構造力学Ⅳ

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 構造力学Ⅳ
科目番号 0080 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建築学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 桑村仁「建築の力学 塑性論とその応用」井上書院
担当教員 北農 幸生

到達目標

(1) 梁断面の弾塑性挙動:任意の梁断面に対して降伏モーメント、全塑性モーメントおよび形状係数等の計算ができる。
(2)トラスの塑性解析法:静定トラスの塑性崩壊荷重の計算ができる。
(3) 骨組の塑性解析法:骨組の塑性解析の基本を学習し、骨組の塑性崩壊荷重の計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1任意の断面形状に対して降伏モーメント、全塑性モーメントおよび形状係数等を計算できる。単純な断面形状に対して降伏モーメント、全塑性モーメントおよび形状係数等を計算できる。単純な断面形状に対して降伏モーメント、全塑性モーメントおよび形状係数等を計算できない。
評価項目2軸力材の塑性挙動を理解した上で、静定トラスの崩壊荷重を計算できる。静定トラスの崩壊荷重を計算できる。静定トラスの崩壊荷重を計算できない。
評価項目3上界定理により梁およびラーメンの崩壊荷重を計算できる。想定される崩壊機構が一つの場合の梁およびラーメンの崩壊荷重を計算できる。想定される崩壊機構が一つの場合についても梁およびラーメンの崩壊荷重を計算できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
安全で合理的な建築の構造を計画・設計するために、骨組の終局耐力を計算する塑性解析法の理論の概要を学習する。
授業の進め方・方法:
短期間で学習の効果を高め、理解を深めるには、演習と宿題の確実な実行が大切である。
特に宿題は、教科書、参考書を多く読んで、授業内容の理解を深めて頂きたい。
質問はオフィスアワー(月・木曜の14:30~17:00)に研究室で随時受け付ける。
また、次のような自学自習を60時間以上行うこと。
 ・授業内容を理解するため、予め教科書等で予習する。 ・授業内容の理解を深めるため、復習する。
 ・授業内容を参考に、演習課題およびレポート作成に取り組む。
注意点:
成績評価は定期試験70%、演習30%で行う。
宿題などは5点満点で評価する。提出遅れは減点して採点を行う。他人のものを丸写ししたり、書き殴ってあるものは採点の対象にしない。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、構造力学の基礎演習 各種荷重および支持条件に対する静定ラーメンの曲げモーメント図を描くことができる。
2週 塑性設計の沿革 塑性設計法の概念を理解できる。
3週 材料の力学モデル、軸力材の塑性挙動 軸力材の塑性挙動を理解できる。
4週 梁の塑性挙動1 梁の弾塑性挙動を理解できる。
5週 梁の塑性挙動2 梁の全塑性モーメントを計算できる。
6週 梁-柱の塑性挙動 梁-柱の全塑性モーメントを計算できる。
7週 試験前まとめ 中間試験までの内容が理解できる。
8週 中間試験 中間試験までの内容が理解できる。
2ndQ
9週 塑性解析と塑性ヒンジ理論 塑性ヒンジ理論の概念を理解できる。
10週 不静定次数 構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。
11週 仮想仕事法 仮想仕事法により構造物の崩壊荷重を計算できる。
12週 上界定理1(梁) 上界定理により梁の崩壊荷重を計算できる。
13週 上界定理2(ラーメン) 上界定理によりラーメンの崩壊荷重を計算できる。
14週 上界定理3(ラーメン演習) 上界定理によりラーメンの崩壊荷重を計算できる。
15週 期末試験 期末試験までの内容が理解できる。
16週 期末試験までの復習 期末試験までに習った内容について、自らの理解度を把握し課題点を修正できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野構造力の定義、単位、成分について説明できる。3前1
力のモーメントなどを用い、力のつり合い(合成と分解)に関する計算ができる。3前1,前4,前5,前6
断面一次モーメントを理解し、図心を計算できる。3前4,前5
断面二次モーメント、断面相乗モーメント、断面係数や断面二次半径などの断面諸量を計算できる。3前4,前5
弾性状態における応力とひずみの定義、力と変形の関係を説明でき、それらを計算できる。3前3,前4,前5,前6
曲げモーメントによる断面に生じる応力(引張、圧縮)とひずみの関係を理解し、それらを計算できる。3前4,前5,前6
はり断面内のせん断応力分布について説明できる。2
骨組構造物の安定・不安定の判定ができる。3前9,前10,前11,前12,前13,前14
骨組構造物に作用する荷重の種類について説明できる。3前1
トラスの種類を説明でき、トラスの部材力の意味について説明できる。3前3
節点法や切断法を用いて、トラスの部材応力を計算できる。3前3
はりの支点の種類、対応する支点反力、およびはりの種類やその安定性について説明できる。3前1,前3,前9,前10,前11,前12
はりの断面に作用する内力としての応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)、応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)について説明することができる。3前1,前9,前10,前11,前12
はり(単純ばり、片持ちはり)の応力を計算し、応力図を描くことができる。3前1,前9,前10,前11,前12
偏心圧縮柱の応力状態を説明できる。3前6
ラーメンやその種類について説明できる。3前1,前9,前10,前11,前13,前14
ラーメンの支点反力、応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)をかくことができる。3前1,前9,前10,前11,前13,前14
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。3前10,前11,前12,前13,前14
いずれかの方法(変位法(たわみ角法)、固定モーメント法など)により、不静定構造物の支点反力、応力(図)を計算できる。2前11,前12
鋼構造物の復元力特性と設計法の関係について説明できる。2前2,前3
S造の特徴・構造形式について説明できる。2前3
鋼材・溶接の許容応力度について説明できる。1前3
軸力のみを受ける部材の設計の計算ができる。1前3
軸力、曲げを受ける部材の設計の計算ができる。1前6
曲げ材の設計の計算ができる。1前4,前5
断面内の応力の分布について説明できる。1前4,前5,前6
許容曲げモーメントを計算できる。1前4,前5,前6
中立軸の算定ができる。1前5,前6
終局曲げモーメントについて説明できる。1前4,前5,前6
断面内の応力の分布について説明できる。1前4,前5,前6
許容曲げモーメントを計算できる。1前4,前5,前6
MNインターラクションカーブについて説明できる。1前6
中立軸の算定ができる。1前5,前6
終局曲げモーメントについて説明できる。1前4,前5,前6

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力0000000
専門的能力70000030100
分野横断的能力0000000