知的財産権特論

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 知的財産権特論
科目番号 0009 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 専攻科 生産システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 集中 週時間数
教科書/教材 「知的財産権標準テキスト(総合編)」、特許ワークブック「書いてみよう特許明細書出してみよう特許出願」:(社)発明協会著、出版社 東京書籍印刷(株)
担当教員 大塚 茂,田辺 義博

到達目標

技術者としての「倫理⼒」を養うために具体的には以下を⽬標とする。
(1) 特許法と制度の成り⽴ち,知的財産権の分類などを理解することができる。
(2) 特許発明の構成要件(新規性・進歩性など)を理解することができる。
(3) 特許申請手順,特許検索⽅法などを理解することができる。
(4) 特許明細書の構成・書き⽅などを理解し,特許明細書を書くことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1知的財産権の分類や特許発明の構成要件などを十分に理解し、適切に説明することができる。知的財産権の分類や特許発明の構成要件などを理解し、説明することができる。知的財産権の分類や特許発明の構成要件などを理解し、説明することができない。
評価項目2特許申請手順,特許検索⽅法などを十分に理解し、適切に説明することができる。特許申請手順,特許検索⽅法などを理解し、説明することができる。特許申請手順,特許検索⽅法などを理解し、説明することができない。
評価項目3特許明細書の構成・書き⽅などを十分に理解し説明することができる。また、特許明細書を適切に書くことができる。特許明細書の構成・書き⽅などを理解し説明することができる。また特許明細書を書くことができる。特許明細書の構成・書き⽅などを理解し説明することができない。また、特許明細書を書くことができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 D-2 説明 閉じる
JABEE b 説明 閉じる
JABEE d4 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この講義は本校の教育⽬標のうち「倫理⼒」を養う科⽬である。本来資源不⾜の我が国が⽬標とする技術⽴国擁⽴には,U.S.PAT.取得件数の1/5を占めるに至った知的財産権などの無形知的生産物がもっとも効率良く企業の存続を支えるものとなる。本講義ではこういった時代背景を踏まえ,特許制度の成り⽴ちから知的財産権の分類,特許構成要件,特許申請手順,ひいては特許申請における明細書の書き⽅などを実務的に体験しながらその習得を⽬標とする。
授業の進め方・方法:
知的財産権に関する知識と実務は,企業の技術者としては修得すべき必須要件となっている。本講義における基礎知識,ケーススタディや特許明細書作成の実務体験を通じて,この機会に⼗分習得して自分のものとすること。質問については,授業以外では⽕,⽊曜⽇の16:30〜適宜⼤塚研究室にて対応する。
また,次のような自学自習を60時間以上⾏うこと。
・授業内容を理解するため,予め指定した教科書で予習する。
・授業内容の理解を深めるため,復習を⾏う。
・毎時間課題を与えるので,レポートを作成する。
注意点:
到達⽬標が達成されたかを、前・後期1回ずつのレポート提出(成績評価の75%)と⼩テスト(成績評価の20%)、授業平常点(5%︓出席・授業態度・質問対応などで判断する)とによって判断する。原則として追試は⾏わない。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 講義ガイダンス,知的財産権の時代︓生き残りをかけた知的財産権による企業の技術武装など。 知的財産権による企業の技術武装のトレンドを理解し、説明できる。
2週 特許制度の歴史1:特許制度の誕生,⽇本の特許制度についてなど。 特許制度の誕生,⽇本の特許制度について理解し、説明できる。
3週 特許制度の歴史2:⼯業所有権とノウハウなど。 ⼯業所有権とノウハウに関して理解し、説明できる。
4週 発明とは何か︖その1︓発明の概念とその種類。 発明の概念とその種類について理解し、説明できる。
5週 発明とは何か︖その2︓禁じられた発明,著作権とプログラム特許、物質特許など。 禁じられた発明,著作権とプログラム特許、物質特許について理解し、説明できる。
