概要:
鋼構造の構造設計を行う基礎となる部材の設計に関する理論と接合部の設計を修得します。基礎理論の理解と応用力を確実にするため、講議と課題演習を実施します。
授業の進め方・方法:
構造を専攻していない学生にはかなり難解になると思うが、課題演習を通して鋼構造設計の勘所を学び取ってほしい。
質問は、オフィスアワー(月・木曜の14:30~17:00)に研究室で随時受け付ける。
また、次のような自学自習を60時間以上行うこと。
・授業内容を理解するため、予め教科書等で予習する。 ・授業内容の理解を深めるため、復習する。
・授業内容を参考に、演習課題およびレポート作成に取り組む。
注意点:
成績評価は定期試験70%、演習30%で行う。
中間試験については、試験素点が60点未満だったものに対して素点60点を上限として再試験を実施する。
期末試験については、評価点が40点以上60点未満の学生を対象に再試験を実施し、所定の点数に達した場合は評価点を60点とする。
宿題などは5点満点で評価する。提出遅れは減点して採点を行う。他人のものを丸写ししたり、書き殴ってあるものは採点の対象にしない。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
ガイダンス、鋼構造について |
鋼材および鋼構造の特徴について説明できる。
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2週 |
接合の基本、ボルト接合(摩擦接合、支圧接合、演習) |
ボルト接合の分類、力の伝達機構等について説明できる。
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3週 |
溶接接合 (完全溶け込み溶接、隅肉溶接、溶接記号、演習) |
溶接接合の種類や力の伝達機構等について理解できる。
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4週 |
部材設計 (引張材の設計、演習) |
引張材の設計における注意事項を理解し、許容応力度設計の計算ができる。
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5週 |
部材設計 (オイラー座屈荷重、圧縮材の設計、演習) |
オイラー座屈荷重を理解し、各支持条件に対する座屈長さや座屈荷重の大きさを計算できる。圧縮材の許容応力度設計の計算ができる。
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6週 |
部材設計 (曲げ材の設計、演習) |
曲げ材の設計における注意事項を理解し、弾性横座屈モーメントが計算できる。
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7週 |
部材設計 (許容曲げ応力度、演習) |
横座屈を考慮した許容曲げ応力度の値が計算できる。
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8週 |
中間試験 |
中間試験までの内容が理解できる。
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4thQ |
9週 |
部材算定 (梁設計の基本、演習) |
せん断力の検討および梁のたわみ制限まで含めた梁の設計の計算ができる。
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10週 |
部材算定 (柱設計の基本、演習) |
柱材の設計における注意事項を理解し、許容応力度設計の計算ができる。
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11週 |
継手・仕口の基本(塑性断面係数、演習) |
保有耐力接合の考え方を理解し、H形断面の塑性断面係数を計算できる。
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12週 |
継手・仕口の設計(許容応力度設計、演習) |
継手・仕口の許容応力度設計の計算ができる。
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13週 |
継手・仕口の設計(保有耐力接合、演習) |
継手・仕口の保有耐力接合の計算ができる。
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14週 |
柱脚の設計(露出柱脚の設計、演習) |
露出柱脚の設計における注意事項を理解し、許容応力度設計の計算ができる。
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15週 |
期末試験 |
期末試験までの内容が理解できる。
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16週 |
期末試験までの復習 |
期末試験までに習った内容について、自らの理解度を把握し課題点を修正できる。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建築系分野 | 構造 | 建築構造の成り立ちを説明できる。 | 2 | 後1 |
建築構造(W造、RC造、S造、SRC造など)の分類ができる。 | 2 | 後1 |
力の定義、単位、成分について説明できる。 | 3 | |
力のモーメントなどを用い、力のつり合い(合成と分解)に関する計算ができる。 | 3 | |
断面一次モーメントを理解し、図心を計算できる。 | 3 | 後12 |
断面二次モーメント、断面相乗モーメント、断面係数や断面二次半径などの断面諸量を計算できる。 | 3 | 後12 |
弾性状態における応力とひずみの定義、力と変形の関係を説明でき、それらを計算できる。 | 3 | 後12 |
曲げモーメントによる断面に生じる応力(引張、圧縮)とひずみの関係を理解し、それらを計算できる。 | 3 | 後12 |
はり断面内のせん断応力分布について説明できる。 | 3 | 後9 |
骨組構造物に作用する荷重の種類について説明できる。 | 2 | |
各種構造の設計荷重・外力を計算できる。 | 2 | |
はりの支点の種類、対応する支点反力、およびはりの種類やその安定性について説明できる。 | 3 | 後9 |
はりの断面に作用する内力としての応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)、応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)について説明することができる。 | 3 | 後9 |
応力と荷重の関係、応力と変形の関係を用いてはりのたわみの微分方程式を用い、幾何学的境界条件と力学的境界条件について説明でき、たわみやたわみ角を計算できる。 | 2 | 後9 |
不静定構造物の解法の基本となる応力と変形関係について説明できる。 | 2 | |
はり(単純ばり、片持ちはり)の応力を計算し、応力図を描くことができる。 | 3 | 後9 |
圧縮力を受ける柱の分類(短柱・長柱)が出来、各種支持条件に対するEuler座屈荷重を計算できる。 | 3 | 後5 |
偏心圧縮柱の応力状態を説明できる。 | 3 | 後5 |
鋼構造物の復元力特性と設計法の関係について説明できる。 | 3 | 後1 |
S造の特徴・構造形式について説明できる。 | 3 | 後1 |
鋼材・溶接の許容応力度について説明できる。 | 3 | 後1,後4 |
軸力のみを受ける部材の設計の計算ができる。 | 3 | 後4 |
軸力、曲げを受ける部材の設計の計算ができる。 | 3 | 後10 |
曲げ材の設計の計算ができる。 | 3 | 後6,後7,後9 |
継手の設計・計算ができる。 | 3 | 後12,後13,後14 |
高力ボルト摩擦接合の機構について説明できる。 | 3 | 後2 |
溶接接合の種類と設計法について説明できる。 | 3 | 後3 |
仕口の設計方法について説明ができる。 | 3 | 後12,後13,後14 |
柱脚の種類と設計方法について説明ができる。 | 3 | 後15 |