各種構造Ⅰ

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 各種構造Ⅰ
科目番号 0081 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建築学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 鉄筋コンクリート構造の基本と部材の設計
担当教員 北農 幸生,稲田 祐二,畑中 友

到達目標

1.鉄筋コンクリート構造の柱、梁の曲げモーメントに対する配筋を算定できる。
2.鉄筋コンクリート構造の剪断力に対する配筋を算定できる。
3.鉄筋コンクリート構造の床、耐震壁、基礎の配筋を算定できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1曲げモーメントを受ける柱、梁の両者に対して配筋を算定できる。曲げモーメントを受ける柱、梁のどちらか一方に対して配筋を算定できる。曲げモーメントを受ける柱、梁のどちらに対しても配筋を算定できない。
評価項目2剪断力を受ける柱、梁の両者に対して配筋を算定できる。剪断力を受ける柱、梁のどちらか一方に対して配筋を算定できる。剪断力を受ける柱、梁のどちらに対しても配筋を算定できない。
評価項目3床、耐震壁、基礎の3者ともの配筋を算定できる。床、耐震壁、基礎のいずれかの配筋を算定できる。床、耐震壁、基礎のいずれの配筋も算定できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
まず鉄筋とコンクリートの力学的な性質及び,材料学の分野の基礎知識について学習し,両者の複合材料からなる鉄筋コンクリート構造の基本的な性質を理解したうえで,力学に基く梁・柱・耐震壁・基礎の設計法を学習します。
この科目は企業で建築構造設計を担当していた教員が、その経験を活かし、鉄筋コンクリート構造物の構造設計法について講義形式で授業を行う。
授業の進め方・方法:
座学と演習を交互に行ないます.4年生までの構造力学の基礎知識があるものとして授業を進めるので,不安な場合は復習をしておいてください。
電卓は毎回用意すること。
また、次のような自学自習を60時間以上行うこと。
・シラバスを参照しテキストを用いて予習をする。
・授業終了後、テキストや配布資料を用いて復習する。
・授業で課題が出た場合、レポートを作成し提出する。
・定期試験に備えて自己学習をする。
注意点:
会議の無い日の放課後に稲田研究室で受け付けます。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、鉄筋コンクリート構造の概説 鉄筋コンクリート構造の概要が理解できる。
2週 梁の曲げモーメントに対する設計 許容応力度法により梁の主筋の算定ができる。
3週 梁の曲げモーメントに対する設計(問題) 許容応力度法により梁の主筋の算定ができる。
4週 梁のせん断力に対する設計 許容応力度法により梁のせん断補強筋の設計ができる。
5週 梁のせん断力に対する設計(問題) 許容応力度法により梁のせん断補強筋の設計ができる。
6週 柱の軸力と曲げモーメントに対する設計 許容応力度法により柱の主筋の算定ができる。
7週 柱の軸力と曲げモーメントに対する設計(問題) 許容応力度法により柱の主筋の算定ができる。
8週 前期中間試験
理解した内容の達成度を確認する。
2ndQ
9週 柱のせん断力に対する設計 許容応力度法により柱のせん断補強筋の算定ができる。
10週 柱のせん断力に対する設計(問題) 許容応力度法により柱のせん断補強筋の算定ができる。
11週 梁・柱主筋の付着の検討 梁・柱主筋の付着の検討ができる。
12週 梁・柱接合部の設計 梁・柱接合部の検討ができる。
13週 壁,スラブの設計 壁筋,スラブ筋の算定ができる。
14週 鉄筋コンクリート部材の終局耐力 梁・柱部材の終局耐力の算定が理解できる。
15週 前期末試験 理解した内容の達成度を確認する。
16週 振返り(期末試験までの復習) 試験結果を踏まえ学習した内容について自らの課題を認識し修正する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野構造建築構造の成り立ちを説明できる。2
建築構造(W造、RC造、S造、SRC造など)の分類ができる。2
力の定義、単位、成分について説明できる。3
力のモーメントなどを用い、力のつり合い(合成と分解)に関する計算ができる。3
断面一次モーメントを理解し、図心を計算できる。3
断面二次モーメント、断面相乗モーメント、断面係数や断面二次半径などの断面諸量を計算できる。3
