材料強度・材料組織学

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 材料強度・材料組織学
科目番号 0009 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 専攻科 生産システム工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 加藤、熊井、尾中:マテリアル工学シリ-ズ3 材料強度学、朝倉書店
担当教員 原 圭介

到達目標

(1)金属材料の組織制御の基本的手法についての基礎知識を理解できる。
(2)塑性変形の基本形態であるすべり変形について理解できる。
(3)すべり変形を支配する結晶欠陥である転位の基本的性質を理解できる。
(4)材料の各種強化機構を転位論の観点から理解できる。
(5)脆性材料の破壊挙動の破壊靭性値を理解することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1金属材料の組織制御の基本的手法についての基礎知識を理解し、正しい語句を使用して詳細に説明できる。金属材料の組織制御の基本的手法についての基礎知識を理解し、説明できる。金属材料の組織制御の基本的手法についての基礎知識を理解できない。
評価項目2塑性変形の基本形態であるすべり変形について理解し、正しい語句を使用して詳細に説明できる。塑性変形の基本形態であるすべり変形について理解し、説明できる。塑性変形の基本形態であるすべり変形について理解できない。
評価項目3すべり変形を支配する結晶欠陥である転位の基本的性質を理解し、正しい語句を使用して詳細に説明できる。すべり変形を支配する結晶欠陥である転位の基本的性質を理解し、説明できる。すべり変形を支配する結晶欠陥である転位の基本的性質を理解できない。
評価項目4材料の各種強化機構を転位論の観点から理解し、正しい語句を使用して詳細に説明できる。材料の各種強化機構を転位論の観点から理解し、説明できる。材料の各種強化機構を転位論の観点から理解できない。
評価項目5脆性材料の破壊挙動の破壊靭性値を理解し、正しい語句を使用して詳細に説明できる。脆性材料の破壊挙動の破壊靭性値を理解し、説明できる。脆性材料の破壊挙動の破壊靭性値を理解することができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-4 説明 閉じる
JABEE d1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
構造用金属系材料を主な対象として、その機械的性質を支配する材料組織の形成過程を理解し、その制御を通して特性を向上させるための指針を学ぶ。一方、材料強度、つまりその塑性変形挙動および破壊挙動を取り扱うための基礎事項について学習する。すなわち、塑性変形を支配する結晶欠陥である転位に基づく原子論的メカニズム、脆性材料の破壊強度を取り扱うための破壊靭性値およびエネルギ-論、更には金属疲労についての基礎事項などを学ぶ。
授業の進め方・方法:
講義中心に授業を進める。選定した教科書の内容に沿って重点的に進める。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業に関するガイダンス。合金の状態図の見方および演習。 合金の状態図の見方理解できる。
2週 凝固、相変態、析出および加工-再結晶等組織制御の基礎事項 凝固、相変態、析出および加工-再結晶等組織制御の基礎事項を理解できる。
3週 金属の結晶学の基礎。各種結晶欠陥について 金属の結晶学の基礎。各種結晶欠陥について理解できる。
4週 金属の塑性変形とすべり変形と転位運動について 金属の塑性変形とすべり変形と転位運動について理解できる。
5週 転位の種類とバ-ガ-スベクトル 転位の種類とバ-ガ-スベクトルついて理解できる。
6週 金属の塑性変形とすべり変形と転位運動について 金属の塑性変形とすべり変形と転位運動について理解できる。
7週 部分転位と完全転位。積層欠陥と双晶形成 部分転位と完全転位。積層欠陥と双晶形成ついて理解できる。
8週 転位の増殖機構。転位と他の欠陥との相互作用 転位の増殖機構、転位と他の欠陥との相互作用について理解できる。
2ndQ
9週 合金の各種強化原理の転位論的メカニズム 合金の各種強化原理の転位論的メカニズムについて理解できる。
10週 延性材料の破壊条件 延性材料の破壊条件について理解できる。
11週 脆性材料の破壊のエネルギ-論 脆性材料の破壊のエネルギ-論について理解できる。
12週 脆性材料の破壊靭性値の意義とその実験的求め方 脆性材料の破壊靭性値の意義とその実験的求め方について理解できる。
13週 金属疲労の現象論と試験法 金属疲労の現象論と試験法について理解できる。
14週 金属疲労のメカニズム 金属疲労のメカニズムについて理解できる
15週 期末試験
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野材料機械材料に求められる性質を説明できる。3前1
脆性および靱性の意味を理解し、衝撃試験による粘り強さの試験方法を説明できる。3前11,前12
疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる。3前14
合金の状態図の見方を説明できる。3前1
塑性変形の起り方を説明できる。3前4,前10,前11
加工硬化と再結晶がどのような現象であるか説明できる。3前2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000