基礎構造

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 基礎構造
科目番号 0049 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建築学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 藤井衛他「建築家のための土質と基礎 ザ・ソイル」建築技術
担当教員 稲田 祐二

到達目標

(1)地盤・土質に関する特性、特徴を理解し、土の分類、土質力学的なアプローチができる。
(2)直接基礎の支持力に関する理論が応用でき計算できる。
(3)杭基礎の支持力形式に関する理論が応用でき計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1□粘性土と砂質土の組成の違いと、地盤の形成の違いにつぃて説明できる。 □地盤調査の種類によって、適用できる構造物が違い、調査可能な項目や精度が異なることを説明できる。 □地下水位および被圧水について説明でき、浮力を受けることによる有効応力の関係について説明できる。 □□土質の名称から、粘性土と砂質土に分類ができる。 □地盤調査の種類が上げられ、その特徴について説明できる。 □地下水の影響を受ける土質の特徴と、浮力について説明できる。□土質の名称から、粘性土と砂質土に分類できない。 □地盤調査の種類特徴について説明できない。 □地下水による支持力の影響について説明できない。
評価項目2□砂質土と粘性土の影響項について説明でき、支持力式を活用でき、支持力を正しく計算できる。□砂質土と粘性土の影響項について説明でき、支持力式を活用できる。□砂質土と粘性土の影響項について説明できない。
評価項目3□砂質土と粘性土の影響項について、および摩擦と先端支持に関する項を説明でき、杭の支持力式を活用でき、計算できる。□砂質土と粘性土の影響項について、および摩擦と先端支持に関する項を説明でき、杭の支持力式を活用できる。□砂質土と粘性土の影響項について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-3 説明 閉じる
JABEE d07 説明 閉じる
JABEE d08 説明 閉じる

教育方法等

概要:
建築物を支える、基礎部分に関する科目である。
建築物における基礎とは、直接基礎または杭基礎となり、特に杭基礎の場合は施工法や使用材料による分類があり、その違いにより支持力などが異なる。
建築物に採用する基礎形式による、支持力を計算できることを目標とする。
この科目は企業で建築構造設計を担当していた教員が、その経験を活かし、基礎構造の設計,施工法について講義形式で授業を行う。
授業の進め方・方法:
座学形式を中心に、土質力学に関する基礎、用語、調査方法などを学ぶ。
さらに、直接基礎と杭基礎の支持力を計算方法を学ぶ。
また、次のような自学自習を60時間以上行うこと。
・シラバスを参照しテキストを用いて予習をする。
・授業終了後、テキストや配布資料を用いて復習する。
・授業で課題が出た場合、レポートを作成し提出する。
・定期試験に備えて自己学習をする。
注意点:
構造力学が基礎となるので不安な場合は復習しておくこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス;建築物と地盤の関わり
土と基礎工事の関係性について説明することができる。
2週 土の基本的性質(分類と強度) 土の分類と強度について説明できる。
3週 圧密・地中応力 圧密現象が説明できる。地中応力を算定法を説明できる。
4週 土圧・透水性 土圧と透水性について説明できる。
5週 液状化 地盤の液状化について説明できる。
6週 地盤調査 地盤調査について説明できる。
7週 基礎の設計フロー 基礎の設計フローを説明できる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 地盤の支持力 地盤の支持力の算定法について説明できる。
10週 地盤の沈下 地盤沈下について説明できる。
11週 くいの分類と施工法 くいの分類と施工法が説明できる。
12週 くいの鉛直支持力 くいの鉛直支持力について説明できる。
13週 くいの水平抵抗 くいの水平抵抗について説明できる。
14週 山留め工法と施工法 山留め工法について説明できる。
15週 地盤改良 軟弱地盤の地盤改良について説明できる。
16週 前期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野構造力の定義、単位、成分について説明できる。3
力のモーメントなどを用い、力のつり合い(合成と分解)に関する計算ができる。3
断面一次モーメントを理解し、図心を計算できる。3
断面二次モーメント、断面相乗モーメント、断面係数や断面二次半径などの断面諸量を計算できる。3
弾性状態における応力とひずみの定義、力と変形の関係を説明でき、それらを計算できる。3
曲げモーメントによる断面に生じる応力(引張、圧縮)とひずみの関係を理解し、それらを計算できる。3
はり断面内のせん断応力分布について説明できる。3
骨組構造物の安定・不安定の判定ができる。3
骨組構造物に作用する荷重の種類について説明できる。3
各種構造の設計荷重・外力を計算できる。3
はりの支点の種類、対応する支点反力、およびはりの種類やその安定性について説明できる。3
はりの断面に作用する内力としての応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)、応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)について説明することができる。3
応力と荷重の関係、応力と変形の関係を用いてはりのたわみの微分方程式を用い、幾何学的境界条件と力学的境界条件について説明でき、たわみやたわみ角を計算できる。3
不静定構造物の解法の基本となる応力と変形関係について説明できる。3
はり(単純ばり、片持ちはり)の応力を計算し、応力図を描くことができる。3
圧縮力を受ける柱の分類(短柱・長柱)が出来、各種支持条件に対するEuler座屈荷重を計算できる。3
偏心圧縮柱の応力状態を説明できる。3
ラーメンやその種類について説明できる。3
ラーメンの支点反力、応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)をかくことができる。3
構造力学における仕事やひずみエネルギーの概念について説明できる。3
仕事やエネルギーの概念を用いて、構造物(例えば梁、ラーメン、トラスなど)の支点反力、応力(図)、変形(たわみ、たわみ角)を計算できる。3
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。3
静定基本系(例えば、仮想仕事法など)を用い、不静定構造物の応力と、支点反力を求めることができる。3
いずれかの方法(変位法(たわみ角法)、固定モーメント法など)により、不静定構造物の支点反力、応力(図)を計算できる。3
MNインターラクションカーブについて説明できる。3
基礎形式(直接、杭)の分類ができる。4前15
基礎形式別の支持力算定方を説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ課題(レポート)合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000