を理解し、系統的な金属イオンの分離などを説明できる無機化合物の反応をほぼ理解し、系統的な金属イオンの分離などをある程度説明できる無機化合物の反応を理解しておらず、系統的な金属イオンの分離なども説明できない
分子構造および官能基による各有機化合物の特性を体系的に説明できる分子構造および官能基による各有機化合物の特性をある程度説明できる分子構造および官能基による各有機化合物の特性を説明できない
物質の安全性へ関心を寄せ、環境問題に関する基礎的な知識をもっている物質の安全性へ関心を寄せ、環境問題に関する基礎的な知識をある程度もっている物質の安全性に関心がなく、環境問題に関する基礎的な知識ももっていない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A 説明 閉じる

教育方法等

概要:
我々の身の周りには様々な物質があり、人類はそれら物質の性質を上手く活用しながら生活してきた。さらに各工学分野においては、材料の性質を正確に把握して、それぞれの場面に適した物質を利用する必要があるため、物質に関する知識は必須のものである。本講では、各物質のもつ性質や特徴的な反応を系統的に確認し、技術者としてはもちろん、一般教養としても欠かせない、基礎的な化学知識を学んで、基礎力を養う。また、これら基礎的な内容を発展させ、応用できるよう、演習および実験に取り組む。また、身近な化学物質の性質を知り、これらが自然環境へ及ぼす影響を考えることで、環境化学分野での倫理力を養う。
授業の進め方・方法:
座学が中心となるが、理解を深めるため授業中に演習を行うことがある。さらに学生実験などにより実際の化学現象を観察し、考察を行ってもらう。また、課題としてプリントや問題集「ニューグローバル」を課す。これらは自らの力で解き、理解を深めること。また、理解度を確認するため小テストを行う。
担当教員のオフィスアワーは別途掲示等で知らせる。オフィスアワー以外の放課後、休憩時間にも可能であれば質問を受け付ける。
注意点:
授業での到達目標が達成され、化学に関する基礎的な概念や法則が習得できたかを評価する。成績は定期試験、実験レポート、小テストをもとに総合的に評価する。
評価点は定期試験(70%)+実験レポート(20%)+小テスト(10%)の割合で算出する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス・周期表と元素の性質 元素の性質と周期表の関係を理解している。
2週 水素と18族(希ガス) 水素や希ガス元素の単体や化合物の性質や反応について理解している。
3週 17族(ハロゲンとその化合物) ハロゲンの単体や化合物の性質や反応について理解している。
4週 16族(酸素の単体と化合物・硫黄の単体) 酸素の単体や化合物の性質や反応について理解している。硫黄の単体の性質や反応について理解している。
5週 16族(硫黄の化合物) 硫黄の化合物の性質や反応について理解している。
6週 15族(窒素とその化合物) 窒素の単体や化合物の性質や反応について理解している。
7週 15族(リンとその化合物)
*学生実験「硝酸と窒素酸化物」
リンの単体や化合物の性質や反応について理解している。代表的な気体発生の実験操作を理解している。
8週 14族(炭素・ケイ素とその化合物) 炭素やケイ素の単体や化合物の性質や反応について理解している。
2ndQ
9週 前期中間試験までの復習(前期中間試験) 前期中間試験までの学習内容を理解する。
10週 1族(アルカリ金属とその化合物) アルカリ金属の単体や化合物の性質や反応について理解している。
11週 2族(2族元素とその化合物) 2族元素の単体や化合物の性質や反応について理解している。
12週 2族(カルシウムの化合物)
*学生実験「アルカリ土類金属」
カルシウムの化合物の性質や反応について理解している。沈殿生成の実験操作を理解している。
13週 1・2族以外の典型元素(アルミニウム・亜鉛とその化合物) アルミニウム・亜鉛の典型元素の単体や化合物の性質や反応について理解している。
14週 1・2族以外の典型元素(水銀・スズ・鉛とその化合物) 水銀・スズ・鉛の単体や化合物の性質や反応について理解している。
15週 前期末試験までの復習(前期末試験) 前期末試験までの学習内容を理解する。
16週 前期末までの復習 前期末までに習った内容について、自らの課題を認識し修正できる。
後期
3rdQ
1週 遷移元素(3~11族)の特徴、錯イオン、鉄とその化合物銅・銀とその化合物 遷移元素の特徴や錯イオン、鉄、銅・銀の単体および化合物の性質や反応について理解している。
2週 クロム・マンガンとその化合物 クロム・マンガンの単体や化合物の性質や反応について理解している。
3週 金属イオンの分離と確認 金属イオンの分離方法について理解している。
4週 有機化合物の特徴 有機化合物の特徴を理解している。
5週 有機化合物の構造式の決定 有機鉱物の構造式の決定手順を理解している。
6週 飽和炭化水素(アルカン) 飽和炭化水素の性質や反応について理解している。
7週 不飽和炭化水素(アルケン) 不飽和炭化水素アルケンの性質や反応について理解している。
8週 後期中間試験までの復習(後期中間試験) 後期中間試験までの学習内容を理解する。
4thQ
9週 不飽和炭化水素(アルキン) 不飽和炭化水素アルキンの性質や反応について理解している。
10週 アルコールとエーテル アルコールとエーテルの性質や反応について理解している。
11週 アルデヒドとケトン
*学生実験「アルデヒドの性質」
アルデヒドとケトンの性質や反応について理解している。
12週 カルボン酸 カルボン酸の性質や反応について理解している。
13週 エステル・油脂・セッケン エステル・油脂・セッケンの性質や反応について理解している。
14週 芳香族炭化水素 芳香族炭化水素の性質や反応について理解している。
15週 学年末試験までの復習(学年末試験) 学年末試験までの学習内容を理解する。
16週 学年末までの復習 学年末までに習った内容について,自らの課題を認識し修正できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。1前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。1前4,前7,前8
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。1後3
代表的なイオンを化学式で表すことができる。1前3,前4,前5,前6,前7,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3
イオン式とイオンの名称を説明できる。1前3,前4,前5,前6,前7,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3
金属の性質を説明できる。1前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。1前3,前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。1前2,前3,前4,前5,前6,前7,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。1前7,前12,後3,後11
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。1前7,前12,後3,後11
ガラス器具の取り扱いができる。1前7,前12,後3,後11
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。1前7,前12,後3,後11
試薬の調製ができる。1前7,前12,後3,後11
代表的な気体発生の実験ができる。1前7
代表的な無機化学反応により沈殿を作り、ろ過ができる。1後3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力80000020100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000