6週 特許の構成要件︓産業上の利用,新規性,進歩性,先願主義など。 産業上の利用,新規性,進歩性,先願主義について理解し、説明できる。
7週 特許の構成要件︓より広い範囲での権利主張方法など。 より広い範囲での権利主張方法について理解し、説明できる。
8週 特許の構成要件︓新規性喪失の例外規定など。 新規性喪失の例外規定について理解し、説明できる。
2ndQ
9週 特許手続き︓特許の申請手順,出願広告,審査請求,異議申し⽴て,手続き補正など。 特許の申請手順,出願広告,審査請求,異議申し⽴て,手続き補正について理解し、説明できる。
10週 国際化する特許︓パリ条約,特許協⼒条約,特許係争,権利範囲の解釈。 パリ条約,特許協⼒条約,特許係争,権利範囲の解釈について理解し、説明できる。
11週 特許明細書の構成︓特許明細書の構成,及び検索の⽅法など。 特許明細書の構成,及び検索の⽅法について理解し、説明できる。
12週 前期講義に関する理解度を計る小テストの実施 前期講義範囲に関する到達状況の把握。
13週 具体的発明案件に対する特許検索の仕方。テキスト検索など。 特許検索の仕方:テキスト検索について理解し、説明できる。
14週 具体的発明案件に対する特許検索の仕方。テキスト検索とIPC分類検索など。 特許検索の仕方:テキスト検索やIPC分類検索について理解し、説明できる。
15週 グループワークとしての発明案件に係わる新規性・進歩性の抽出についての体験学習。 発明案件に係わる新規性・進歩性の抽出について理解し、説明できる。
16週 前期期末成果報告書提出。 前期講義範囲に関する自学自習と課題解決能力の把握。
後期
3rdQ
1週 講義ガイダンスと前期講義部分の復習、および各種工業所有権等の実例紹介。 前期講義部分の復習、および各種工業所有権等について理解し、説明できる。
2週 特許申請手順(出願広告・審査請求・異議申し⽴て・意見書作成・手続き補正)の解説など。 特許申請手順(出願広告・審査請求・異議申し⽴て・意見書作成・手続き補正)について理解し、説明できる。
3週 特許明細書の一般的構成、および実例に基づく特許明細書の構成例と引例調査法など。 特許明細書の構成例と引例調査法などについて理解し、説明できる。
4週 特許明細書の書き⽅の手引き、先願主義、パリ条約と国内優先権、電⼦出願など。 特許明細書の書き⽅の手引き、先願主義、パリ条約と国内優先権、電⼦出願などについて理解し、説明できる。
5週 特許検索の仕方:IPC分類検索・Fターム検索・FI検索について理解できる。(U.S.PATなども含む) 特許検索の仕方:IPC分類検索・Fターム検索・FI検索について理解できる。
6週 具体的発明案件に対する新規性・進歩性の抽出についての体験学習。 発明案件に係わる新規性・進歩性の抽出について理解し、説明できる。
7週 グループワークとしての発明案件に係わる新規性・進歩性の抽出と創出など(その1)。 発明案件に係わる新規性・進歩性の抽出と創出方法などを理解し、説明できる。
8週 グループワークとしての発明案件に係わる新規性・進歩性の抽出と創出など(その2)。 発明案件に係わる新規性・進歩性の抽出と新たな新規性・進歩性の創出方法などを理解し、説明できる。
4thQ
9週 ルーチンワークとしての発明提案書の具体的作成⽅法。自作の発明提案書を活用。 発明提案書の構成と具体的作成⽅法を理解し、説明できる。
10週 ルーチンワークとしての特許明細書の具体的作成⽅法。自作の特許明細書の素を活用。 特許明細書の構成と具体的作成⽅法を理解し、説明できる。
11週 ケーススタディ(例題)としての発明案件に対する新規性・進歩性の捉え方の説明。 (例題)としての発明案件に対する新規性・進歩性の捉え方を理解し、説明できる。
12週 ケーススタディ(例題)としての発明案件に対する特許明細書作成の準備。 (例題)としての発明案件に対する特許明細書作成の準備ができる。
13週 特許明細書作成の実務体験と添削・指導。 特許明細書作成方法の流れを理解し、明細書の作成ができる。
14週 オリジナルの構成要件を盛り込んだ特許明細書作成の実務体験と添削・指導。 オリジナルの構成要件を盛り込んだ特許明細書作成方法を理解し、説明できる。
15週 オリジナルの構成要件を盛り込んだ特許明細書作成の実務体験継続と添削・指導,最終は特許明細書提出。 オリジナルの構成要件を盛り込んだ特許明細書作成方法を理解し、明細書の作成ができる。
16週 後期期末成果報告書提出。 後期講義範囲に関する自学自習と課題解決能力の把握。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合20750500100
基礎的能力0005005
専門的能力2075000095
分野横断的能力0000000