音響振動工学

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 音響振動工学
科目番号 0008 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 専攻科 生産システム工学専攻 対象学年 専2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 【教科書】鈴木昭次,西村正治,雉本信哉,御法川学「機械音響工学」コロナ社 【参考書】安田仁彦「機械音響学」コロナ社 他
担当教員 新田 陽一

到達目標

 音響工学で必要な基礎知識を習得し,種々の分野に応用する基本能力を身につける。
(1) 音のもつ性質や扱う際の単位,人間の聴覚特性を理解し,説明できる。
(2) 音波の基礎方程式を理解し,基本的なケースの計算ができる。
(3) 騒音の測定方法や分析方法を理解し,説明ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
音のもつ性質や扱う際の単位,人間の聴覚特性を十分に理解し,詳しく説明できる。音のもつ性質や扱う際の単位,人間の聴覚特性を概ね理解し,説明できる。音のもつ性質や扱う際の単位,人間の聴覚特性を理解しておらず,説明できない。
音波の基礎方程式を十分に理解し,基本的なケースの計算ができる。音波の基礎方程式を概ね理解し,基本的なケースの計算ができる。音波の基礎方程式を理解しておらず,基本的なケースの計算ができない。
騒音の測定方法や分析方法を十分に理解し,詳しく説明ができる。騒音の測定方法や分析方法を概ね理解し,説明ができる。騒音の測定方法や分析方法を理解しておらず,説明ができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-4 説明 閉じる
JABEE d1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 音(騒音)は機械振動と密接な関係にあり,種々の機械製品・電気製品を設計する上で考慮しなければならない要素の一つである。特に近年では付加価値を高めるため,より静かな製品が求められる傾向にあり,その重要度も増している。
 本科目では音を取り扱う際の基礎的な事項を学び,上記の製品開発に必要となる知識を習得することを目的とする。
授業の進め方・方法:
 授業の前半はプレゼンテーションツールを使って講義を行い,後半にその内容に関する演習を行う。基本的な内容に的を絞るので,要点をしっかり理解すること。疑問を授業後に残さないよう,不明な点は積極的に質問するとよい。演習に際しては,プリント,教科書等を参照してよいが,自力で解くように努めること。
 三角関数,微分,積分,複素数など,数学の知識をよく復習し,身に付けておくこと。
 出欠の記録を兼ねてシャトルカードを用意する。質問事項や感想を記入して,授業内容の理解や授業改善に活用してもらいたい。
 オフィスアワーは具体的な時間帯は設定せず,休憩時間・放課後に研究室(E科棟3F)へ来室すれば,用事のない限りいつでも質問や補講に応じる(いつでもオフィスアワー)。ただし,会議等で不在の場合もあることを了承願いたい。簡単な内容であれば携帯電話等からのメールでも構わない。試験情報や講義資料は以下のURLを参照のこと。
 ●参考URL: http://yonago-k-nitta.sub.jp/
 また,次のような自学自習を60時間以上行うこと。
・適宜,課題演習を課すので,これを実施・提出する。プリント,教科書等を参照してよいが,自力で解くように努めること。
・授業内容の理解を深めるため,ノート(配布プリント)の記載内容の整理など,復習を行う。
・定期試験の準備を行う。過去の問題はHPにて公開しているので,これを解いてみるとよい。
注意点:
 授業の到達目標の達成度,および基礎的な事項の理解度やそれを応用する能力の習得状況をみる。成績は定期試験 (70%),演習(30%)を基本として評価する。
 定期試験は正しく解答することが大前提であるが,間違っていても解法の説明があればその内容を勘案して部分点を与える。定期試験の再試は行わないので(演習が再試代わり),毎回の試験に全力を注ぐこと。
 また,学校の勉強は結果だけが全てではなく,真摯に取り組む姿勢も重要である。授業によく集中し,積極性をもって臨むこと。
 成績は四半期ごとに算出し,それまでの成績の累積平均をその時点の評価とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 授業ガイダンス,音響工学の基礎事項 授業の進め方を理解する。音波の発生メカニズムと音の特性を表す基本物理量を説明できる。
2週 騒音の諸量 音の評価量の体系を理解し,各種評価量の計算・相互変換ができる。
3週 騒音の影響 人間の聴覚特性を理解し,各種評価量との関連について説明できる。
4週 波動方程式と平面波 1次元の波動方程式の導出過程を理解し,調和振動モデルに対する具体的な計算ができる。
5週 波動方程式と球面波 3次元波動方程式の極座標変換を理解し,調和振動モデルに対する具体的な計算ができる。
6週 音の強さと重ね合わせ 音響エネルギーの考え方を理解し,音の強さを用いた具体的な計算ができる。
7週 反射・透過 音波の持つ波動性を理解し,反射率・透過率・吸音率などの計算ができる。
8週 後期中間試験 後期第1週〜第7週の内容について,種々の問題に対応できる。
4thQ
9週 音場の固有特性1:1次元の場合 固有モードの概念を理解し,管路モデルについて具体的な計算ができる。
10週 音場の固有特性2:2次元・3次元の場合 2次元・3次元固有モードの概念を理解し,説明できる。Helmholz共鳴器を理解し,具体的な計算ができる。
11週 騒音レベルの測定法 マイクロホンと騒音計に関する基礎知識を理解し,これらを用いた騒音レベル測定について説明できる。
12週 周波数分析法 スペクトル解析とオクターブバンド解析について理解し,それぞれの特徴や留意点を説明できる。
13週 音響パワーレベルの測定法 音響パワーレベルの測定法について理解し,具体的な計算ができる。
14週 最近の音響計測手法 音の可視化を中心とする計測法について理解し,その基本原理や特徴を説明できる。
15週 モーダル解析 モーダル解析の概要について理解し,大まかな測定手順や留意点について説明できる。
16週 後期期末試験 後期第9週〜第15週の内容について,種々の問題に対応できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力2000001030
専門的能力5000002070
分野横断的能力0000000