構造力学Ⅱ

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 構造力学Ⅱ
科目番号 0038 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 建築学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 林貞夫 「SI対応建築構造力学」 共立出版
担当教員 北農 幸生

到達目標

1)図心位置、断面2次モーメント、断面係数などの概念を理解し、計算ができる。
2)断面の応力度の概念を理解し計算ができる。
3)静定構造物において、与えられた外力に対する部材応力度が計算できる。
4)与えられた許容応力度に対して必要断面の計算ができる。
5)節点法、切断法、クレモナ図法の3つの解法を用いてトラスに生じる軸力が計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1図心位置、断面2次モーメント、断面係数などの概念を理解し、各種断面形状の断面諸量を計算できる。図心位置、断面2次モーメント、断面係数などの概念を理解し、基本的な断面形状の断面諸量を計算できる。図心位置、断面2次モーメント、断面係数などの概念を理解していない。
評価項目2弾性状態における応力とひずみの定義、力と変形の関係が説明でき、それらを計算できる。弾性状態における応力とひずみの定義、力と変形の関係が説明できる。弾性状態における応力とひずみの定義、力と変形の関係が説明できない。
評価項目3静定構造物において、与えられた外力に対する部材応力度が計算できる。断面に作用する軸力・曲げモーメント・せん断力に対して応力度が計算できる。断面に作用する軸力・曲げモーメント・せん断力に対して応力度が計算できない。
評価項目4静定構造物において、与えられた外力および許容応力度に対して必要断面の計算ができる。断面に作用する軸力・曲げモーメント・せん断力および許容応力度に対して必要断面の計算ができる。断面に作用する軸力・曲げモーメント・せん断力および許容応力度に対して必要断面の計算ができない。
評価項目5節点法、切断法、クレモナ図法の3つの解法を適切に使い分けてトラスに生じる軸力が計算できる。節点法、切断法、クレモナ図法のいずれかの解法を用いてトラスに生じる軸力が計算できる。トラスに生じる軸力を計算できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A 説明 閉じる

教育方法等

概要:
建築構造力学の内、材料力学の分野を扱う。構造物に外力が作用したとき、部材の断面に生じる応力度を求める方法を習得する。また、本来は構造力学1に属する分野ではあるが、授業時間数の関係で静定トラスの解析についても学習する。
授業の進め方・方法:
教科書・プリントを用いて講義を行った後に演習問題を解く。その後必要に応じて配布プリントでやや高度な演習を行う。家庭学習のための課題も多く出題する。
質問は昼休み(12:00-12:50)および会議のない放課後(18:00まで)研究室で随時受け付ける。
注意点:
電卓は毎回用意すること。(定規類を用いることもあるが、その都度指示する)

