概要:
電卓用汎用チップとしてスタートしたμプロセッサは,ユビキタス・コンピューティング社会と言われる現在,携帯電話,家電製品,そして自動車など,ほとんど全ての工業製品に組み込まれている.更に,近い将来,ユビキタス・ネットワークの時代を迎えれば,通信ネットワークをコアの一部とする根本的な見直しなどが技術基盤であるμプロセッサ内部アーキテクチャに求められ,当然それに伴う新しいOSの出現なども予想されることから,計算機システムに関する基本アーキテクチャの理解が,研究者・技術者にとって極めて重要と言える.本講義前半においては,計算機の仕組みに関する基礎知識を学び,その理解を深めることを目的としている.
更に,後半では,コンピュータ・アーキテクチャの変遷について簡単に触れ,次代のネットワーク対応型アーキテクチャでも基幹技術となる高速化のための様々なテクノロジについて解説する.
授業の進め方・方法:
理解の容易のため授業ノートを事前に配布,プレゼンテーション機器なども活用して授業効率の改善を図るが,受講生自身の継続的な学習こそ不可欠である.特に後半は,授業開始後15分程度のショート・テストを適宜実施,その総合評価に応じ期末試験を実施・手集計して全体評価とし,理解度のチェックと負担分散に配慮する.
また,次のような自学自習を60時間以上行うこと
・授業内容を理解するため,予め配布したプリント(教科書)で予習する
・授業内容の理解を深めるため,復習を行う
・毎時間,課題を与えるので,レポートを作成する
・定期試験の準備を行う
注意点:
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス |
コンピュータの技術史,最近の動向に,授業の進め方,評価の方法,について説明する
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2週 |
ディジタルな表現,計算する |
1.基礎的な論理回路や計算のサイクル,データの流れと制御の流れ
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3週 |
計算のサイクル,主記憶装置 |
1.基礎的な論理回路や計算のサイクル,データの流れと制御の流れ
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4週 |
命令とは何か,シーケンサ |
1.基礎的な論理回路や計算のサイクル,データの流れと制御の流れ
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5週 |
命令の表現形式とアセンブリ言語 |
1.基礎的な論理回路や計算のサイクル,データの流れと制御の流れ
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6週 |
命令セットとアドレッシング |
2.命令セットアーキテクチャ,コンピュータの概念と内部アーキテクチャの変遷
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7週 |
サブルーチンの実現 |
2.命令セットアーキテクチャ,コンピュータの概念と内部アーキテクチャの変遷
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8週 |
実験(アセンブリ言語によるファームウェア開発,C言語によるファームウェア開発) |
2.命令セットアーキテクチャ,コンピュータの概念と内部アーキテクチャの変遷
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2ndQ |
9週 |
コンピュータの概念と内部アーキテクチャの変遷 |
2.命令セットアーキテクチャ,コンピュータの概念と内部アーキテクチャの変遷
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10週 |
ショート・テスト(15分),内部アーキテクチャと命令セット |
2.命令セットアーキテクチャ,コンピュータの概念と内部アーキテクチャの変遷
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11週 |
ショート・テスト(15分),パイプライン処理とパイプライン・レジスタ |
3.パイプライン処理の阻害要因とハザートの解決法,キャッシュと仮想記憶,命令レベル並列処理とアウトオブオーダ処理
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12週 |
パイプラインの阻害要因とハザードの解決法 |
3.パイプライン処理の阻害要因とハザートの解決法,キャッシュと仮想記憶,命令レベル並列処理とアウトオブオーダ処理
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13週 |
ショート・テスト(15分),キャッシュと仮想記憶 |
3.パイプライン処理の阻害要因とハザートの解決法,キャッシュと仮想記憶,命令レベル並列処理とアウトオブオーダ処理
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14週 |
ショート・テスト(15分),命令レベル並列処理とアウト・オブ・オーダ処理 |
3.パイプライン処理の阻害要因とハザートの解決法,キャッシュと仮想記憶,命令レベル並列処理とアウトオブオーダ処理
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15週 |
ショート・テスト(15分),μプロセッサの最近の動向 |
3.パイプライン処理の阻害要因とハザートの解決法,キャッシュと仮想記憶,命令レベル並列処理とアウトオブオーダ処理
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16週 |
期末試験 |
ショート・テストの総合評価で達成度の確認ができれば,演習・実験を行い,実践力の強化に当てる
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 情報系分野 | 計算機工学 | 整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。 | 5 | 前1,前2 |
基数が異なる数の間で相互に変換できる。 | 5 | |
整数を2進数、10進数、16進数で表現できる。 | 5 | |
小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。 | 5 | |
基本的な論理演算を行うことができる。 | 5 | |
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。 | 5 | |
論理式の簡単化の概念を説明できる。 | 5 | |
簡単化の手法を用いて、与えられた論理関数を簡単化することができる。 | 5 | |
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。 | 5 | |
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。 | 5 | |
組合せ論理回路を設計することができる。 | 5 | |
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。 | 5 | |
レジスタやカウンタなどの基本的な順序回路の動作について説明できる。 | 5 | |
与えられた順序回路の機能を説明することができる。 | 5 | |
順序回路を設計することができる。 | 5 | |
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。 | 5 | |
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。 | 5 | |
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。 | 5 | |
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。 | 5 | |
コンピュータアーキテクチャにおけるトレードオフについて説明できる。 | 5 | |
ハードウェア記述言語など標準的な手法を用いてハードウェアの設計、検証を行うことができる。 | 5 | |
要求仕様に従って、標準的なプログラマブルデバイスやマイコンを用いたシステムを構成することができる。 | 5 | |