建築生産

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 建築生産
科目番号 0052 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建築学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 国土交通省大臣官房官庁営繕部監修 公共建築標準仕様書(建築工事編) 平成31年版
担当教員 玉井 孝幸

到達目標

1 建築生産を行う上で、関連法令を遵守した届出、準備工事などの手順、手続きについて理解していること。
2 施工管理の5大管理項目のQCDSE(品質、原価、工程、安全、環境)および、品質の維持・改善活動のPDCAサイクルについて理解していること。
3 施工管理の手法である「施工計画書」を作成できること。
4 ペアまたはグループでの作業において、責任感を持ってチームワークに望み、合意形成ができること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1関連法令に従い、各種の書類の届出先を区別でき、工事を始めるための手順、手続きを理解している。ある程度の書類の届出先を理解している。各種の書類があることが理解しておらず、届出先がわからない。また工事を始める手順がわからない。
評価項目2五大管理項目説明ができ、品質の改善活動についても説明できる。管理項目および改善活動の手法はあげることはできるが、その内容、意味などについては曖昧である。管理項目および改善活動の手法などをあげることができない。
評価項目3仮想建築物の数量(コンクリート・型枠・鉄筋)を基に適切な工程表が作成されており、施工計画書の目次に落ちがなく、内容にも関係仕様書の内容が十分盛り込まれている。ある程度の精度で工程表が作成でき、目次項目はあるもののその内容が十分でない。目次、その内容ともに、関係仕様書の内容が盛り込まれていない。
評価項目4班またはグループでの活動の際に、自分で作業した内容について他者に説明でき、他者の意見を取入れ、リーダーとして合意形成ができる。班またはグループでの活動の際に、自分で作業した内容について他者に説明でき、他者の意見を取入れ、自己理解できる。班またはグループでの作業に加わらず、自己の意見の発言も少なく、グループでの合意形成に寄与しない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-4 説明 閉じる
JABEE d10 説明 閉じる
JABEE d14 説明 閉じる
JABEE d15 説明 閉じる

教育方法等

概要:
建築生産は、請負契約、準備工事、躯体工事、仕上げ(内外装)工事の流れについて理解するとともに、建築基準法および関連法令の定義、運用方法などについて理解するものである。
この科目は、建設会社および技術コンサルタント会社で、技術、構法、および材料開発などの支援を担当していた教員が、その経験を活かして、実務でも必要な建築生産について講義の中で解説する。
授業の進め方・方法:
前期中間試験までは、座学の形式をとり、オリジナルテキストを用い、施工の管理方法や法体系、大まかな施工手順などについて解説をする。
前期中間試験後は、ペアまたは班によるグループによる形式とする。実際の現場で作成される「施工計画書」を作成する。作成を通し、建築生産に関する法・規定・仕様書、手順、および品質管理について自ら学ぶ。
また、次のような自学自習を合計60時間以上行うこと。
 ・授業内容を理解するため、予め配布したプリントや教科書で予習する。
 ・授業内容の理解を深めるため、復習を行う。
 ・課題を与えるので、レポートを作成する。
 ・定期試験の準備を行う。
注意点:
施工計画書の作成時には、参考となる資料をおさめたiPadを配布(授業時間内を基本とする)する。しかし、まとめ作業などでは各自のノートパソコンでWORDなどでまとめていくので、授業には持参すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 工程表の作成(1)
-必要な工程の算出
施工の手順を考え、概略の(日数を無視した)工程を作成する。
2週 工程表の作成(2)
-ネットワーク工程表の作成
数量を基に歩掛かりを活用し、作業工程の必要日数を計算する。
3週 工程表のチェック・修正
○工程表提出
非常勤講師から作成した工程表に対する評価を受け、意見を参考に工程表を修正する。
4週 施工計画書の品質管理部分の作成(1) 工程表を基に、発注すべきコンクリート強度を決定し、1日の打設数量を決める。
5週 施工計画書の品質管理部分の作成(2) フレッシュコンクリート時に管理する項目について記述する。
6週 施工計画書の品質管理部分の作成(3) 構造体コンクリート強度の検査と購入した受入れ検査の違いを理解し、検査項目、内容、管理基準などをまとめる。
7週 施工計画書の品質管理部分の作成(4)
-非常勤講師チェック
打設後に関する項目について記述する。
8週 ○施工計画書の中間提出
4thQ
9週 施工計画書の品質管理部分の作成(5) 型枠(せき板、支保工)の存置期間などについて記述する。
10週 施工計画書の品質管理部分の作成(6) 全体調整・修正をおこなう。
11週 施工計画書の品質管理部分の作成(7) 全体調整・修正をおこなう。
12週 ○施工計画書の提出
13週 鉄骨工事、鉄筋工事 鉄骨工事の進め方について理解していること。鉄筋工事の品質管理項目について理解していること。
14週 防水工事 断熱、歩行可、防水の種類について理解していること。
15週 学年末試験
16週 学年末試験の解答および解説 自らの問題点を把握し、修正することができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野施工・法規請負契約(見積り、積算を含む)について説明できる。3
瑕疵・保証について説明ができる。4
現場組織の編成について説明できる。3
設計図書と施工図の関係について説明できる。3
各種書類の行政への届出先と期限について説明できる。4
ネットワーク工程表の計算ができる。4
バーチャート工程表について説明できる。3
5大管理項目(品質、原価、工程、安全、環境)の特徴について説明できる。4
鉄筋の加工について説明できる。2
継手(重ね、圧接、機械式、etc.)の仕組みについて説明できる。2
定着の仕様とメカニズムについて説明できる。2
鉄筋の組立ての基準・仕様について説明できる。2
かぶりの必要性、かぶり厚さの基準・仕様・法令について説明できる。4
型枠の材料、種類をあげることができる。1
型枠の組立て手順について説明できる。1
せき板の存置期間について説明できる。3
支保工の存置期間について説明できる。3
使用材料の試験・管理値について説明できる。4
生コンの発注について説明できる。4
運搬・締固め(打込み)の方法・手順について説明できる。4
養生の必要性について説明できる。4
現場組立て(建方)方法、工法について説明できる。1

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合500010400100
基礎的能力0000000
専門的能力5000040090
分野横断的能力000100010