知的財産権特論

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 知的財産権特論
科目番号 0001 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 専攻科 生産システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 集中 週時間数
教科書/教材 「知的財産権標準テキスト(総合編)」、特許ワークブック「書いてみよう特許明細書出してみよう特許出願」:(社)発明協会著、出版社 東京書籍印刷(株)
担当教員 田辺 義博,松本 至,藤井 雄三

到達目標

技術者としての「倫理⼒」を養うために具体的には以下を目標とする。
(1) 特許法を中心として、知的財産権を鳥瞰的に理解することができる。
(2) 特許発明の構成要件(新規性・進歩性など)を理解することができる。
(3) 特許検索⽅法などを理解することができる。
(4) 特許明細書の構成・書き⽅などを理解し,特許明細書を書くことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1特許法を中心として、知的財産権を鳥瞰的に十分理解できている。特許法を中心として、知的財産権を鳥瞰的に理解できている。特許法を中心として、知的財産権を鳥瞰的に理解できていない。
評価項目2特許発明の構成要件(新規性・進歩性など)を十分理解できている。特許発明の構成要件(新規性・進歩性など)を理解できている。特許発明の構成要件(新規性・進歩性など)を理解できいない。
評価項目3特許検索⽅法などを十分理解できている。特許検索⽅法などを理解できている。特許検索⽅法などを理解できていない。
評価項目4特許明細書の構成・書き⽅などを十分理解し,特許明細書を適切に書くことができる。特許明細書の構成・書き⽅などを理解し,特許明細書を書くことができる。特許明細書の構成・書き⽅などを理解しておらず,特許明細書を書くことができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 D-2 説明 閉じる
JABEE b 説明 閉じる
JABEE d4 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この講義は本校の教育⽬標のうち「倫理⼒」を養う科⽬である。本来資源不⾜の我が国が⽬標とする技術⽴国擁⽴には,U.S.PAT.取得件数の1/5を占めるに至った知的財産権などの無形知的生産物がもっとも効率良く企業の存続を支えるものとなる。本講義ではこういった時代背景を踏まえ,特許制度の成り⽴ちから知的財産権の分類,特許構成要件,特許申請手順,ひいては特許申請における明細書の書き⽅などを実務的に体験しながらその習得を⽬標とする。本講義の担当教員は、企業でモータ開発に関する機構設計や機械要素設計業務を長年経験しており、その業務の中で自らが特許明細書作成業務や特許申請業務、あるいは特許係争業務にも携わっており、その経験を活かした企業における知的財産権の扱いを講義内容に盛り込み教授している。
授業の進め方・方法:
知的財産権に関する知識と実務は,企業の技術者としては修得すべき必須要件となっている。本講義における基礎知識,ケーススタディや特許明細書作成の実務体験を通じて,この機会に⼗分習得して自分のものとすること。質問については,メール等で対応する。
また,次のような自学自習を60時間以上⾏うこと。
・授業内容を理解するため,予め指定した教科書で予習する。
・授業内容の理解を深めるため,復習を⾏う。
・毎時間課題を与えるので,レポートを作成する。
注意点:
注意点到達目標が達成されたかを、前期の小テスト10点、後期の期末テスト50点、後期のレポート40点によって判断する。適宜授業中におこなう質問に対して的確な回答をしたものは、加算点を付与する。追試は⾏わない。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 知的財産権の総合的理解 身近にあるものにどのような知的財産の登録対象が存在しているか、説明できる。
2週 知的財産権の総合的理解 身近にあるものにどのような知的財産の登録対象が存在しているか、説明できる。
3週 特許制度の理解1 三権分立、六法、特許法目的 法律と生活とがどのように絡んでいるか、説明できる。
4週 特許制度の理解1 三権分立、六法、特許法目的 法律と生活とがどのように絡んでいるか、説明できる。
5週 特許制度の理解2 発明とは、実体的特許要件 法律による定義と、その解釈の仕方、射程距離について、説明できる。
6週 特許制度の理解2 発明とは、実体的特許要件 法律による定義と、その解釈の仕方、射程距離について、説明できる。
7週 特許制度の理解3 出願様式、外国出願、国内優先 国内外における出願方法、権利取得の方法について、説明できる。
8週 特許制度の理解3 出願様式、外国出願、国内優先 国内外における出願方法、権利取得の方法について、説明できる。
2ndQ
9週 特許制度の理解4 出願公開制度、審査請求制度、特許権の効力 特許法の目的を達成するために設けられている各種制度を理解し、説明できる。
10週 特許制度の理解4 出願公開制度、審査請求制度、特許権の効力 特許法の目的を達成するために設けられている各種制度を理解し、説明できる。
11週 特許制度の理解5 特許請求の範囲と権利解釈 特許権の権利範囲がどのように解釈されるか、説明できる。
12週 特許制度の理解5 特許請求の範囲と権利解釈 特許権の権利範囲がどのように解釈されるか、説明できる。
13週 特許制度の理解6 侵害に対する救済1 特許制度の理解6 裁判の仕組みと知的財産との関係について理解し、説明できる。
14週 特許制度の理解6 侵害に対する救済1 特許制度の理解6 裁判の仕組みと知的財産との関係について理解し、説明できる。
15週 特許制度の理解7 侵害に対する救済2 特許制度の理解7 知的財産訴訟において、何が請求されるか、何を請求できるか、について理解し、説明できる。
16週
後期
3rdQ
1週 実用新案制度の理解  特許法との異同 同じ技術を保護する実用新案制度について、特許法との異動について理解し、説明できる。
2週 実用新案制度の理解  特許法との異同 同じ技術を保護する実用新案制度について、特許法との異動について理解し、説明できる。
3週 意匠制度の理解 法目的、意匠とは、意匠法特有の制度 特許法・実用新案法で保護できない部分を意匠ではどのように保護できるのか、説明できる。
4週 意匠制度の理解 法目的、意匠とは、意匠法特有の制度 特許法・実用新案法で保護できない部分を意匠ではどのように保護できるのか、説明できる。
5週 商標制度の解説1商標の目的、商標とは、商品と役務 選択物である商標と、創作物である発明・実用新案・意匠との本質的な違いについて、説明できる。
6週 商標制度の解説1商標の目的、商標とは、商品と役務 選択物である商標と、創作物である発明・実用新案・意匠との本質的な違いについて、説明できる。
7週 商標制度の解説2商標の機能、商標の登録要件 商標法の法目的を達成するため設けられている各種制度を理解し、説明できる。
8週 商標制度の解説2商標の機能、商標の登録要件 商標法の法目的を達成するため設けられている各種制度を理解し、説明できる。
4thQ
9週 特許検索・商標検索 JplatPatの使用の仕方を理解し、検索を遂行できる。
10週 特許検索・商標検索 JplatPatの使用の仕方を理解し、検索を遂行できる。
11週 特許出願の書類作成1 必要書類を理解し、発明をどのように特定するか、を理解する。
12週 特許出願の書類作成1 必要書類を理解し、発明をどのように特定するか、を理解する。
13週 特許出願の書類作成2 必要書類を理解し、発明をどのように特定するか、を理解する。
14週 特許出願の書類作成2 必要書類を理解し、発明をどのように特定するか、を理解する。
15週 全体学習 ビデオを参照し、実社会でどのように知的財産が役立っているかを理解する。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。4
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。4

評価割合

試験レポート相互評価小テストポートフォリオその他合計
総合評価割合504001000100
基礎的能力0000000
専門的能力504001000100
分野横断的能力0000000