計算機システム工学

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 計算機システム工学
科目番号 0004 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 専攻科 生産システム工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 坂井修一著:「コンピュータ・アーキテクチャ」(コロナ社)
担当教員 香川 律

到達目標

1.基礎的な論理回路や計算のサイクル,データの流れと制御の流れ
2.命令セットアーキテクチャ,コンピュータの概念と内部アーキテクチャの変遷
3.パイプライン処理の阻害要因とハザートの解決法,キャッシュと仮想記憶,命令レベル並列処理とアウトオブオーダ処理

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1基礎的な論理回路や計算のサイクル,データの流れと制御の流れについて理解する基礎的な論理回路や計算のサイクル,データの流れと制御の流れについておおよそ理解する基礎的な論理回路や計算のサイクル,データの流れと制御の流れについて理解していない
評価項目2命令セットアーキテクチャ,コンピュータの概念と内部アーキテクチャの変遷について理解する命令セットアーキテクチャ,コンピュータの概念と内部アーキテクチャの変遷についておおよそ理解する命令セットアーキテクチャ,コンピュータの概念と内部アーキテクチャの変遷について理解していない
評価項目3パイプライン処理の阻害要因とハザートの解決法,キャッシュと仮想記憶,命令レベル並列処理とアウトオブオーダ処理について理解するパイプライン処理の阻害要因とハザートの解決法,キャッシュと仮想記憶,命令レベル並列処理とアウトオブオーダ処理についておおよそ理解するパイプライン処理の阻害要因とハザートの解決法,キャッシュと仮想記憶,命令レベル並列処理とアウトオブオーダ処理について理解していない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-4 説明 閉じる
JABEE d1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 電卓用汎用チップとしてスタートしたμプロセッサは,ユビキタス・コンピューティング社会と言われる現在,携帯電話,家電製品,そして自動車など,ほとんど全ての工業製品に組み込まれている.更に,近い将来,ユビキタス・ネットワークの時代を迎えれば,通信ネットワークをコアの一部とする根本的な見直しなどが技術基盤であるμプロセッサ内部アーキテクチャに求められ,当然それに伴う新しいOSの出現なども予想されることから,計算機システムに関する基本アーキテクチャの理解が,研究者・技術者にとって極めて重要と言える.本講義前半においては,計算機の仕組みに関する基礎知識を学び,その理解を深めることを目的としている.
更に,後半では,コンピュータ・アーキテクチャの変遷について簡単に触れ,次代のネットワーク対応型アーキテクチャでも基幹技術となる高速化のための様々なテクノロジについて解説する.
授業の進め方・方法:
 理解の容易のため授業ノートを事前に配布,プレゼンテーション機器なども活用して授業効率の改善を図るが,受講生自身の継続的な学習こそ不可欠である.特に後半は,授業開始後15分程度のショート・テストを適宜実施,その総合評価に応じ期末試験を実施・手集計して全体評価とし,理解度のチェックと負担分散に配慮する.
また,次のような自学自習を60時間以上行うこと
・授業内容を理解するため,予め配布したプリント(教科書)で予習する
・授業内容の理解を深めるため,復習を行う
・毎時間,課題を与えるので,レポートを作成する
・定期試験の準備を行う
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス コンピュータの技術史,最近の動向に,授業の進め方,評価の方法,について説明する
2週 ディジタルな表現,計算する 1.基礎的な論理回路や計算のサイクル,データの流れと制御の流れ
3週 計算のサイクル,主記憶装置 1.基礎的な論理回路や計算のサイクル,データの流れと制御の流れ
4週 命令とは何か,シーケンサ 1.基礎的な論理回路や計算のサイクル,データの流れと制御の流れ
5週 命令の表現形式とアセンブリ言語 1.基礎的な論理回路や計算のサイクル,データの流れと制御の流れ
6週 命令セットとアドレッシング 2.命令セットアーキテクチャ,コンピュータの概念と内部アーキテクチャの変遷
7週 サブルーチンの実現 2.命令セットアーキテクチャ,コンピュータの概念と内部アーキテクチャの変遷
8週 実験(アセンブリ言語によるファームウェア開発,C言語によるファームウェア開発) 2.命令セットアーキテクチャ,コンピュータの概念と内部アーキテクチャの変遷
2ndQ
9週 コンピュータの概念と内部アーキテクチャの変遷 2.命令セットアーキテクチャ,コンピュータの概念と内部アーキテクチャの変遷
10週 ショート・テスト(15分),内部アーキテクチャと命令セット 2.命令セットアーキテクチャ,コンピュータの概念と内部アーキテクチャの変遷
11週 ショート・テスト(15分),パイプライン処理とパイプライン・レジスタ 3.パイプライン処理の阻害要因とハザートの解決法,キャッシュと仮想記憶,命令レベル並列処理とアウトオブオーダ処理
12週 パイプラインの阻害要因とハザードの解決法 3.パイプライン処理の阻害要因とハザートの解決法,キャッシュと仮想記憶,命令レベル並列処理とアウトオブオーダ処理
13週 ショート・テスト(15分),キャッシュと仮想記憶 3.パイプライン処理の阻害要因とハザートの解決法,キャッシュと仮想記憶,命令レベル並列処理とアウトオブオーダ処理
14週 ショート・テスト(15分),命令レベル並列処理とアウト・オブ・オーダ処理 3.パイプライン処理の阻害要因とハザートの解決法,キャッシュと仮想記憶,命令レベル並列処理とアウトオブオーダ処理
15週 ショート・テスト(15分),μプロセッサの最近の動向 3.パイプライン処理の阻害要因とハザートの解決法,キャッシュと仮想記憶,命令レベル並列処理とアウトオブオーダ処理
16週 期末試験 ショート・テストの総合評価で達成度の確認ができれば,演習・実験を行い,実践力の強化に当てる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野計算機工学整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。5前1,前2
基数が異なる数の間で相互に変換できる。5
整数を2進数、10進数、16進数で表現できる。5
小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。5
基本的な論理演算を行うことができる。5
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。5
論理式の簡単化の概念を説明できる。5
簡単化の手法を用いて、与えられた論理関数を簡単化することができる。5
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。5
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。5
組合せ論理回路を設計することができる。5
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。5
レジスタやカウンタなどの基本的な順序回路の動作について説明できる。5
与えられた順序回路の機能を説明することができる。5
順序回路を設計することができる。5
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。5
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。5
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。5
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。5
コンピュータアーキテクチャにおけるトレードオフについて説明できる。5
ハードウェア記述言語など標準的な手法を用いてハードウェアの設計、検証を行うことができる。5
要求仕様に従って、標準的なプログラマブルデバイスやマイコンを用いたシステムを構成することができる。5

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力400000040
専門的能力400000040
分野横断的能力200000020