弾性状態における応力とひずみの定義、力と変形の関係を説明でき、それらを計算できる。3
曲げモーメントによる断面に生じる応力(引張、圧縮)とひずみの関係を理解し、それらを計算できる。3
はり断面内のせん断応力分布について説明できる。3
骨組構造物の安定・不安定の判定ができる。3
骨組構造物に作用する荷重の種類について説明できる。3前3
各種構造の設計荷重・外力を計算できる。3前3
トラスの種類を説明でき、トラスの部材力の意味について説明できる。2
節点法や切断法を用いて、トラスの部材応力を計算できる。2
はりの支点の種類、対応する支点反力、およびはりの種類やその安定性について説明できる。3
はりの断面に作用する内力としての応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)、応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)について説明することができる。3
応力と荷重の関係、応力と変形の関係を用いてはりのたわみの微分方程式を用い、幾何学的境界条件と力学的境界条件について説明でき、たわみやたわみ角を計算できる。3
不静定構造物の解法の基本となる応力と変形関係について説明できる。3
はり(単純ばり、片持ちはり)の応力を計算し、応力図を描くことができる。3
圧縮力を受ける柱の分類(短柱・長柱)が出来、各種支持条件に対するEuler座屈荷重を計算できる。3
偏心圧縮柱の応力状態を説明できる。3
ラーメンやその種類について説明できる。3
ラーメンの支点反力、応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)をかくことができる。3
構造力学における仕事やひずみエネルギーの概念について説明できる。3
仕事やエネルギーの概念を用いて、構造物(例えば梁、ラーメン、トラスなど)の支点反力、応力(図)、変形(たわみ、たわみ角)を計算できる。3
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。3
静定基本系(例えば、仮想仕事法など)を用い、不静定構造物の応力と、支点反力を求めることができる。3
いずれかの方法(変位法(たわみ角法)、固定モーメント法など)により、不静定構造物の支点反力、応力(図)を計算できる。3
木構造の特徴・構造形式について説明できる。2
木材の接合について説明できる。2
基礎、軸組み、小屋組み、床組み、階段、開口部などの木造建築の構法を説明できる。2
鋼構造物の復元力特性と設計法の関係について説明できる。2
S造の特徴・構造形式について説明できる。2
鋼材・溶接の許容応力度について説明できる。2
軸力のみを受ける部材の設計の計算ができる。2
軸力、曲げを受ける部材の設計の計算ができる。2
曲げ材の設計の計算ができる。2
継手の設計・計算ができる。2
高力ボルト摩擦接合の機構について説明できる。2
溶接接合の種類と設計法について説明できる。2
仕口の設計方法について説明ができる。2
柱脚の種類と設計方法について説明ができる。2
鉄筋コンクリート造(ラーメン構造、壁式構造、プレストレストコンクリート構造など)の特徴・構造形式について説明できる。4前1
構造計算の設計ルートについて説明できる。4前4
建物の外力と変形能力に基づく構造設計法について説明できる。4前4
断面内の応力の分布について説明できる。4前5
許容曲げモーメントを計算できる。4前5
主筋の算定ができる。4前5
釣合い鉄筋比について説明ができる。4前5
中立軸の算定ができる。4前5
許容せん断力を計算できる。4前10
せん断補強筋の算定ができる。4前10
終局曲げモーメントについて説明できる。4前10
終局剪断力について説明できる。4前10
断面内の応力の分布について説明できる。4前12
許容曲げモーメントを計算できる。4前12
MNインターラクションカーブについて説明できる。4前12
主筋の算定ができる。4前12
釣合い鉄筋比について説明ができる。4前12
中立軸の算定ができる。4前12
許容せん断力を計算できる。4前14
せん断補強筋の算定ができる。4前14
終局曲げモーメントについて説明できる。4前14
終局剪断力について説明できる。4前14
基礎形式(直接、杭)の分類ができる。2
基礎形式別の支持力算定方を説明できる。2
マグニチュードの概念と震度階について説明できる。2
地震被害を受けた建物の破壊等の特徴について説明できる。2

評価割合

試験発表相互評価態度レポートその他合計
総合評価割合80000200100
基礎的能力0000000
専門的能力80000200100
分野横断的能力0000000