成績評価は定期試験70%、演習30%で行う。
宿題などは5点満点で評価する。提出遅れは減点して採点を行う。他人のものを丸写ししたり、書き殴ってあるものは採点の対象にしない。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業のガイダンス、材料の性質とそれを表す基本量 材料の性質や力・応力・ひずみの単位について説明できる。
2週 断面一次モーメントと図心 断面一次モーメントの定義を理解し、図心を計算できる。
3週 断面二次モーメント 断面二次モーメントの定義および物理的意味を理解し計算できる。
4週 断面1次モーメント、断面2次モーメントの演習 指定した断面形状の断面一次モーメント、図心位置および図心軸に関する断面二次モーメントを計算できる。
5週 断面極2次モーメント、断面相乗モーメント 断面極2次モーメント、断面相乗モーメントの定義を理解し計算できる。
6週 断面係数、断面2次半径 断面係数、断面2次半径の定義を理解し計算できる。
7週 試験前まとめ 前期中間試験までの内容が理解できる。
8週 前期中間試験 前期中間試験までの内容が理解できる。
2ndQ
9週 試験解説,応力度 軸方向力によって生じる応力度を計算できる。
10週 ひずみ度 部材に生じる変位からひずみ度を計算できる。
11週 フックの法則 弾性状態における応力とひずみの定義、力と変形の関係を説明でき、それらを計算できる。
12週 曲げ応力度 曲げモーメントにより断面に生じる応力の分布を理解し計算できる。
13週 せん断応力度 はり断面内のせん断応力分布について説明できる。
14週 せん断応力度演習 はり断面内のせん断応力分布を計算できる。
15週 前期期末試験 前期期末までの内容が理解できる。
16週 前期末までの復習 前期期末までに習った内容について、自らの理解度を把握し課題点を修正できる。
後期
3rdQ
1週 試験解説,モールの応力円 モールの応力円の概要について理解できる。
2週 主応力度 主応力度および主せん断応力度を計算できる。
3週 傾斜面の応力度 傾斜面に生じる応力度を計算できる。
4週 トラスの概要、節点法による静定トラスの解法 トラスの種類を説明でき、トラスの部材力の意味について説明できる。
節点法を用いて、トラスの部材応力を計算できる。
5週 クレモナ図法による静定トラスの解法 クレモナ図法を用いて、トラスの部材応力を計算できる。
6週 切断法による静定トラスの解法 切断法を用いて、トラスの部材応力を計算できる。
7週 試験前まとめ 後期中間試験までの内容が理解できる。
8週 後期中間試験 後期中間試験までの内容が理解できる。
4thQ
9週 試験解説、はりに生じる最大曲げ応力度 はりに生じる最大曲げ応力度を計算できる。
10週 傾斜部材に生じる曲げ応力度 傾斜部材に生じる曲げ応力度を計算できる。
11週 軸方向力と曲げモーメントによる応力度 軸方向力と曲げモーメントを同時に受ける部材の応力度を計算できる。
12週 長柱の座屈荷重 各種支持条件に対する座屈長さおよびEuler座屈荷重を計算できる。
13週 許容応力度と断面設計 許容応力度設計の概要について説明できる。
14週 はりの許容応力度設計 はり(単純ばり、片持ちはり)の荷重状態、許容応力度に対して必要断面の計算ができる。
15週 学年末試験 学年末までの内容が理解できる。
16週 学年末までの復習 習った内容について、自らの理解度を把握し課題点を修正できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野構造力の定義、単位、成分について説明できる。2前1,前8
力のモーメントなどを用い、力のつり合い(合成と分解)に関する計算ができる。1後11
断面一次モーメントを理解し、図心を計算できる。3前2,前4,前7,前8
断面二次モーメント、断面相乗モーメント、断面係数や断面二次半径などの断面諸量を計算できる。3前3,前4,前5,前6,前7,前8
弾性状態における応力とひずみの定義、力と変形の関係を説明でき、それらを計算できる。2前1,前9,前10,前11,前15,前16,後16
曲げモーメントによる断面に生じる応力(引張、圧縮)とひずみの関係を理解し、それらを計算できる。2前12,前15,前16,後9,後10,後11,後14,後15,後16
はり断面内のせん断応力分布について説明できる。2前13,前14,前15,前16,後14,後15,後16
骨組構造物に作用する荷重の種類について説明できる。1
トラスの種類を説明でき、トラスの部材力の意味について説明できる。3後4,後7,後8
節点法や切断法を用いて、トラスの部材応力を計算できる。3後4,後5,後6,後7,後8
はりの支点の種類、対応する支点反力、およびはりの種類やその安定性について説明できる。2後9,後10,後14,後15,後16
はりの断面に作用する内力としての応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)、応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)について説明することができる。3後9,後10,後14,後15,後16
はり(単純ばり、片持ちはり)の応力を計算し、応力図を描くことができる。2後9,後10,後15,後16
圧縮力を受ける柱の分類(短柱・長柱)が出来、各種支持条件に対するEuler座屈荷重を計算できる。2後12,後15,後16
偏心圧縮柱の応力状態を説明できる。2後11,後15,後16
鋼材・溶接の許容応力度について説明できる。1後13,後14,後15,後16
軸力のみを受ける部材の設計の計算ができる。1
軸力、曲げを受ける部材の設計の計算ができる。1
曲げ材の設計の計算ができる。1
断面内の応力の分布について説明できる。1
許容曲げモーメントを計算できる。1
断面内の応力の分布について説明できる。1

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力0000000
専門的能力70000030100
分野横断的能力0000000